サナザナサラチ　35号

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手に入れることのできぬものを得ようといつまでも争い、あくことなく追い求め、苦しみ悩む束縛から解放するために暗黒を照らし正道を示すビーコンの光を、人々は無視しています。それはなぜでしょう。 　かれをみちびくものが心であって知性でないからです。知性は識別し、照明し、分析します。しかし心は欲望を盲目的に追いかけます。知性は人に義務と責任を自覚させます。心のさまようままに流されて人は休息も知らず安らぎも知らず、あちこちに動きまわります。 　かれはバスに乗るために走り、事務所にかけつけ、映画館に走り、クラブに走り、静寂にひたる時を持ちません。平安は霊的努力によって達するべきです。つまり、すべての思い、言葉、行為を霊的にすることがたいせつです。 　こんにち世界を平安と繁栄の状態におくために計画すべきことは新しい霊的秩序でもなく、あたらしい機関でもありません。必要とされるのは清らかな心を持つ男女の人々です。かれらのみが沼地に沈んだ世界を上昇させることができます。

p.795

Sanathana Sarathi Aug.1988