<ポケットティッシュは貰うもの?>


 街頭にあふれているポケッとティッシュの配布風景、何気なくもらってしまう。現代の私たちは「ポケットティッシュは買うものではなくもらうもの」という感覚になっていないだろうか。

 街頭では、ポケットティッシュ以外にも外食産業系やカラオケ館などのサービス券付のチラシ始めとして様々な企業や団体が、宣伝・広報、呼びかけや訴え、場合によっては犯罪者逮捕協力に関するチラシも配布されている。
 これらの宣伝等の目的で配布されているものでもっとも受取率が高いのはやはりポケットティッシュであろう。受取率が高いということはその効果はチラシよりズット高いということが出来るのかもしれない。

 この光景は日本独特のもので、街頭でごくあたりまえに行われている菓子類や化粧品の試供品などの「無料試供品」配布の草分けとか。 最近は、選挙時の投票の呼びかけや防犯啓蒙キャンペーン、犯罪関連情報提供協力などの行政府の広報活動の道具としても利用されている。
 ポケッとティッシュを宣伝材料として配布している企業で一番多いのが消費者金融業者。このほか繁華街では外食産業・居酒屋系、アダルト系のものも多いのではないか。

 ポケットティッシュに挟まれている広告を集め、その移り変わりなどを研究されている方によると、宣伝用に街頭で配布されるポケットティッシュにも時代の移り変わりが反映されているのだそうだ。
 ポケットティッシュがこの世の中に出現したのは1960年代半ば、もともと銀行の窓口などで配布されたのが最初とかで、街頭で配布されるようになったのが1980年代前半だそうだ。

 ティッシュペーパーがこの世で商品化されたのは米国で、第二次世界大戦以前とか。 日本で作られているポケットティッシュは明確な正確な統計データは無いそうだが、年間20−25億個程度と見込まれている。
 とはいえ、ポケットティッシュは40年ほど前に日本で誕生し、培養されて今日まで至っているが、これを携帯可能なものにしたのは日本人特有の小型化技術。この技術?まだ世界に出て行っていない。

 このポケットティッシュの大量生産技術に力を注いだ経営者がおられた。この人の情熱により現在のポケットティッシュ市場があるのだが、この方「いつかティッシュは買うものでなく、もらうものになる」と広告媒体として使われることを予測しておられたそうだ。

 このポケットティッシュの単価は幾らぐらいだろうか。実は登場以来ほとんど価格変動がないのだそうだ。広告宣伝用のポケットティッシュ製造業界はニッチ産業、最大手といわれる企業ですら年商70億円程度と小企業規模とか。

 ポケットティッシュ(だけではなく小さな日用品全般を含めたことであるが)を、単なる単一用途ではなく、広告宣伝の媒介商品として利用するという立派なビジネスモデルを作り上げたジャパニーズ・テクノロジー、なぜ街頭でのポケットティッシュ配布が世界的に普及していないのか? 15年ほど前、ある会社が米国ニューヨークでポケットティッシュの街頭配布を試みたそうである。 結果は失敗。
 失敗した要因には国民性が大きな要因となっている。 つまり、米国人にとって「知らない人から自分の身を触れるものをもらうことは怖い」ことであるという、日本人にはないセキュリティ性の相違に失敗した要因が有った。したがって、食料品や化粧品の試供品配布についても街頭ではあり得ないということになる。
 一方、中国北京で配布試験をしたら、怪訝な顔をしながらも受け取って行き、用意した500個が30分程度で掃けたとか。ということは、中国人と日本人はやはりどこか共通性を有しているところがあるのでしょうか。

 ところで、街頭で配布しているポケットティッシュ、配布しているのは大半があるバイトサンであるが、1時間あたりどの程度配れるものであろうか。 アルバイトさんがポケットティッシュの配布数量は一般的に500個程度で、うまい人は1000個から渡すそうだ。街往く不特定多数の人にさりげなく受け取る気にさせ、かつ受け取りやすく差し出す。これも一芸特殊技能かな?

とはいえ、無尽蔵的に過剰配布され使用しているティッシュ、別の方向からみると、登山者が山を汚すゴミの一つとなるなど、環境汚染の原材料となっていることも忘れてはならない。 (2006.01.24記)
 

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