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本番直前企画 開幕前からにぎやかに●●● |

| 顛末記 1● 立ち上げ! 顛末記 2● 反逆としての小文化 顛末記 3● 公演を見た人々の感想 顛末記 4● スポーツ芸能紙に載った! 顛末記 5● 戯作者・演出家・登場人物の抱負(当日パンフレットより) *上カット写真の左がパンフレット表紙 |
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文 飯田 一男 |
| 赤城の山にたてこもり、カッコいい男を売った仁侠の徒、国定忠治もすっかり尾羽打ちからし、今では清五郎・安造の子分二人だけという零落ぶり。今日も若い二号・お町の家でその日暮しのウサを晴して、時の到来を待っています。 弱り目にタタリ目という言葉どうり、忠治は中風の病いになり、お町に愛想をつかされ子分たちからも見離されることになる。 一方、懐かしさのあまり忠治に逢いにやって来た座頭市は、夜道で変り果てた忠治に思いがけない再会を果し、忠治の本宅にやって来たが、三角関係で頭に血ののぼったお徳との痴話喧嘩にまきこまれ、とうとう本妻のお徳にも逃げだされ、中風で腰のたたない忠治には、盟友、座頭市だけが頼りになったのです。 しかし、時すでに遅く大前田英五郎一派と捕り方は、忠治宅目ざして、じりじり包囲の網を拡げて来た。そして二人は……。 |
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月刊「障害者問題」主幹 本間 康二 |
| 月刊・下町タイムスの今泉清さんから「10月16日の昼の部で何かやってみないか」という話のあったのは、9月の23日だったと記憶している。 そこへ永年芝居の演出を手がけている飯田さんが入り、昼の部の話は日を追って進展した。製作費もタダで出来るはずのものが時代劇という性質も手伝って大きくハネ上った。 なぜ時代劇で、なぜ『座頭市』なのかと聞かれれば、私自身チャンバラが好きだからと答えるしかない。 最近のテレビのチャンバラは面白くない。チャンバラ以前に、いわゆる放送界の「差別語タブー」で、テレビのドラマは毒のないものに仕上っている。 「座頭市」は流れ者の按摩で、口が達者で腕っ節も強いのでヤクザなどから、怖れられながらも「ドメクラ」と言われて馬鹿にされる。見えないために斬ってはならない人まで斬ってしまい、その身内の娘さんに激しく罵られたりもする。 そういう悲哀があるから「座頭市」なのであって、みんなに「アンマさん」と言われて慕われるようでは、これはもう嘘である。ならば我々の側からその中に毒を盛り込み、ホンモノの格好悪さを描こうと考えたのである。従って盲目(めくら)の市を演ずるのも、片輪になった忠治を演ずるのも、ホンモノの身障者である。 『忠治意外伝』は史実にのっとって作られた芝居ながら、その中に身障者の日常性をギャグに代えて調理した深刻喜劇である。喜劇ながら、話のはしばしには、毒々しい身障者の現実が息づいている事もある。 心やさしい方々には笑うに笑えない場面もあるだろうが、おかしい所では思いきり笑ってほしい。 私はここで日本の福祉についてのアンチ・テーゼをする気は毛頭ない。自分で見て面白いと思える芝居を演じたいだけなのだ。その中から、身障者が客席で笑っている皆さんと同じ人間であることを知ってもらいたいのだ。 笑う場面では素直に笑ってもらいたい。そうであってこそ、今日まで奉仕で演って来た仲間も本望である。 |
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| 通常、車椅子の本間さんが這って演技をする。佐賀さんは全盲ということで、この芝居は二人の主役が肉体的なハンデがあるにも拘らず、回りのキャストに一歩もゆずらない熱の入れよう。もう既に役になりきっているから不自然さはない。 ワキをかためる迷優たちも苦しいほど力んで、ふだんの会話も、どこか芝居がかったヤクザ言葉が出る程、燃えている毎日だ。 先日、ラジオ局のアナが福祉に対してどうかと感想を求められたけれど、このけい音場には障害者に対する区別がないせいかピンと来ない。 ここは皆、同じ仲間であり同じバスに乗りあわせただけのこと。私など、せいぜい、バックオーライと叫ぶ車掌の役目が、いいところで別に無理な注文をつけなくても自分から進んでそれぞれの難かしい動きを工夫している。 これは芝居ではない。ここには若者のカオスがあるようで、私などにはこの燃え方が、どうにもまぶしくてたまらない気がする毎日だ。 |
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| ●国定忠治……本間 康二 昭和26年12月21日空まれ。新潟県出身。昭和43年上京。新宿のリハビリ施設でタイプを修得したが車椅子にのる身のため適した職場がなく、医療器会社、台本筆耕業など転々とし、47年、東京都用賀技術開発学院で3年間、再びタイプ技術を修練した。 50年、印刷会社に勤め、51年、『月刊・障害者問題』を創刊。52年、勤務する印刷会社が倒産し失業する。現在は『月刊・障害者問題』の編集長として活躍。 「歴史上カッコ良く仕立て上げられた人物をカッコ悪く取り扱うことにより真実がはっきりと見えてくるのではないだろうか。」 ●座頭市……佐賀 善司 昭和30年12月17日年まれ。岩手県出身。47年上京。現在、筑波大学附属盲学校在学、来春卒業、『月刊・障害者問題』レポーター。 「座頭市というとすぐに思い浮べるのが勝新太郎だと思うんです。しかしあれは眼の見える人がつくり上げ、眼の見える人が演じている極めてスマートな盲者なんですね。 実際、僕等は、ぶつかったり、つまずいたり、ころんだりしながら生きているんだということを演じたい! 身体が不自由なのによくやっているという視点でなく、不自由でも普通の人たちの中で個性を生かせるんだということを、この劇を通して肌でわかっていただけたらと思います。」 ●お町……田中 里美 昭和33年4月5日空まれ。東京出身。保母を職業とする。『月刊・障害者問題』の読者。 「忠治の若いお妾さんの役で、ベッドシーン(?)もあり、最初は大変抵抗したんですが、台本を何回も読むうちにおもしろさがわかり安心しました。 シャキシャキしていて、しかもアッケラカンとした現代っ子的役柄は、距離を感じさせず、すんなりわかる気がします。やりがいがあります! ただもっと稽古期間が欲しかったナ……」 ●お徳……知野 愛子 昭和33年1月16日空まれ。新潟出身。51年上京。OL。 「忠治の本妻役で、年令は32、3才の役なんですが、一番苦労するのは声です。姉御肌の気性の上、本妻のプライドが虚勢をはらせる。しかし、温みがあり、愛情に厚く、ある意味で日本の典型的な女と言えるかも知れません。 20才になったばかりの私には大変難しい役柄です。がんばります。」 ●清五郎……星 文夫 昭和23年11月13日空まれ。北海道出身。42年上京。台東区松ヶ谷福祉会館に勤務する公務員。 「忠治役の本間氏に、二枚目だからぜひとも出演して欲しいと乞われ、イヤイヤ参加……!? 外野席ではずる賢い兄貴分がピッタリとのうわさもチラホラなんですが……ネ。 ともあれ、無我夢中、暗中模索、言語道断、支離滅裂といったところです。」 ●安造……菊池 道義 昭和29年11月22日空まれ。岩手県出身。48年上京。福祉学科に籍をおく学生。 「清五郎の弟分で忠治親分に忠義をつくすが結局、清五郎と金の奪い合いをして、兄貴にもっていかれてしまい、しょうがなく他の親分(大前田英五郎)につくという役どころです。 気の弱い、権力に弱い今日の社会への皮肉がタップリ込められていると思うのですが、どうですか?」 ●大前田英五郎……灘 晃 昭和19年1月1日空まれ。東京出身。現在トラック運転手(トラック野郎の菅原文夫にそっくりとのもっぱらの評判)。 「忠治と対立する大前田英五郎という悪玉の親分役ですが、自分の中で消化不良で、もうちょっとピンとこないんです。 忠治の病気中のスキをねらって、忠治のシマを横どりしてしまうというこの親分が憎々しく見えたら、まずまず成功といえるかも知れないとは思っているのです。」 ●浪人……石川 利郎 昭和32年11月12日空まれ。東京出身。上智大学社会福祉学科3年生。 「たくましさを買われ二枚目役だと信じて疑わなかったんですが、むくつけき浪人後とはいやはやどうも……。 先日も映画『野生の証明』のエキストラに応募したんですが書類選考で落ちました。高倉健さんと演技が競えると思ったんですが……無念です。いずれにしても浪人後の僕をとくとご覧下さい。」 ●医者……小沼 光歩 昭和33年3月15日空まれ。栃木県出身。51年上京。上智大学3年生。 「自分の診断力を過信する金もうけ第一主義の医者の役なんですが、現在の医者の性格を風刺していておもしろいですね。 現実に自分でも、この現行の医療体制に反発を感じていますから、その反発を自ら医者の言葉をかりて、普段の自前のトボケたような味わいで表現できたら……と思います。」 |
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