サナザナサラチ 33号
2Lsara33

サットチットアーナンダ

  宇宙には無数のものが存在します。それらのうちにあってただ一つ不変にして永遠の原理がアートマンです。それはプラニャーナです。それはブラフマンです。生々流転してやまぬ宇宙万物を維持するものは、この永遠の原理の力です。アーシュテイ“、”パーテイ“、”プリヤム“は、神の三つの属性であり、存在し、光輝を放ち、好ましいという意味です。サットチットアーナンダは神の属性です。サットは永遠を意味し、チットは全知を意味し、アーナンダは純粋至福です。これら三つの属性は変化せず、名と相を持ちません。これらの属性が名と相を持つものと結びつくと五大原素よりなる現象的宇宙となります。宇宙には神性が浸透しています。人の肉眼には見えずとも、神はあらゆるもののうちに存在します。わたしたちの感覚が機能するのは、すべて万物のうちにあって内から操作する意識があればこそです。意識がなければ人は無感覚です。

  それぞれ異なる意識の状態は、たがいに他と相容れません。ある意識状態においては、他の意識状態で経験することを経験することができません。たとえば、夢の中で、知人が死に、それを知ってあなたは泣くでしょう。しかし目覚めてみれば、知人が死んだのは夢でありあなたは泣くことはありません。夢のなかで起きたことは、夢の中でのみ真実です。目覚めてみれば、それは非真でした。それと同様に、人は現実に死んだ知人の死を、夢の中で泣くことはありません。それぞれの体験は、そのときの意識状態においてのみ真実です。しかし、目覚め、夢見、熟睡の三状態に共通する原理があります。それはアートマンです。アートマンは時間、空間、環境という制限によって限定されることはありません。 
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Sanathana Sarathi Dec. 1987