片頭痛とは

日本人の片頭痛の発症率は年8.6%とされ、「頭痛もち」と思っている人の多くは片頭痛です。女性に多く(女性が7〜8割)、多くは10歳代に症状が出現し、30歳代で症状のピークとなります。

名前の通り片側に頭痛があり(3〜4割は両側)、頭痛が続く時間は4時間〜3日、中等度から重度の脈打つようなズキズキした頭痛があります。歩行などの日常的な動作によって頭痛が悪化したり、頭痛のために日常的な行動が制限されたり、吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるといった症状があります。

頭痛外来の患者さんのほとんどは片頭痛で、一部の片頭痛は遺伝傾向があります。

日本神経学会、日本神経治療学会、日本頭痛学会は、片頭痛により本来の能力が発揮できないことによる経済的損失は最大で年間2.3兆円にもなると試算しています。


片頭痛の特徴
女性に多い/脈を打つようにズキズキ痛む/頭痛前に肩こりがあることが多い/歯の痛みと間違えることもある/身体を動かすと悪化/吐き気、嘔吐があることも/音、光、臭いに過敏

痛みの誘因
月経/人混み/炎天/雨の降り始め/運動/食べ物、飲酒/臭い/睡眠不足/睡眠過多/ストレス

日常生活への影響
次にくる発作が不安/仕事に集中できない/人との約束を遠ざけてしまう/周囲の人の理解が得られない(偏見の目がある)/仕事を休んでしまう

頭痛 片頭痛は女性に多い病気です

【片頭痛連携プロジェクトについて】
当クリニックは日本頭痛学会、日本口腔顔面痛学会が2025年におこなった「片頭痛連携プロジェクト」(全国の大学病院22施設、病院・歯科医院50施設)に登録、参加させていただきました。
プロジェクトは終了しましたが、引き続き片頭痛の連携診療に取り組んでいますので、頭痛でお悩みの方はお気軽にご相談ください。


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片頭痛と歯痛

片頭痛と歯痛との関連は深く、片頭痛の患者さんの18%に歯を抜いた後も痛みが続く「幻歯痛(げんしつう)」が現れた、歯科治療後に片頭痛の痛みの部位が変化したという研究報告もあります。

国際頭痛分類(第3版)では、片頭痛に関連する病気として歯ぎしりをあげています。片頭痛の患者さんは歯ぎしりをしやすく、歯ぎしりがきっかけで片頭痛をおこすことがあります。

片頭痛がおきると、上あごや下あごの痛みに関与している三叉(さんさ)神経が過敏になるため、歯や顔まで痛むことがあります。そのため、頭痛の原因が歯と思い「虫歯のせいで頭痛がする」と訴えて歯科医院に来院する患者さんもいます。片頭痛の患者さんは顎関節症を併発しやすい傾向にあります。

虫歯が原因で頭痛がおきることもありますが、片頭痛の場合は歯に問題はありません。かみ合わせの治療をおこなったり、歯を抜いたり、歯の神経を取っても歯の痛みは治ることはないため、これらの治療はおこなわないようにします。

検診 片頭痛が原因で歯が痛むことがあります



片頭痛の治療

片頭痛の治療は薬物療法が中心となります。頭痛がおきたときに服用する「頓挫(とんざ)薬」と頭痛をおきにくくする「予防薬」があります。内科、神経内科、脳神経外科などで治療をおこないます。2020年代になって画期的な新薬が次々と販売され、片頭痛の治療は大きく改善しました。


1)頓挫薬(急性期治療薬)
症状が軽ければ市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンほか)でも効果がありますが、片頭痛は痛みが強いことが多く、そのようなときはトリプタン製剤(イミグランほか)が効果を発揮します。2022年にはラスミジタンコハク酸塩(レイボー)の使用が始まり、トリプタン製剤に効果がなかった人にも効果を発揮しています。

痛みの回数が少なく生活への悪影響が少ない場合は、頓挫薬を中心とした治療をおこないます。頓挫薬は頭痛がおきたときになるべく早く服用すること、過剰に服用しないことが重要で、過剰に服用すると薬物の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)がおきることがあります。


2)予防薬
予防薬は頭痛がある日もない日も服用することにより頭痛をおきにくくし、頭痛がおきても症状を軽くするために服用します。痛みの回数が多い場合や生活への悪影響が大きい場合に服用します。

カルシウム拮抗薬、ベータ遮断薬、抗てんかん薬、三環系抗うつ薬が使用されます。


3)CGRP製剤
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛をおこす最大の原因物質です。CGRP製剤はCGRPの働きを抑える新しいタイプの治療薬で頓挫薬と予防薬があります。

2021年に注射剤による抗CGRP抗体製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)の使用が始まり、片頭痛の治療が大きく改善されました。さらに、飲み薬によるCGRP受容体拮抗薬、2025年12月にナルティーク、2026年4月にアクイプタの使用が始まり高い効果をあげています。

 治療は薬の服用が中心となります



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