これは、一般にいう、感想とか、批評とかいうほどのものではありません。
ただ、私が、それを見ていたときに、何を考えてたかっていうことを、ちょっと書き残して
おこうかと思っただけなんです。

まぁ、ものによっては、ものすごい何様気分で能書きをタレていることもありますし、
思考がまわりまわってしまい、見ていたものと「全然、関係ないやんかー!」ってこともあります(笑)。

あくまでも、「貧乏が思った」というだけのことですので、それ以上でもそれ以下でもありません。
人の思考なんて、十人十色。違って当然。賛否両論。差し引きチャラ。そのへんを充分考慮にいれて
読んで下さいね。

by 貧乏


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<休むに似たり>

7月5日〜7月23日
於:THEATER/TOPS 自転車キンクリートSTORE

私は、いまでこそ、バカみたいに何度も、ミュージカルを見に行ってますが、実は、そんなに詳しくなくて
もともとは、小劇場系のストレート芝居を好んでみていたんですね。
ご贔屓のページにもいくつかお気に入りの劇団がありますが、この自転車キンクリート(以下じてキンと呼ぶ)
も以前は良く見てました。

なかなか、おもしろい心理描写をするんですよ。

最近、ちょっとご無沙汰してたんですけど、過日、今、私が、凝っている、エリザベートのトート役でおなじみの
内野聖陽さんのTVのインタビューで相手役として出ていて、懐かしくなって、見に行ってみたんですね。
この演出家さんは、最近でいうと、そうそう、大竹しのぶと菅野美穂の「奇跡の人」の演出家をした方です。
その、奇跡の人のパンフに書いてあった事がすごく気に入ったので、ちょっとご紹介しますね。

以下抜粋-----------

私が演出家として常に追いかけていきたいと思っているテーマは"困った人々"ということなんです。
例えば、「すごく一所懸命考えて出した結論なのは分かるが、その結論はいかがなものか?」とか
「その人を好きだからやってしまった行動かもしれないけど、その行動は、訳分からん。」とか言いたく
なるような、可愛くて、迷惑な人。そういう人間達が巻き起こしてしまう、時にはくだらないし、時には
恐ろしい物語が好きなんです。

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私、なんだか、このテーマに、すごく心ひかれるものがありまして。
実際に観劇してみると、いるんですよ、可愛い困った人達が、いっぱい。
すごく身近な題材で、見やすい舞台だと思いますので、興味のある方は、ぜひ1度足を運んでみてはいかがでしょう。

さてさて、今回のお話は、「ミレニアムが来ても、いいトシして結婚してないヤツらの、どうするつもりなんだかね…
な話」だそうです。

このテの題材は、今までに何度となくみてきましたが(宮本亜門さんのとかetc)、さすがに、作演出が、まさにその
どうするつもり?な女性なので、言葉も、場面も、すごく、忠実に再現されており、たぶん、「どうするつもり?」的な
自覚のある、ある年齢を越えた人達なら、とてもご満足いく出来に仕上がっていると思います。

私も、勿論、「どうするつもり?」な人なので、もう、うなずきまくりの笑いまくりでした。
でも、笑い、笑い、笑い、なんだけど、心のどこかに、言葉がささるんですよぉ。
どう表現したらいいのか上手い言葉が見つかりませんが、「いたがゆい」といった感じですかね。
見終わった時、ものすごくパワーをもらえるわけでも、反対に落ち込むわけでもないんですけど、なんとな〜く
肩の力が抜けた潔さみたいなものが得られる気がしました。

これ、役者さんの名前をそのまま使ってるんですね。
で、友達の家に来て、いろいろ話すという設定なんですけど、TOPSという狭い空間で、もののみごとに、一人暮しの
女の部屋が再現されてて(きっと、出演者の誰かの部屋をそっくりそのまま再現したような気がする)特に私、最前列で
舞台に手が届く距離にいたので、すごくリアルで、役者さんたちの話のあとに、「ぢゃ、次、私の話を聞いてよ」って
思わずいいそうになっちゃうくらいでした(^^;;)

内容をかいつまんで話すと、友達の結婚式の余興をたのまれた、高校時代の女友達(全員独身)が4人集まって
いろいろな話(離婚経験者あり、男にだまされた話あり、役職が彼よりエラくなってしまう悩みをもっている
キャリアウーマンの話あり…)をして、そこに、4股かけてた男の先輩がころがりこんできて、熱出して、泊まったところへ
運悪く弟が来てしまい、すったらもんだらあって、結局、また日常がはじまるって感じで、いってみれば、よくある話
なんですけど。

その会話が斬新だし、それぞれのキャラクターが、すごい最高!!!
役に合う役者を選んだんじゃなくて、役者に合わせて、ストーリーを書いてるから、もう、絶妙です。

もしかしたら、厳密にいうと「演じる」というのではないのかもしれないけど、すごく、意図が伝わりやすくて、
今、なんだか、小難しい、受け手にある種の慣れとか知識を強いる舞台も多い中、貴重な舞台だと思います。