サナザナダルマ 12号
23Ldarma12

 クリシュナはたとえ善人であっても目の前で不正が行われそれに反対する力を持ちながら、なお目の前の不正にたいしてなんの反対もしない人を、じっさいに犯罪に加担する者とみなしました。邪悪と不正と暴力が行われているとき、無関心でいる人があれば、その人は犯罪の共犯者とみなされます。かれらは犯罪人と同じ苦しみにあう結果となります。受身の加担をしたことによって、かれらは邪悪を行っている人を激励したことになるからです。

 トレタ ユガのころのことです。ラーヴァナの弟ヴィビーシャナはラーヴァナのなす悪行に我慢なりませんでした。かれの悪行に反対してヴィビーシャナはあらゆる手段を用いてラーヴァナを矯正しようと努めました。しかし努力は実らず、もはや他になすべき途を知らなかったかれはダルマの権化であるシュリ ラーマの御足にすがりました。

 悪の張本人はラーヴァナひとりです。しかしラーマとの戦いでラーヴァナの陣営にあった悪鬼はみなラーヴァナとともに死にました。かれらはラーヴァナの罪を扇動した罪の代償を支払ったのです。 
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Sanathana Sarathi Feb. 1989