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11.仙台箪笥/仙台市
工芸品の概要
【歴史】
 今日の仙台箪笥のかたちに近い箪笥がつくられるようになったのは、幕末から明治はじめにかけてのことと考えられています。明治末から大正はじめには生産量が急増し、「仙台箪笥」という名称もよく使われるようになりました。この時期が仙台箪笥の最盛期で、ヨーロッパにも輸出され、中でもドイツでの評価が高かったといわれています。
 やがて、東京で生産された箪笥や洋服箪笥などが入ってくるようになると、仙台箪笥の生産量は下降線をたどり、戦時中には一切の生産が停止するに至りました。しかし、戦後、この伝統的技術を復興しようという人々の熱意と努力によって再び生産が開始され、現在は宮城県の伝統工芸品に指定されています。ちなみに、箪笥が製造された年代は、金具の形態、塗りの仕上げなどを手がかりに知ることができます。
 

【特徴】
 材料はケヤキや栗(内側は杉や桐)、大きさは間口約4尺、高さ約3尺、奥行き約1尺〜3尺で、横型の一本物。塗りは透明で下の木目が見える木地呂塗り。前面に打ち出したたくさんの鉄金具がつく。これが仙台箪笥の典型といえるかたちです。現在は変化する生活に合わせ、この特徴を生かしたさまざまなデザインの箪笥がつくられています。
 

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【製造】
 木工、塗り、金具製作、いずれにも高度な技術が必要とされることから、仙台箪笥はこれらの仕事がそれぞれ熟練した職人によって完全に分業化されています。
 
【工房紹介】
 当工房は、金具職人が元請けとなって仙台箪笥の製造をしています。それだけに、特に金具製造にはこだわり抜き、代々受け継がれた技術、オリジナルのデザイン、独自に開発した製法を駆使し、すべて手作業で仕上げた100年の使用に耐える仙台箪笥をお届けしています。

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生産地   宮城県仙台市
原材料   ケヤキ、桐、漆、鉄、真鍮、銅
主な商品  

製品はすべてオーダーにお応えして製造しています。ここでは近年製作した中から3点をご紹介します。
 
画像41.竹に雀・手元箪笥
「竹に雀」は伊達家の家紋でした。元来は雀のまわりに笹の葉が細かく描かれるものですが、そのデザインを金具に生かすと木部に取り付ける際には一枚一枚に鋲を打ち付けることになるため、円の中に紋様を納めるデザインに改良したもの。紋のついた扉は観音開きで、開くと左は棚、右には引き出しとなっています。外国の方のご注文でした。
間口1尺4寸×高さ1尺5寸×奥行1尺1寸。ケヤキ無垢材。拭き漆塗(木地に漆を薄く塗り、布で拭き取る作業を繰り返しながら木地に漆を染み込ませるため、木目が美しく際立つ)。
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画像52.牡丹・手元箪笥
仙台箪笥の伝統的な金具の紋様の多くは、ほぼ左右対称にデザインされています。この箪笥は代表的な紋様の牡丹を、左右非対称の大きく大胆なデザインに起こし、前面に取り付けました。間口1尺2寸×高さ1尺5分×奥行1尺。ケヤキ無垢材。木地呂塗。
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画像63.龍紋・用箪笥
もともと仙台箪笥は、高さ約3尺に対し間口4尺と、横型に作られるものでしたが、生活の変化にともない小型のものが好まれるようになってきました。これは、龍の金具を配した伝統的な意匠はそのままに、間口3尺に仕上げたもの。間口3尺×高さ2尺8寸×奥行き1尺4寸。ケヤキ無垢材。木地呂塗。
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メンテナンス方法   月に一度位、植物性の油(椿、クルミ、菜種など)でふく。油は使い古した日本手ぬぐいなどで、必ずよくふき取っておくこと。そうすれば木部は輝きを増し、また金具は錆びることがない。
商品購入のポイント   ---
修理対応の可否   私が製作したものはもちろんのこと、古い仙台箪笥の修理、再生に応じています。再生の場合は、金具はすべてはずし、磨き直し、漆焼きの作業をし、修理不可能なものはあらたに打ち出して作り直します。また木部も細部を調整し直し、漆を落とし、塗り直します。こうした作業をへて組み直した箪笥は、新品となんら変わることがないほどの製品に生まれ変わります。手仕事でつくられた箪笥だからこそ再生が可能であり、手仕事こそ古いものを再びよみがえらせる最良の方法と考えています。
宮城県内であれば直接おうかがいしますし、県外の方にはまず現状の写真をお送りいただくようお願いしています。拝見し、お見積りのうえ作業に入ります。
オーダーの可否   ---
産地見学の可否   随時、お受けしています。
製作体験の可否   お受けしておりません。
工人(代表)の声   画像4金具職人の八重樫栄吉です。
祖父の丑蔵、父の大吉、兄の繁へと受け継がれた技術を守り、さらに発展させたいという一心で仕事をしてきました。わが家の金具製造の特色は、立体感にあります。現在つくられている箪笥には機械でプレスした金具を使った半オーダーメイドのものが見受けられますが、私は手仕事ならではの深い表情のある金具をつくり続けたいと思っています。現代生活にマッチするオリジナルなデザインにも取り組んでいます。
また、金具は長くいぶし焼きで色づけされてきましたが、昭和40年代に7年間の研究の末、漆塗りによる仕上げを開発しました。以来、堅牢で美しい漆黒の金具を製作しています。
製造工程
工程1 工程2
工程3 工程4
愛用者の声   ご購入のお客様にはご満足いただいています。新しくご注文される方のほとんどが、購入された方からのご紹介です。
その他   ---
後継者の受け入れ等   まず、ご相談ください。
[お問い合わせ]
 八重樫仙台タンス金具工房
〒984-0832 宮城県仙台市若林区下飯田字屋敷北164
TEL. 022-289-2491/FAX. 022-289-2703