eQSOPTTスイッチ第3号機(贅沢版)

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初 版:2009/05/29(開発予告編)

第2版:2009/06/14(仕上げ編、完成編の追記)

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試作実験機(※1)、第1号機(※2)、シンプル版の第2号機に続いて、それだけでは物足りず、第3号機の製作に入った。

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<開発のきっかけ>

【理由1】

試作機に採用した(たまたま秋葉原で見つけた)スイッチのメーカーのホームページをその後の調査で覗いたところ、今回

の第3号機に使用した液晶パネル搭載のプッシュスイッチの存在に気づいてしまった事から始まりました。

参考までに、そのスイッチのメーカ名と型番は以下の通りです。

日本開閉器工業 http://www.nikkai.co.jp/ IS-15ABCP4シリーズ という工業用途の高級品です。

こんなスイッチがあることを知ってしまったが最後、自作意欲が更に増してしまいました。

(ちなみに秋葉原の部品やさんに発注してもらい1週間で入手できました。メーカーからの個人購入は出来ないようです。)

【理由2】

昔からPICマイコンというものの電子工作に興味があったが、一度も使ったことが無く、趣味として一度経験してみたかった。

しかし、PIC(ピック)のピの字から何?って感じなので、まずは参考書の購入と予備知識の学習から始めなければならなか

った。参考書は数冊購入したが、これだけでも結構な出費となってしまった!

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<第3号機(液晶表示PTTインテリジェント・スイッチ)の開発目標>

【特徴】

@ プッシュスイッチはモーメンタリ動作(押している時だけON)タイプなため、軽く押すだけでPTTの送受操作が容易。

A 自由にプログラム編集できる液晶表示(36ドット×24ドット)に好みの情報を表示できる。

B 受信状態ではスイッチを押しても送信に切り替わらない(誤送信操作防止)。

C 別途ケースの裏にでも装備する予定の超小型スライドスイッチの切り替えにより、表示言語を瞬時に日本語版と英語版

  に切り替えが可能。(もちろん、プログラムとメモリ次第では中国語や韓国語など、多言語にも対応可能)

D 3色の高輝度LEDバックライトにより、文字情報の他に色による状態の視認性を確保。

E 一度の送信を3分に限定し、3分間の間で再びPTTスイッチを押して受信状態に戻さなかった場合はタイムアウト動作し、

  自動的(強制的)に待機(受信)状態に戻る。

F 送信状態ではバックライトは緑色を選び、残り時間を示すバー表示で10秒毎に棒の長さを減衰させていき、残り30秒か

  らはバックライトが黄色になって注意を促し、5秒毎に残り秒数を表示し、残り10秒からはバックライトは橙色(または赤色

  のスイッチもある)に変化し、ここからは1秒単位でカウントダウンして表示。ゼロになった時点で「タイムアウト」表示し、

  自動的に「待機状態」に戻る。

G もちろん3分間のうちに再びスイッチを押せば、動作、表示、共に待機状態となる。

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<基本開発>

基本開発が終わったので、ここにその途中経過を示します。

@ スイッチの液晶表示データの作成

  これは、メーカーからユーザー登録すれば無料で入手できるソフトがあったので、直ぐにデザインできて助かった。

A PICマイコンの学習

  昔はPIC16シリーズというのが主に流行っていたようだが、最近ではPIC18シリーズがハイエンド機種としてリリース

  されており、またメーカーであるMicroChip社からは統合開発ソフトにアドインできるC言語による開発ソフトも入手が

  容易であることから、高級な開発言語にも関わらず開発ツールにお金を掛けないで済むというメリットを生かすために

  PIC18シリーズを採用した。PIC18F2550という部品を選んだが、これはUSBインターフェースなども構築できるの

  で、かなり応用範囲が広がりそうだ。

  参考書を入手してからまだ1週間足らずなので、まだまだこれから学習が必要・・・・。

B PIC18F2550へのプログラミング

  ブレッドボード上に部品を並べて回路を構築し、学習を兼ねてプログラミングを進めた。

  最初はなかなか動作せず・・・Web上の電子工作を趣味とする方々のホームページを参考にして何とか動き出した。

  概ね、思惑通りの eQSO に最適なプログラミングとデバッグが完了した。

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<予告編>

まだブレッドボード上で基本開発が終わっただけなので、今後の仕上げには多々課題があるが、スイッチに表示される

状態表示の様子を以下に示しておく。

 

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第2版:2009/06/14(仕上げ編、完成編の追記)はここから。

<仕上げ編>

しばらく放って置いた実験ボードを使って、再び開発を再開した。

プログラムは殆ど完成しているので、今日はケース加工とPICマイコン基板の製作だ。

表示情報に若干の変更を施し、また表示方法も少し工夫して仕上げ作業に入った。(2009/06/13〜14)

(全体の仕上がりの概観)

本体ユニットからスイッチボックスへのケーブルは手持ちのケーブルを流用したので若干太く、しかも色がグレーなので

出来れば細めの黒いものが欲しかった・・・。

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(本体ユニットの様子)

構成は、@表示機付きスイッチ用文字データ制御CPU基板APIC18F2550基板BUSB-シリアル変換基板となって

おり、かなり贅沢な構成で仕上げてしまった。小さなケースに全部を押し込めるのに苦労したが、USB-5Pinミニコネクタ

部分の穴あけは前回のPTTスイッチ1号機の時に比べ少しは上達したような気がする・・・が、やはり汚い仕上がりだ。

(でも、ケーブルを差してしまえば見えない部分なので今回も良しとしておこう・・・)

本来ならば上記の@やBは全てAのPIC基板で十分に構成できるはずだが、今回は学習の時間と製作の時間を短縮

するために一部既製品を採用した。@はスイッチメーカーから、このスイッチの評価開発用に提供されている基板だが、

CPUとEEPROMを内蔵しており、作図した絵や文字のドットマトリクス・ビット情報をEEPROMに書き込んでおけば、

CPUを通して、6ビットのパラレルデータ信号で、64画面分のデータ(バックライトに選んだLEDの色情報を含む)を

簡単に呼び出すことができる仕様だったため、このまま採用してしまった。

BUSB-シリアル変換基板については前回のPTTスイッチ第1号機で経験済みで、直ぐに動作が見込めるため、やはり

そのまま同じ基板を採用した。

本来ならばこんなに豪華な構成にしなくても、APIC基板だけで全てが整うはずだ。これは今後のコストダウン化へ向け

た課題として次回の学習の機会に回すこととする。

 

回路図など詳細な製作内容はこのページの巻末に日を改めて追記します。(2009/06/14)

 

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<完成編>

まずは待機状態の表示。当初、日本語モードと英語モードをスイッチで切り替える構想があったが、急遽仕様を変更し

て、ある一定間隔時間で日本語→英語の繰り返しパターンで表示することを思いついた。

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(待機状態)

 

待機中:約1秒間隔で切り替えて表示する。

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(受信状態)

受信中:約1秒間隔で切り替えて表示する。

(アニメーション写真の色は赤色表示だが、これは後で原稿撮影のために別のスイッチで撮影したためで、実際は車内で

目にやさいいと感じた橙色のスイッチを採用した。スイッチの種類は沢山あるが、今回入手したスイッチはバックライトが

3色で @■緑色、A■黄色、B■赤色 のものと @、A■黄色、B■橙色の種類を1個ずつ購入していた。 )

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(送信状態)

↑時間を1/3に短縮したアニメーションです。(1回の送信時間を3分として動作しますので、1分間のアニメです。)

送信時は、このスイッチをポンっと1回触れるように押すだけで(モーメンタリー動作:押しているときだけON)送信に切り

替わります。そして大まかな残り時間を示しながら最後の10秒は色を交互に変化させて1秒ごとにカウントダウンする

ように作りました。3分という時間内に再びスイッチを押せばPTTがOFF状態となりますが、このまま3分間を送信した

まま過ごすと、強制的にタイムアウト動作し、PTTは自動的にOFFする仕組みとなっています。

特に私のように1回の会話が長話しになりがちなオペレーターや今回のようにモービル運用に活用する際には、運転に

集中して、3分間の通話をそのまま自動的に受信へ移行させるといった、横着な操作による通信も可能です(笑)

 

将来的には、普通の外部PTT用としても応用が利くので、例えば私の場合は WiRES をアクセスするカートランシーバー

に FT-7800 を使用しているので、この場合都合が良いことにスケルチ検出出力信号も得られるので、このスイッチを

そのまま WiRES アクセス用タイマー機能付きPTTスイッチとしても十分に活用できそう・・・。

モード切替スイッチでの対応でPTTとスケルチ信号の配線を追加すれば両刀使いに出来るかもしれない。

 

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<運用編>

当初の目的どおり、車載パソコンによる運用目的なため、設置場所は前回のPTTスイッチ第1号機と同じ場所に取り付け

ました。シフトレバーの下部で、ここが一番最適だと感じています。

 

 

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