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| また年が明けたか。 それにしても、ひどい正月だったな。正月もひどいが執事もむごかった。 朝起きてすぐ顔を見せ、「おはようございます、お腹のぐあいはいかがですか?」と訊いたまでは上出来としておこう。 「30日の晩酌によほど変なものを食べたのでは?」と評したあとでつづけた。 「そんなお腹の調子で流しソーメンなど、もってのほか。もっと消化の良いものの方が良くはありませんか?」 何をバカなと思った。 「誰がソーメンなど欲しいと言った、真夏でもあるまいし」 「わたしも不思議なことだと思いまして。でも正月2日は流しソーメンにするぞ、と。だからこうして棚の奥から一把だして……」 「アホか。それをいうなら流し初め(ながしぞめ)だよ。ほれ、書き初めとかいうだろう。その伝でやるのだ。筆おろしとはちがうぞ」 「筆おろしならわたしは16の歳に……」 そんなこと訊いてないわ。 というわけで、大みそか明け方からつづいたひつこい下痢からもそろそろ解放。 余所行きになって浮き浮きしている執事に、 「おまえはまた今年も福袋めあてに高島屋かどこかに……」 「はい。それじゃ鞠小路(まりのこうじ)様は……」 といいかけたのへ「シャ、ラーップ!」 「びっくりしたーっ。何を大声で……」 「その名前を使うな。マリーと呼べマリーと」 「失礼ですが、そのお顔でマリー様とはとても呼びにくいもので」 執事すこぶる顔をしかめた。 「なぜに鞠小路(まりのこうじ)というお名前を嫌うのでしょうか?」 と執事め、何度も訊くので、新年にあたってここはいちばん答えておくことにした。 わたしはな、子どもの頃、鞠小路(まりのこうじ)という名前のおかげをこうむって、“ブラ”という有難くないあだ名を付けられることになった。ぶらぶらしているわけでもないのに、ブラ、ブラといってからかうので子供心にもけなげに抗議した。 「ブラなんて恥ずかしいやい!」 すると先公、こういったものさ。 日本で一番長い名前を知っとるか、よく聞けよ、「じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつくうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょうきゅうめいのちょうすけ」だから、「こうじ」は「ぶら」にかかる、したがって「おまえは“ブラ”だ」と、強引にそういうことになったのだ。これを悲劇といわずしてなにを悲劇と称するか。 とまあ長々と説明してやったのに「なあんだ」とにべもない反応。 「それって落語の『寿限無(じゅげむ)』やおまへんか」 人をバカにするときは怪しげな関西便になるのが執事のクセで言った。 「なんだ、知ってたのか」 「わたしを誰やと思てまんねん。なんたかて『志ん生落語全集』をCDで何べんも聞いて、その道の通だっせ」 「それは失礼」 と、ついうっかり頭を下げてしまった。 執事にぺこぺこしてどうするかと情けなかったが、「お昼はレンジでチンして食べるだけになってま」「安売り酒屋が2時4時の便で秋田小町5キロと甲斐の鬼ころし1パック配達にきま」と伝言、途中「あ」と思い出し、これは恩着せがましく「NHKが10時に集金にきましたが(ほんとか、正月2日からとは、よほど聴視料滞納が深刻なんだな)、ほれ、マリー様。人が話してる時にごちゃごちゃいわんと――で、ウチは見てないと断り厳重に退散させましたさかい」。最後に「高校時代のポン友と呑んで帰りますさかい、今夜は遅くなりま」言い置き、そそくさと出かけて行った。 そして…… 執事去って静寂。 行ったか。 一人になったか。 いや、この屋敷には、もう一人――もう一匹、活きのいい奴隷を飼っているのであった。それをいたぶることのできる興奮にわたしの心は苦しいほどに早鐘を打っていた。 ひたひたと足音をたてながら、鎖房への階段を降りていった。 |
| 女が寝ている。 歳のころは24、5か、26、7、8か。要するにわからん。 メガネっ娘は若いのか老けてるのか見分けがつかん。 あの茨城の農家の出の執事めが、自分の好みでさらってきおって。 なんでも2010年はメガネっ娘が注目、芸能界では時東あみが大ブレイク、それを見越して眞鍋かをりまで時東あみとツーショット撮って事前運動に精出しているとか。 メガネっ娘同士のレズ画像のどこがいいんだ。わしゃ好かん! そのうち、娘がおびえだした。 「あ、あ、あ……」 「おお。気がついておるのか。可愛いいなあ(半分はお世辞)、オッパイもちょうど良い大きさだし(それはマジ)、オマンコもヘアーがほどよく付いておって良い良い(事実)」 「あ、あ、あ……」 「そちゃ、唖(おし)か(と差別語使っちった)。あ、以外の何かしゃべれんのか」 「ここはどこ? わたしは誰……じゃなかった。わ、わたしは、なぜこんな……」 おお、ずっこけ混じりにいいセリフ展開だ。まるで台本どおりストーリーが進んでいるようではないか。コマーシャルといえばなんでもゴキブリホイホイしゃしゃりでる仲間由起恵なんかよりかはよほど利口そうに見えるぞ。 「ここは地獄の1丁目じゃ。おまえはこれから拷問されるのだ。なぜ? なぜといえば、おまえが可愛いいからじゃ。美貌に罪あり、貧乏に金なし! 分かったか。分かったら覚悟しろ」 「わかんなーい!」 |
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| ういーん…… 電動歯ブラシの音ではない(持ってるけど)。強力バイブレーターの音である。 執事めが、いつかおなじ場面ではしゃいだ。 「凄い凄い。これぞ正しく電気責めですね」 と。だから叱ってやったのだ。 「バカ者。この程度の責めのどこが電気責めだ。さながらこれは電池責めだ」 正月2日の拷問電気流し初めすら流しソーメンと勘違いする手合いだ。バイブレーターと直流電気の違いもわからぬ。 しかし、このバイブはけっこうなものだ。 強烈な振動が陰毛をなぎ払い、陰唇をぶるぶる震わせ、割れ目に突き入ってからは膣孔や膣肉を蹂躙して娘の苦悶をきわだてる。 「どうだ、どんな気分だ?」 「ああーあ、やめて、おねがい、激しすぎるっ。ああっ、うわわっ……」 首を振って苦悶した。 振動ではじかれる肉の合間から愛液がじくじくとわき出た。絶え間なくあふれる蜜は、性臭をただよわせながら秘裂をつたってぽたぽたと股間に降りかかった。 「ああ、あーあ」 いつしかうっとりと恍惚とした表情を浮かべて、大の字に開かれ、自由を奪われた全身は汗でてかてかと輝きだした。振動音と悶え声の唱和による倒錯的エロスの極致。 「どうだ、うん? こうか」 ぐいっと力を込めて押し込んだ。 「ひええーっ!」 のけぞる上体。ぶるんと揺れる汗で光る乳房。 わたしの嗜虐感情はも臨界点に達していた。 |
娘は悶えに悶えていた。 「ほら、やはりこの方がいいよ」 わたしの手は、いつしか娘のメガネを外していた。 思ったとおりだ。想像したとおり、メガネがない方が可愛いく映える。 「さあ、もっと飾り立ててやろう」 「な、なにをするの? それ、電気じゃない! いやよ、そんなおそろしいこと!」 わたしは歯牙にもかけない。というより、娘の恐怖を興奮要素にして嗜虐心をつぎの臨界点にまで高めていた。 「痛い、乳首がちぎれそう……!」 眉間の皺を深くして顔をしかめた。 「さっき言っただろう? おまえは拷問されるんだと。こんなものではないよ、拷問は」 知らずに、おさえようもなく、わたしは悪魔の笑いを漏らしていた。 くっくくく…… 不気味な含み笑いが自分ではない誰かの声のように聞いていた。 |
「うぎゃっ!」「おー、痛かったかい? そうだよねえ。誰でもここを初めて責められれば」 いま、娘の性器は2本のコードでつながれている。そのほかに乳首にも2本のコードがクリップで噛まされている。 そうしておいて、わたしは別の電極を使って――電極を繋いだ2本のコードの先で、娘の尿道孔とクリトリスをつんつんと突いて電気を感じさせているのだ。 コードの先が触れられるたび、甲高い悲鳴が叫ばれた。 「おまえの身体に電気の流し初めだよ。これからうんと電気に慣れてもらうためにね」 「変態! キチガイ! そんなことしたら壊れちゃう。やめてよ、やめてっ!」 わたしは娘の意志など無視して敏感な2つの部分への電気責めに興じた。 悲鳴。 汗。 そして、愛液すら発散された。 5分。10分…… 20分。40分…… 悲鳴が絶え間なく叫ばれ、おそろしい時間が経過した。 時間は、痛みは娘を変えた。 そうして1時間後―― |
![]() コラージュ 茉莉絵 |
| 赤い生きものの口。 複雑なうねりを見せて開かれた女の入口。ドライバーを寝かして、その先をクリトリスに当てながら性器が閉じないよう押さえてもいる。 そして利き腕はもう1本のドライバーの先で尿道孔を突いている。 「ひいっ」「うわわっ」と、刺激に反応して悲鳴が叫ばれ、大の字に縛られた全身を揺すって苦しみ悶えた。 しかし、その悶えようは1時間まえとも、30分まえとも、つい10分まえともちがった。悲鳴に喜悦の甘美さがまじって、半開きの口からは呆けたように涎を垂れ流しているのだ。 「さあ、どんな感じだい? ほれ」 と、つんつん刺激する。 「あっ、ああ……!」 その瞬間、尿道孔からも膣孔からも愛液がとろとろとあふれて滴った。 「気持ちいいんだね」 「びいーんと、アソコ全体に痺れ感が行きわたって、気が遠くなるような……ああっ!」 また、流れた。 さっきから絶え間なくあふれさせていた。テーブルに敷いたシーツは地図をつくっていた。 「痛(いた)気持ちいいといった感じかな?」 わたしは以前、おなじように実験して、彼女よりすこし年上の女から得た感想から訊いてみたのだが、娘はそれに答えることもできないくらいうっとりしていた。 「あーあ、ああっああっ、うわわーっ!」 快感電流の潮が寄せては返すといった感じで絶頂苦悶が反復を繰り返した。 乳房にも性器にもコードがつながれているが、まだ、そこに電気は流れていないのだ。そこに電気を流すまえに、わたしは電気責め快感で娘を絶頂の高みにまで登り詰めさせたいのだ。 ドライバーの1本をアヌスにズブリと突き立てた。 「ぎゃっ!」 汗で光る全身が一瞬びくついたが、悲鳴はそれのみで、また甘美なよがり声をあげはじめた。 つぎにアヌスに流れてるとおなじ極のクリップをクリトリスにはさみ付けた。娘がわずか顔をしかめたが、陰核を噛む痛さに快感が勝った。 わたしはそうして、両手を使っての尿道責めを試みたのである。 左手が完全に自由になり、性器を開くになんの苦もなくなった。陰唇を剥き上げ、敏感な小孔を露出させて、ドライバーの先を触れる。 「ああーああー……!」 膝を曲げて開かれた脚が突っ張った。 汗で光る上体が蛇のようにのたくり、乳房が揺れてあばらが痛々しく浮き立った。筋脚だった下肢のそこここに硬直痙攣が生じ、艶やかに光る全身、妖美なエロスにたちこめられた。 歓喜が高まった。 茫乎とした目。熱病にうなされでもするようなよがり声をあげて、さっきまでの少女顔が淫猥妖媚な娼婦顔になって身悶え、泣きくるっているではないか。 「おお、きれいだよー」 「あわわ……も、もっと……」 わたしはドライバーの先をセルフバイブレーションで微細に震わせてみた。と、 「ひい、ひええーえっ、行くぅーっ、行く行くぅーっ!」 目を剥いてのけ反った。 それから身をよじり狂ったようにのたうち回ったが、やはり、絶頂を迎えるまでに至らなかった。がしかし、快感苦悶は継続して延長し、それ自体終わりなき歓喜、エンドレス快感電流となって全裸の全身を震わせつづけた。 わたしの嗜虐欲が段階をまた一つ踏んだ。 「さあ、こんどはもっといい声で泣いてみようか」 「あわ、あわわ、はあはあ……」 娼婦の顔が狂女の顔に変心した。 わたしの手は見えないところでコントローラーを操作していた。スイッチには触れないまま、ダイヤルはかなりのところまで回されていた。 左手がタオルを取った。 すでにそれまで継続された電気責めはどうでもよくなっていて、両手はつぎの段階に向けられれて触手をもたげていた。 右手でおとがいをゆっくりこじ開け、4つに畳んだタオルを噛ませた。 「あ、あわわ……はわはわ……」 性器を快感電流で貫かれたまま、娘は呆けたようなよがり声をあげつづけていた。 「絶頂がくるかも知れないよ。思わず恥ずかしいくらいの声で叫んだら厭だろう?」 娘は感じながらうん、うんとうなずいた。その顔からはいささかの疑いも見られなかった。 「さあ、行くよー」 右手がコントローラーに伸びた。 スイッチに触れた。 カチッと音がした瞬間、娘の性器と乳首に拷問電流が直撃された。 |
![]() コラージュ 茉莉絵 |
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また、あらたなコーナーができました。
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