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13.玉虫塗/仙台市
工芸品の概要

JAPAN-うるし-うるしの国、日本
その日本に数あるうつわのなかで
玉虫塗ほどその独特の色調で知られるものはありません。
内側にまかれた銀粉が作り出す深いてりかえしは
玉虫の羽根の色にも似て
それまでの漆器には見られない発色となり
そのシンプルなフォルムとあいまって
"和"と"洋"のどちらにも調和します
【歴史】画像1
 商工省(現経済産業省)工芸指導所が、昭和3年に仙台に設立され、以後40年間、わが国の産業工芸のための開発研究と指導の拠点となってきたことから、仙台は日本デザイン史上「近代工芸・デザイン研究発祥の地」として評価されている。
 しかし、その工芸指導所が国の方向転換により、産業工芸試験所東北支社として昭和42年に閉鎖となり、以来30年を経る今日、地元仙台市や宮城県、ひいては東北地区に対して、何を働きかけ、何をもたらしたかについては、徐々に風化してしまい、一般的にはその実績が見えない状況となっている。
 
 東北工芸製作所は、商工省工芸指導所が東北帝国大学金属材料研究所と協力して、地元仙台の経済界の主だった人々の喚起を促して設立を支援し、昭和8年に仙台に創設した会社である。目的は、新東北特産物の誕生を目標として共同開発し、あるいは独自に創案して生み出した新生活用品の流通の拠点とすることであった。
 また、工芸指導所の課題は、伝統工芸に科学のメスを加え、量産を図って輸出振興に寄与することであった。玉虫塗は、工芸指導所が外国にも受け入れられ、漆器を創出する工夫を重ねる中で所員小岩峻(作家名は古明)が、外国人の嗜好に合う鮮明色の漆塗装法を研究し、昭和7年に開発したものである。
 8年に工芸指導所が特許申請し、10年に漆器新塗装法の名で特許140160号を得た。小岩は「漆の色彩感に意を注ぎ、豊麗にして優雅かつ深みのある塗装法を得たり、すなわち銀消粉に仕上げたる器物面に塗料を練り合せたる透明漆を塗りこみ、銀光を透して染料に濃厚なる色彩を覗現せしめたるものにして、 恰も玉虫の羽色に彷彿たるものありたるをもって、仮に玉虫塗と命名したり」としている。
 昭和14年に東北工芸製作所がこの特許を利用することが認められ、同年12月1日から7日まで、第一回玉虫塗新作発表会が三越デパートで開催されている。画像2
 "銀粉をまく・・・、染料を使って上塗りする・・・"この何気ない着相が漆器本来の伝統的下地塗りの技法と一体となって独特の色調を作り出し、やがて「玉虫塗」と名付けられたのです。
 特許としてスタートした新しい塗りもの「玉虫塗」がカリフォルニア州の国際デザインコンクールに於いてゴールドメダルアワードを受賞し、通産省制定のグッドデザイン賞(Gマーク)に輝き、やがて宮城県指定伝統的工芸品の地位を確保するまで、50年の歳月を要しました。

画像3…主な受賞と指定…
・昭和13年 貿易局輸出工芸展覧会<商工大臣賞>受賞
・昭和31年 北日本中小企業振興展<優秀賞>受賞
・昭和36年 米国カリフォルニア州デザイン展<デザイン金賞>受賞
・昭和41年 通産省<グッドデザイン賞(Gマーク)>受賞
・昭和49年 全日本中小企業輸出見本市<中小企業長官賞>受賞
・昭和60年 宮城県伝統工芸品の指定を受ける
・平成10年 松煙塗座卓<グッドデザイン賞(Gマーク)>受賞
・平成11年 四季の石皿<グッドデザイン賞(Gマーク)>受賞

 

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生産地   宮城県仙台市
原材料   天然木、樹脂、金属(アルミニウム)、紙、陶器、ガラス、漆
主な商品  
玉虫塗 宝石箱萩(緑)
¥12,000(税別)
 よくしだれて咲く姿が美しい宮城野萩は、宮城県花であり、7月から9月頃に紅紫色の優美な花をつけます。萩を詠んだ歌は万葉集に141首あり、最も多いとされ、万葉人は、萩を美しい妻や恋人と見立てていたようです。
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玉虫塗
 仙台城本丸扇面絵図(緑)
¥17,000(税別)
 仙台城本丸の主要建造物に焦点をあてた扇面絵図は、東北工業大学工業意匠学科の西野研究室が史実に則り、作成した原図を元に製作させていただきました。桃山時代の建築、絵画、工芸技術の枠が集大成されています。
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玉虫塗
 八寸花瓶蒔絵竹二雀(緑)

¥140,000(税別)
 竹に雀は、伊達政宗曹祖稙宗の五男実元が上杉定美と養子を約したとき、贈られたものに図案を加え、家紋としたとされています。本商品はアルミ鋳物を素材に選び、さび止めを施し、独持の手法を経て作られるものです。
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玉虫塗 菊皿(赤)
¥100,000(税別)
 国立工芸指導所の指導で開発された素材(脱乾素地)を活かし、戦前、五十嵐好英が挽いた菊の皿を思わせる盛り器です。伝統的工芸品産業功労者である五十嵐邦英が塗を施した限定品です。
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玉虫塗
 仙台城復元図面取文庫(赤)

¥150,000(税別)
 仙台城本丸を城下東方より望見したもので、京都の清水寺のように中央の崖際に突き出して設けられた建造物が、本丸懸造りで、太平洋が一望できる設計です。
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メンテナンス方法   玉虫塗を長くご愛用いただくために
ご使用の際は次の点にご注意ください。
●直射日光をさけて保存して下さい。
●湯水に長時間つけておくことをせず、御使用のつど、油脂・水分を柔らかい布で拭きとってください。
けど、漆器は繊細なものだから…と敬遠せずにガンガン使ってほしいです。
商品購入のポイント   玉虫塗は他産地の漆器と違い、非常に光沢がゆたかです。また通常の漆器では考えられない色調のぬりものをラインナップしています(緑色や紫色など)。上記の商品以外にも500円位からの低価格の品物も多数ありますので、仙台にお越しの際には是非探してみて下さい。
あなたの“ぬりもの”に対する認識が変わるかもしれませんよ。
修理対応の可否   よろこんで。あなたの漆器を蘇らせます
オーダーの可否   得意中の得意です。
産地見学の可否   ぜひぜひご一報を。
製作体験の可否   塗りはちょっと(いやかなり)難しいかも。蒔絵なら…
工人(代表)の声   ---
製造工程
1. 刻苧(こくそ)彫り
素地の破損部分はたは板の接合部であるハギの目をノミで溝をほる。
2. 木地固め
生漆を素地にヘラまたは刷毛で染み込ませる。
3. 刻苧かい
木粉と麻の繊維を糊漆に混ぜた刻苧を刻苧彫の中にヘラで詰め込む。
4. 引込地付
地粉を糊漆で合せた下地を刻苧彫りの上にヘラで詰め込む。
5. 布着せ
素地に麻布または、和紙を糊漆で張る。
6. 布目揃え
布目に凹凸を平らに削り揃える。
7. 布目擦り
布目に錆または切粉地をヘラで付ける。
8. 地付け
水練りの地の粉と生漆を混ぜた下地をヘラで付ける。(一辺地)
9. 地研ぎ
地の表面を砥石で空研ぎする。
10. 地付け
2回目は1回目よりやや細かい地を付ける。(二辺地)
11. 地研ぎ
地の表面を砥石で空研ぎする。
12. 地付け
2回目よりやや細かい地を付ける。(三辺地)
13. 地固め
生漆をヘラまたは刷り毛で塗る。
14. 切粉地付け
地と錆とを混ぜた切粉下地をヘラ付けする。(地粉と研粉を混ぜた地)
15. 切粉地研ぎ
地の表面を砥石で空研ぎする。
16. 錆付け
研粉と生漆を混ぜた錆下地をヘラまたは刷毛で付ける。1〜2回繰り返す。
17. 錆研ぎ
下地の表面を砥石または水ペーパーで平滑になるまで水研ぎする。
18. 下塗り
下塗り漆を刷毛塗りする。一般には黒中漆を使う。
「下地塗り」
19. 疵見(キズミ)
下地の凹凸を錆で補修する。
20. 下塗り研ぎ
下塗りの表面を朴短炭で水研ぎをする。
21. 中塗り
赤漆または、青漆を刷毛で塗る。
22. 中刷り研ぎ
中塗りの表面を駿河炭、水ペーパーを使って平滑になるまで研ぐ。
23. 中塗り研ぎ面を水胴擦り(砥粉または炭粉)をして、摺漆をして乾かす。乾燥後再び摺漆をして銀粉(銀消粉)を蒔く。
「銀粉蒔き」
24. 赤や緑の玉虫漆で上塗りする。
「上塗り」
25. 沈金(ちんきん)や蒔絵(まきえ)をほどこす。
「加飾」
愛用者の声   ---
その他   ---
後継者の受け入れ等   ---
[お問い合せ]
 (有)東北工芸製作所
〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉三丁目3-44
TEL. 022-222-5401/FAX. 022-222-5462
URL http://www.t-kogei.co.jp/
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