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あげまんJAPAN 投稿者:JAPAN 投稿日:2012/01/29(Sun) 07:55 No.1985 
4g3Ez0yT
あげまんってホントにいるんだって!
俺にもツキが回ってくるかも!!
tp://B97oeT1h.agesage.me/B97oeT1h/
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二次元も悪くないけど・・・ 投稿者:ふじょ 投稿日:2012/01/26(Thu) 02:17 No.1984 
b00w53TJ
二次元も悪くはないんだけど・・・
やっぱ、三次元っしょ
ttp://NkiRpGj6.www.ma3ji.mobi/NkiRpGj6/
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贖いの日々 投稿者:ウー 投稿日:2012/01/16(Mon) 23:43 No.1982 
あなた、いってらっしゃい。
「お父さ〜ん!」
あ、だめよ。
お父さんね、これからお仕事なんだから。
ほら、いってらっしゃいして。
「やだやだー!」




「ちょっとちょっと。あそこ見てよロビさん家の奥さんじゃない?」
「あ、本当だピアネさんだわ」
「正確に言うと元奥さんでしょ?」
「病気の旦那捨てて不倫相手のとこ行ってたくせに、よくまあ今更戻って来れたわね」
「ちょっと綺麗だからって恥知らずもいいとこ」




「お父さんは?」
ごめんね。お父さんね、ちょっと遠くにお出かけしててしばらく戻ってこれないの。
でもフォグおじさんが一緒に住んでくれるって。よかったね!
「お父さんいつ帰ってくるの?」
うーん、いつになるかなあ……。わかんない。




「ちょっと聞きました?」
「ピアネさん、不倫相手の男に恐喝されてたんですって?」
「その男、再婚した途端豹変して」
「恐喝よりも酷かったのは暴力よ。ピアネさんちょっと足引きずってたでしょ?」
「あー、それでこっちに逃げてきたわけね」
「なんか、かわいそ」
「自業自得」
「気の毒なのは娘さんだわ。男から何度も性的虐待受けてたって」
「うわ…やあね、まだ小さいのにむごい事するわ」




こんな時間までどこ歩いてたの?
「お母さんには関係ない」
関係ないこと無いでしょ。心配したのよ。
…あなた毎晩夜遊びしてるって聞いたんだけど、本当なの?
「何しようが私の自由でしょ」
お母さんはあなたに不幸になって欲しくないから注意してるのよ?
あなたの体も心配なの。すぐにでも止めなさい。
「あんたに言われたくなんかない!」
………。
「…」
…ごめん。




「ピアネさんの娘さんね、近所の不良たちとつるんで毎晩遊んでるんですって」
「まあ不潔ったらないわ!」
「いろいろあったショックでちょっと頭おかしくなっちゃったんじゃないの?」
「言いすぎよ」
「家じゃどういう教育してるのかしら」
「あそこは親が親だものねえ」
「うちのダニエルも声かけられたって」
「あらやだ、絶対ダメよあんなの息子さんに近づけちゃ!」




あら、帰ってたの?おかえりなさい。
「…」
ご飯できてるよ?
「いらない」
……ごめんね。
「…」
お母さんなんでもするから。
「…」
許してくれなくたっていいの。全部お母さんが悪いの。だから…
「勝手に人を哀れんでんじゃねーよ」
そんなつもりで言ったんじゃないの。余計なこと言っちゃってごめんね…
「うるさい」
そう…じゃあお母さんもう何も言わないから。
今まで勝手なこと言ってごめんね。おやすみ。
「…ごめんなさい」




「大変大変!」
「何か人が集まってるけど、何?」
「自殺ですって」
「まっ!」
「ピアネさん、この頃は一日中お家にこもりきりだったそうだし」
「相当追い詰められてたのねえ」
「ここまで来るとさすがに惨めだわねえ」




ペトちゃんへ
ずっと辛い思いさせてごめんね。
お母さん何もしてあげられなかったね。
あなたが生まれたとき、お嫁に行っても恥ずかしくないような素敵な名前を
お父さんと二人で一生懸命考えました。
素直で優しくて、お母さんがいなくても何でもできちゃう子に育ってくれました。
自慢の娘を持ってお母さんはとってもとっても幸せでした。
でもきっと、お母さんがいたら迷惑でしょう。
こんな母のことは忘れて、いい旦那さん見つけてどうか幸せになってくだ
「ふざけんな!!」

「勝手に死んでんじゃないわよ…」

「そんな惨めな女だったのか!あんたは!」

「…、……ぅ」

「……!…、……グスッ………」






「あらペトリちゃん」
「お母さんのことはお気の毒だったわねえ」
「早く元気出してね」
「一人じゃ辛いでしょ?おばさん相談にも乗ったげるからね」
「思えば私たちももっと早くに手を差し伸べてあげていたらねえ」
「ごめんなさいね」

世の中って、本当不公平…

「え?何か言った?」
「…あら、行っちゃった。愛想のない子ね」

夕餉 > 愛想のない子ね。 (1/21-18:36) No.1983
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無題 投稿者:中山大障害 投稿日:2011/12/14(Wed) 16:43 No.1981  HomePage
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鳳凰の娘 投稿者:夕餉 投稿日:2011/06/21(Tue) 18:59 No.1973 

遙か、遙か、遠くの空を、一羽の鳥が、飛んでいた。
暗い空に、たった独り。
大きな風の流れにでも乗っているのか、
ゆったりとした動きで翼をはためかせながら、
何処かへと向かって、飛んでいく。
辺りには、他に何も見えるものはなく、
丁度、暗闇にぽつんと一つ、置いた灯りを、
どこか遠くの片隅から、眺めた時のようだ。
もし、身体が感じている通りならば、
彼我の距離は、本当は、もっともっと、
比べものにならないほど大きく、
縮尺の事を考えるのなら、
遠方を泳いでゆくあの鳥の大きさは、その明るさは、
今こうして無心に見つめていられるほど、小さくて、淡いものでは到底、ないのだろう。
言葉では、例えようがない程に、
雄々しく、
神々しく、
そして、美しい。
だからこそ、
これほど離れた場所からであっても、
その姿を見取る事が出来るのだろうと、容易に想像が付いた。
…なのに、どうしてか、
『それ』は目に、酷く小さく映った。
見るほどに胸にこみ上げるのは、
苦しいほどのせつなさだった。
何故なのだろうと、ヒオウは思った。
何故、あの光が、あれほどに儚く見えるのか。
見送る事が辛いのか。
聞き知る事が、かなしいのか。
“さみしい”からだと、何処からか答えが聞こえた。
自分の内側から聞こえた声だった。
それは酷く、納得のいく説明だった。
隔てられた暗闇の中で、
『それ』はか細く揺らいでいた。
照らす者ではなく、怯える者。
遙かの彼方より此方まで、己が輝きを放ち届ける、
力ある曙光ではなく。
自らを蝕む静寂の中、輪郭を保証するよすがとてなく、
いつ果てるでもない羽ばたきを続ける、
一つの、孤独な灯火だった。
そういう“もの”の事を、ヒオウはよく知っている気がした。
ぼやけた曖昧な記憶の向こう、
自分が自分として生を受けるその前にあったもの。
恐らく、自分はかつてああいう“もの”だったのだろうなと、ヒオウは思った。
恐らく。
そうだ。だから、私は―――


『…ヒオウ?ヒオウー?』

声をかけられて目を覚ますと、
そこは草の匂いのする畳の間だった。
馴染みのある、嗅覚への刺激。
この身で生きて十数年、もう幾千日と判らぬほど味わってきた、
親しみ深い、故郷の懐かしい香りだ。
遅れて蘇ってきた記憶が、その認識に注釈をつける。
厳密には、故郷まではあともう少し。
ここは、その関所よりしばらく手前にある旅籠宿だ。

「どうした、レン。私の事が恋しくでもなったか」

声の主は枕元で自分を呼ばわっていた。
挨拶代わりに冗談を送ってやると、
向こうはむすりとした顔でそれを脇へと受け流す。

「朝食の用意が出来たってさ。
返事がなかったから呼びに来たけど、
部屋に入ってきても気が付かないなんて、
ちょっと気を抜きすぎてるんじゃないか」

窘めるような物言い。
困ったもんだ、といいたげな、
言い換えれば子供を見るような目で、私を見下ろしている。
…ほほう、いい度胸ではないか。
少し言い返してやる事にする。

「気付いてはいたさ。なんたって、お前の匂いだ。
しかし、いつも同じリアクションばかり取っていても面白くないだろう?
…なあ。私は残念だよ、レン」

はー、と敢えてわざとらしく溜息をついて見せる。

「何がさ」

警戒の表情。
札切りの気配を感じて、
こちらの手札の中身が気になり始めたのだろう。
無論、そうしたところで意味はない。
むしろ意識した分、ダメージが増えるだけなのだが、
未だにその辺りには気付いていないようだ。
あるいは、敢えて意識せず認めないようにしているのか。
まあ、どちらにしても、遠慮する必要などはどこにもない。
もっともらしい顔をしながら、いたってさりげなく、初手のカードを切る―――

「正に『そこが』だ。レン」

着物の寝崩れを敢えてそのままにして、腕を組む。
それだけで、相対した視線が狼狽えかける。実に、初心。
だが、まだ一枚目。

「ここは旅籠で寝床があって、私が無防備に寝ているのだぞ?私とお前の、二人だけで取ったこの部屋で」

泳ぎかけた目を見つめて捕まえる。
視線が交差した事で、狼狽が目に見えて激しくなる。
上から私を見下ろしたのが仇になったな。
しかしまだ意地を張って誤魔化そうとしている。
…よかろう、三枚目だ。
シーフの演技力を総動員し、決め手の仕掛けにかかる。

「お前が眠っている私に何をしてくれるのか、少し期待して待っていたんだが。…寝間着の下ぐらいまでは、手を出してきても許す気でいたんだぞ」

三、二、一、―――ちらっ。

効いた。予想通りの瞬間湯沸かし、黒い肌でもよく判る。
身を乗り出して無防備に晒した格好、視線が寄ってはすぐに逃げ出す。
顔を赤らめると、ごにょごにょと何か言い出した。
ひとたびこうなってしまえばしめたもの、
一言二言ついでと足せば、それだけで面白いほど慌ててくれる。
そんな可愛い性根をして、私に勝とうなどとは百年早いというのだ。

「……ところで、レン。お前、鳳凰というものを知っているか」

噴火した火が収まる頃合いを見計らって、
私は話を別へ流した。きょとん、とした顔でこちらを見返してくる。

「鳳凰?」

「うむ、そうだ。フソウの伝承で描かれている、永遠の寿命を持つ霊鳥の事だ」

この部屋の襖にも、その絵は描かれている。
指で示した先にある黄金色の羽を見てから、レンは怪訝そうに、

「それが、どうしたの?」

と尋ね返してきた。

「いや。別に大した事じゃ、ないんだが」

実際、そう大した事ではないようにも、思えた。
たかが夢の話だ。…“私”がコイツに、話したいと思っている話であるにしても。

「…似たようなのなら、知ってるよ。オレが知ってるのは、フェニックス、って言って、炎の鳥、不死鳥って呼ばれてるものだけど」

少し考えてレンは言った。真面目に聞いてくれているらしい。

「ああ、それでもいい。」

その横顔を見て、私は言う気になった。
多分、笑わないで聞いてくれるだろうと、自然に確信が持てた。

「…やつらは、一体何を思って生きているのだと思う?」

「え?」

「何がしたい、と言い換えてもいい。不死身の奴らが願ってやまないことだ。何だと思う」

「何、って……そんな、急に聞かれたって思いつかないよ」

「待とう。考えてくれ」

「んー、…と。そうだな」

「………。」

「……。…だめだ。ちょっと、思いつかない」

「…そうか。」

「ヒオウは、わかるの?」

「…多分。」

また迷って、少し、言葉の端が濁った。
先に言った通り、ただの夢だ。
今から言おうとする事が、私のとりとめのない夢想である可能性もある。

「聞いてみてもいい?」

だが、レンの目は他意なく私を見つめてくれていた。
…言おう。

「“誰かと絆をもつこと”だ。」

案の定、首を傾げられる。
結論を残して、慎重に言葉を選びながら、一つずつ言葉を足していく。

「…どういうこと?」

「レンは、死ぬのは嫌か?」

「嫌か、って…そりゃ、嫌だけど」

「普通は、そうだろうな。死ぬか、生きるか。それはとても、大きな事だ。」

「……。」

「だが、奴らにとっては、そうではない。
神代の御世に生まれた奴らにしてみれば、生き死にの境界を越えるのは些細な手間でしかない。死を迎える度、再生して世界へ戻るたび、奴らにとっての生死の重みは薄れていく。するとな、最終的には、完全に死んで消滅してしまう事すら、恐ろしくなくなってしまうんだ」

「死のうと思えば、気楽に死ねる、って、そういうこと?」

「そうだ。長すぎる生は、渇望の充足という形で、死への恐怖を相殺する。
死んだら死んだ、で、それはそれでよい、と思えるようになってしまう」

言葉にする事で、自分の中であいまいだった思いが、少しずつ輪郭を帯びていく。

「ただ長命なだけならば、それでもいいかもしれない。そうして皆、最後には自ら死を受け入れて消えていく。
だが、鳳凰は…不死鳥は、その手段を取ることが出来ない」

「無限に生きるモノだから?」

レンの読みは的確だった。
精霊と共に生きる者の感覚として、
自然の様態を既に悟っているのだろう。
私は頷いた。

「そうだ。この世界に死が在るためには、不死が存在していなければならない。対になる力を備える存在がなくてはいけない。
鳳凰はそれを担っている。そのために、生の絶えない体のままで、永遠に生き続けなければならない」

かつて共に飛んだ輩(ともがら)たちのように、
死に逃げる事が出来ないままで。

「存在を望む心が万物を生命たらしめる。生に価値を見出さず、消失を恐れない不死は、
生きなくてはならないのに、そのままでは自ずから消えてしまう定めにあるんだ」

言葉を継ぎ足す用意はあった。
だが、レンには今の説明だけで通じたようだった。
その表情が伝えている。…その、悲しげな表情が伝えている。

――ああ。
レン。だから私は、お前に伝えたかったんだ。

体の内から、じわりと染みるような熱の感触があった。
それは、目の前の相手へ向けて、“私”がこぼした思いだった。
勘のいいこいつは、気付いている。
そしてその上で、私を見てくれているのだ。
思いが外にこぼれないよう強く意識して、奥へと呑み込む。
そして、言う。呑み込んだそれを、言葉に変えて。

「そんな不死鳥が望むのはな、レン。誰かに必要とされる事なんだ。」

「自分の存在を欲してもらうこと。自分が生きるためのよすが、目的になってもらえること。
その相手を見出す事こそ、不死鳥が心から願ってやまないことなんだ。
そのためには、自分の命を捨てたって惜しくない。元々、そんなもの自体には、欠片も価値を見出していないんだから」

「ヒオウ……」

「私はな、お前に感謝しているんだ、レン。父上を、よすがをなくした私に、お前は手をさしのべてくれた。私が好きだと言ってくれた」

「お前のおかげで、私は生きられる。生きていたいと思える」

常ならば、どうにも恥ずかしくて言えない言葉ではあった。
だが今なら妨げはない。
となれば、障りが心に立たない内に、
願う事は素直に伝えておくべきだろう。

「少し抱いてくれないか、レン。お前の近くで、お前を感じたい。」

とん、と寄りかかりながら告げた。
身体が僅かに先に動く形になった。
事後承諾だが、まあ、いいだろう、このくらい。

「うえ!?いや、それとこれとは、話が、っていうか、朝ご飯だってまだ…」

案の定、細身の身体が固まった。
だが、離れるつもりもなかった。
本当に嫌がったならそうもしようが、
狼狽えながらも、こちらの体重は支えてくれている。
ぎこちない手の動きも、押しのけるような肩触れではなく、
泳ぎながらではあるが、背中の方にある。
なので、押す。
寄りかける重みも増やす。

「なに、宿の連中だってそう野暮でもないだろう。こちらが取り込み中と判ったら、少しの間くらい待っていてくれるさ」

実際のところはあやしいが、
今を逃すくらいなら、あとで謝る方がいい。
こちらがその背に腕を回すと、重なった頬は瞬く間に赤く染まった。
伴って熱がこみ上げてくる。
触れあった瞬間の、肌の表面に巣くった冬の冷たさが、
溶けるように消えていく。
痩せている体に少しの筋肉。
それでも、私のものとは違って硬い、胸板の感触が心地良い。
父上の、分厚く険しい巌のようだった、あの胸ではない。しかし、心地良い。

「ほれ、そうはない貴重な機会だぞ。私のような美少女を好きにできるなんて、一生長しと見ても何度あるか」

力を込めてしがみつくと、腕の中で細い体が、更に縮こまるのが判った。
気持ちがどんどん湧いてくる。胸の奥の熱さが、体全部へと行き渡る。

「〜〜〜!」

声のない悲鳴。
聞こえたが今は無視だ。

「逃がすつもりはないぞ。お前が根負けしてくれるまで、私はお前の肌の感触を楽しむだけだ。
……ふふふ、帰省を一日延ばす必要があるかもしれんな」

「〜〜〜〜〜〜っ!!!」

布団に倒れ込むと、レンは未練がましくじたばたともがく。
しかし頭と体との間に感覚の齟齬でもあるのか、
その動きは全く『逃げ』にはなっていなかった。

「これでは、先が思いやられるな」

さももっともらしく付け足そうとした私の言葉も、
思い描いた通りには出てきていなかった。
ひどく楽しげな色を含んだ声は、からかいには向かない本音の声だ。

…だが、まあ、いいか。

大切なのは今をこうして過ごす事だ。
ちょっとした悪戯心が満たされないくらい、
気に掛けるまでもない些末事だ。
今は。今の、この。

愛しい時間を、ただ抱きしめて、過ごす事にしよう。


夕餉 > 冬頃に元を辿って作り始めて、はや数ヶ月。どんだけ時間かけてんだ・・・と思いつつも、せめて夏になる前にとアップです。冬場の話なので、暑苦しい部分等あるかと思いますが、ご容赦頂きたく候。最後に、書くに当たってばんばんゆけいと許可を出してくだすった夏風さんに、ありがとうございましたを。ありがとうございましたっ。 (6/21-19:03) No.1975
夏風 > えろい。えろいぞぅw たぶんこれからも好きにしまくるんだろうなぁ。いろんな意味で。 (6/25-16:54) No.1977
夕餉 > こんな具合ではい、これからも。 健 全! そして健全ですよむろんそれはもう! (6/25-21:29) No.1978
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自宅にて天使と。とあるお話。 投稿者:ご隠居 投稿日:2011/04/30(Sat) 03:33 No.1968 




―――生き続けていて。勝手でもいい。そう、願わせて。







ふつりと胸の内で膨らんで、音も無く弾けて身体に沁み込んでいった感情の名前は何だったんだろう。












俺は昔、ストリートチルドレンだった。
いやまあ、今でもそんな変わんないけど。…こらー、笑うなー?


とにかく、昔俺はストリートチルドレンだったの!
路地裏で20人ぐらいの同い年とか年上とかちびっ子とかで集団作って、俺はそこで一応リーダーみたいな立ち位置で。
"ヘッド"って呼ばれてたかな。用があるときは。
普段はやっぱ、名前のがしっくりするから名前だったけど。


言っちゃ何だけど俺器用だったんだ、いろいろと。
角立てない振舞い方とか言葉遣いとかさ。大人に目付けられると困るの俺たちだし。
あと、物理的な意味でも。スリとか負けなしだったんだぜ。その頃は今なんか比べ物になんないくらい手癖良かったっていうか悪かったていうか。なw


ま、そういうのがあって俺は皆からリーダー扱いされたわけ。
っつっても殆ど皆家族みたいなもんだし、厳格な上下関係は無かったよ。アットホームアットホーム。


ちびっ子はメンバーへのいたずらに余念が無くて叱ってもうそ泣きのレベルばっかり上げてくし、たまに無性に可愛いこと仕出かすから可愛いし。  …なんだよ、いいだろ別に親馬鹿でもー。

上も上でちび達の手本どころか余計に手が掛かるっていうか喧嘩っ早いからすぐ問題起こすっていうか。まあびっくりするぐらい卑屈なやつがいない珍しいチルドレンでさ。情も深くて、憎めなくて。
ほんとに、家族だった。


俺にとっちゃ皆が、俺の全部だった。
うちの領域荒らすチンピラは締め上げたり、そいつらを材料にギルドや官憲と取引したりして。
何より大切な居場所をさ、ガキはガキなりに護ろうと必死だったんだよな。



でも、それはもうない。



未だによく分かんねえし、思い出すのも嫌になるけど。
『なくなった時』のことは一生、頭ん中にこびり付いたままなんだろうなきっと。


夕暮れぐらいかな。
うちのグループで出来るような簡単な仕事を斡旋してもらって、連絡しにアジトに帰った時。
その時間帯ってさ、アジトの中が夕陽で一杯になってすごく綺麗に見えるんだ。全部、橙色に染まって。


その日も綺麗だった。

頭ん中真っ白になるくらい、真っ赤でさ。


壁に触れたら、ぬちゃって音がすんの。ぬかるみに足突っ込んだ時みたいな。



もう、そこら中血まみれ。



夕陽と血液で真っ赤に染まった家族があちこちにごろごろ転がってて。
汚い話だけどさ、胃の中のもん全部吐いた。皆に掛けなかっただけ、ましかな。


目の前の、ぽっかり口をあけたアジトの奥への通路が恐かった。
行くなって頭のどこかで叫んでて、それでも俺は、ヘッドだから。
奥に進んだ。


広間の一番でかい窓からは夕陽が差し込むようになってて。
それを正面にして、逆光でシルエットしか確認できない『そいつ』は振り返った。



ぬちゃりと血に滑る俺の足音を聞いて。




シルエットだけでも分かる。



ねじ切った、ちびの首から上を抱えて。



『 ――ざぁんねん … 少々、遅かった。 ですねえ… ? 』



抉り出した眼球を、舐め上げて。







血を吐くほどに俺は、叫んだんだと思う。
もう声が出なくなるんじゃないかってぐらい。

それでも構わなかったんだ。
そいつを殺して、殺して、ぐちゃぐちゃに磨り潰して、それから俺も死ぬんだって。

そう、考えたからさ。



結局、人間なのかもっと別の者なのかも分からないそいつを俺は殺せなくて。
あばらは数本持ってかれたけど、なぜかそいつは俺を殺さなくて。

完全な敗北ってやつ。しかも、根こそぎ奪われて。


どれだけ呆然自失になってたんだろうな。
壁によっかかって、両手両足投げ出して。


夜明けの時刻に、雨が降り出したんだ。
どんどん強くなってさ。すぐ前が、見えなくなるくらい。

冷たくて。体中の、ただでさえ無かった生気とか、気力とか全部、冷え込んで。

ぼんやりした視界にダガーが映った。左手に刃ごと握りこんで放さなかった鈍い銀色が。



生きてたってしょうがない、ってなるだろ?なるの。ていうかなったの。俺は。


…そうなの。だからさ、死のうと思って。
あの雨ならきっと、皆の血も流れてそう簡単に腐らなくなるだろうしさ。
後のことは、大人に任せちゃえって。




……まあ死ねなかったわけだけど。
…ん?


…いいや。恨んでないよ。憎んでもない。どうして?ってたまーに思うけど。

どうしてお前もボスも、俺を生かしたんだろうって。


…二人とも俺が分かんない言い回しするからさあw


大丈夫。恨んでないよ。憎んでない。
傷を癒してくれたことも、拾って面倒見てくれたことも、こうして傍にいれくれることも。

感謝してるよ。そりゃあ、ちょっとは複雑だけど。それくらいは許してよ。w






……最近さ、言われただろ。

生きてって。生き続けてくれって。



あの子に言われたからって、我ながら現金だと思うけど。
もうちょっと、下手に危ない真似せずに生きてもいいかなって、さ。


笑うなってばw なに?

……。



ああ、うん。

俺も生き続けてほしいよ。彼女に。
俺に勝手にそう願うって言うんだから、俺も勝手に思うぐらい許されるよな。








―――生き続けていて。勝手でもいい。そう、思わせて。




俺より遥かに長い時間を生きるんだろう、言葉の力を理解している優しくて少し後ろ向きでけれどきっと、きっと強い彼女に、それでも思う。
やっと見つけられそうなんだ。


また別の、居場所を。



ご隠居 > 単純な好意、ではないのだと思う。 (4/30-03:39) No.1969
ご隠居 > …誰やねんと。ジェムでした。 (5/3-16:52) No.1970
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アームズの王子〜月灯り亭にて 投稿者:BB 投稿日:2011/04/22(Fri) 20:20 No.1965 
「しっかり頼むぜ!」
 そう言ってアックスは依頼に出る冒険者を乗せた馬車を見送る。
 見慣れた光景だが今回は勝手が違う。アームズ国の王太子の影武者という大役をこなしにいくのだ。
 不安がないとは言えないが、今までの実績と社会に揉まれた経験を見越して依頼を任せたのだ。きっとやり遂げてくれるだろう。
 ただ、向こうばかりを気にしてばかりもいられない。
 今回は勝手が違う。
 それはアックスにとっても同じことが言えた。

「…王太子殿下、もう姿を見せて大丈夫です」
 個室に続く廊下へ向けてそっと声をかける。
 出てきたのは燻したクロガネのような髪を後ろへ撫で付け、落ち着いた笑みを浮かべる一人の男。
 他者を圧倒しつつも惹きつける、そんな雰囲気を湛える顔が困ったような笑みに変わり、アックスに話しかける。
「亭主殿、その呼び方は変えてもらえないですか。口調もおよそ、冒険者の店の亭主と一介の冒険者にしては、似つかわしくないでしょう」
「そう言われましても。こうやって店に入れてあんな部屋で待たせてただけで、冷や汗もんですよ」
 事実アックスの顔は普段の落ち着きを失っている。その様子を見て殿下と呼ばれた男が緊張を解すように笑いかける。
「そう畏まってたのでは、店の人も不自然に感じるでしょう。そうですね、亭主殿も昔は冒険者として腕を鳴らしていたと伺っています。私が何者かばれないよう、うまく立ち振舞ってもらいましょう」
 アックスが目を白黒させながら男に顔を向けると、男はいたずらっぽく笑っていた。
「私のわがままを聞いてくれて感謝しています。私も迷惑をかけないよう準備はしてきました。3日間、よろしく頼みます」
 その言葉を聞いて、アックスも腹を括った。
「…そうだな。話を聞いてた時からわかってたことだ。王太子殿下、そう呼ぶのはこれで一旦終わりだ。あんたがゆっくり過ごせるよう、俺も出来る限りのことをさせてもらおう」
「ああ、でしたら私もアックスと呼ぶことにしましょうか」
 王太子の言葉にアックスは棒を飲み込んだような顔になった。


―――朝
 早い人はすでに姿をみせている。あるいは気まぐれに起きた人もいる。
 そういった冒険者が新聞に目を通しているのも珍しくはないが、今日は例外だった。

「ん〜…おはようさん、アックス。…ありゃ、パーカー? 珍しいな」
 しょぼつく目をこすりながら冒険者が酒場に下りてくる。この時間、その場にめったに見ない人の姿を認め、コーヒー片手に新聞を読んでる姿を見て大げさに目を見開いた。
「おいおいどういう風の吹き回しだ? それとも何かまた怪しい広告でも見てんのか?」
 後ろに回り記事の内容を見て本格的に目を疑った。それに気づきパーカーと呼ばれた青年が答える。
「おはよう。一般に出回ってる新聞の割には質の高い記事が載っていると思う。なかなか面白いよ」
「面白いっつったって…」
 産業、政治、経済…この男が人前でこんなモノを読んでるところは見たことがない。
 アックスがいつも通りと言うか、まっとうな冒険者兼客扱いしてるのも気になってアックスを振り返る。
「その男が妙な思いつきで妙なことをやるのも珍しくないだろ。今日はそういう気分だったんだろうさ」
 アックスは料理中だったが顔も向けずに答える。そのまま『そういう気分』らしいパーカーに気持ち悪そうに目を向ける。
「たちの悪い思いつきを初めてくれたもんだぜ。まったく、いつまで持つことやら」
「以前その男は俺に求婚したこともあるからな…さ、飯食うんだろ?」
 冒険者はパーカーと同じテーブルに付き、出されたご飯を平らげると「まあ頑張れよ」と声をかけて酒場を出て行った。

 その後も熱心に新聞を読み、依頼板に目を通すパーカーに度肝を抜かれる人が多発したが、アックスが平然としているのとパーカーの普段の行いで納得するなり、そのまま受け入れるなりで落ち着いていた。


―――昼
 冒険者の店兼酒場として認識されている銀の月灯り亭だが、昼ともなれば大衆食堂の様相を呈する。
 椅子は人で埋まり、席を求めて右往左往する人、料理や空皿を運ぶウェイトレスや手伝いでごった返す。

「こっちの皿は5番、盛り合わせは11番のテーブルだ。重いぞ、気を付けろよ!」
「はい!」 
 ウェイトレスのカオエルフが熟練の業で大皿を何枚も重ね持ち、近いところから順に置いていく。
 ただ、珍しいことというのは重なるようで運んでる途中、玉突きのように押しやられた人が進路上にまろび出てきた。
 気づいたときにはもう遅い。足を引っ掛けて大変なことに――そう覚悟を決めてせめて皿だけはと死守してると、しっかりと体を支える腕の感触があった。
「…あっ」
「大丈夫かい?一度こちらに」
 気づくと思ったより近いところに青年…パーカーの顔があった。
「あ、あの、ありが、とう…ござい…」
 知った顔のはずなのに、向けられた笑顔が何故か輝いて見え、言葉が詰まって最後まで口に出せなかった。
 こういう状況なら体を離して丁寧にお礼を言い、一度皿を持ち直し、業務に戻るのだが何故か体もちゃんと動いてくれない。
「いつも大変なんだね。これだけ人も多いし、給仕というのも重労働なのだな、としみじみ感じるよ」
 テーブルの上を片付けスペースを開け、皿を一度置くとパーカーがそのまま手に持ってしまう。
「あ、そんな事まで!」
「いや、危ないことがあったのが今さっきだから、ぜひ手伝わせてもらうよ。この皿は11番だったね?」
 言葉はいくらかたしなめるようでも、顔はいつもと違う、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。その笑顔にまた思わず見とれてしまう。
 その後改めてパーカーにお詫びとお礼をいい、アックスに事情を説明してコーヒーを出してもらった。

 昼の忙しい時間も終わったあとで、ウェイトレスが昼にあったことを思い返す。
「あれは…パーカーさんだよね。パーカーさん、だけど…」
 眩しく見えた笑顔を思い浮かべ、また頬を赤らめる。
 アックスはその様子を見てひっそりとため息をついた。


――夜
 依頼を終えた冒険者が打ち上げと称して酒盛りをすることは珍しくない。一日の終わりに喉に流し込む酒が格別なのは、大概の冒険者に共通する意見だった。
 しかし中にはこの時間を勉学に充てる者も居る。魔法師協会に籍を置く人はもちろん、自分の研究を持つ人もこの時間が研究をすすめる貴重な時間であることに変わりはない。
 そしてそういう人も珍しくないので、酒の席に興じる人は勉学に励む人が何をしてるか、などと見に行くことはない。
 ただしそれは、いつもそういう事をしてる人であれば、の話である。

 普段は酒を楽しんでる冒険者はもちろん、賑わいの中でも平気だから、と酒場で勉強をしてる冒険者も、今日はひとつのテーブルを遠巻きにして眺めていた。
 そのテーブルの上には文章がみっちりと書きこまれた論文らしきもの、多くのメモや補足が書きこまれた研究資料、魔導力学法をあらゆる視点で解明し、それがまとめられた資料などが広げられている。
 その資料の束を前に、必要な情報を読みあさり、一つの論文に手を付けているパーカーが居た。
「いや、あいつも魔法士だし、研究もすれば論文も書くのも当然なんだろうが…」
「あのパーカーが? 論文を書く時間があれば女の子と仲良くなる事に費やすことがもっぱらのあの男が?」
「おい、だれか何をしてるか聞いてこいよ」
「嫌だよなにか伝染ったらどうすんだよ」
 ウェイトレスがパーカーのテーブルにコーヒを持って行くと、普段見せる笑顔とは程遠い、妙に目が離せなくなる笑みを返す。
 その笑顔を向けられたウェイトレスはこころなしか弾んだ足取りで厨房に戻って行く。
「…あれだ。もしかしたらパーカーのやつ、どこかの研究チームの実験台にされたんじゃないか」
「それだ!」
「いやいやいやw」
「神殿の人格矯正プログラムでも、あそこまでするのは無理だろ…」
「おらおらおら、勉強の邪魔をしちゃいけねえよ。気になるなら一緒に勉強すりゃいいじゃねえか」
 様子を見ていたアックスが解散を促す。
 一つのテーブルを注視していた集団は解散し、パーカーの様子を保留として各々の日常に戻ることにした。
 見るものが見れば、パーカーが書いてる論文は、最近になってようやく手をつけられ始めたトロウとアームズの共同研究について触れたものであることがわかっただろう。
 これが発表されれば、最新にして切り口の新しいものとして話題になるであろうものだった。 

 事情を知らない新顔がパーカーのしてることを見、大いに興味をひかれ、議論を交わし、パーカーを尊敬するべき先輩と仰ぐ場面をアックスは黙ってみていた。


――その後
 簡単ではあったが依頼をこなしたり、トロウの街を散策したりと存分に羽を伸ばし、休めた王太子は晴れ晴れとした顔をしていた。
「アックス、魔法師協会まで論文をだしてくる。確か、今日の夜には戻ってくるんだったな」
「そうだな、今から行ったら多分、おまえさんが帰ってくるのを待つことになるだろうが構わん。ゆっくり行って来ればいい」
 すぐには出ず、青年はアックスをしばらく見ている。
「…最初こそ訝しがられたけどアックス、あなたが当たり前に接してくれたおかげでずいぶん居心地良く過ごさせてもらいました」
「向こうがポカしてなきゃいいんだがね」
 肩をすくめ答えるアックスに青年は笑った。
「フフッ、あなたが見込んだ冒険者なら大丈夫ですとも。ほんとうに、ありがとう」
「その言葉は似合わん真似で苦労してる、あんたの代役に言ってやってくれ。半ば以上本気で心配だからな」
 青年は笑顔で頷き、荷物を手に取る。
「戻ったら存分にお礼を言わせてもらいましょう。では行ってきます」
「ああ、行って来い」


 ほんの3日の間。公務の事を考えずに過ごしたといえば嘘になる。
 それでも月灯り亭の主人は王太子ではなく、冒険者として扱い過ごしていた。
 研究に関して身分の上も下もない、対等な議論は新鮮だったし国に住む人がどんな悩みを持ち、冒険者を頼るかも知ることができた。
 この経験は決して無駄にはすまい。
 遠く月灯り亭のあかりがみえる。
 側に留まってる馬車は見覚えがあるものだ。
 冒険者として過ごす時間は終わった。重く堅苦しい王太子の衣も、人に預けっぱなしではその人が気の毒だ。
 それでもまた許されるのなら…
 ここまで考えて頭を振り、気持ちを切り替えた。
 自分の果たすべきことを果たす。王太子の日常は自分が勤めることだ。
 馬車のそばに、自分に似た顔…ほとんど同じ顔に仕立て上げられた青年の姿が見える。やはり疲労の色が見て取れる。
 王太子として彼らを労いに行く。

 こうして休日は終わりを迎えた。

BB > いつかのセッションのツキアカ側のおはなし。誰これ感が半端ない。 (4/22-20:23) No.1966
J.S > 周囲の人たちの反応が面白いですねw (4/24-01:33) No.1967
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なっちゃんが来た日 投稿者:ウー 投稿日:2011/04/10(Sun) 20:29 No.1964 
二郎くんがなっちゃんを連れて来たのは、ちょうど今ぐらいの季節だ。
「おやじ、席2つ空いてるか?」
「お、今日はどうした? かわいいお嬢さん連れて」
「妹だよ。前話しただろ」
親父はいつもの調子で釜の火加減を見ながら目の前のカウンター席を指す。
二郎くんも、なっちゃんをカウンター席に座らせるといつものかけそばを注文した。
なっちゃんは少し落ち着かない様子で店の中見渡してた。
「おいヒロム、呆けてねぇでお客さんに茶出せ!」
不意に親父に頭を小突かれた。俺はずっとなっちゃんのことが気になっていたらしい。
「うははこの野郎、見惚れてやがったな」
「うっせーな」
茶化してくる親父に悪態をつきながら2人にお茶を出す。
「妹の菜月だ、よろしくな」
二郎くんがそう言うと、なっちゃんは上目がちに小さくお辞儀した。
「俺、ヒロム…」
俺は少しはにかんだ顔で、それだけ言った。
店に来るのは大人ばかり、その上毎日店の手伝いときたもんだ。歳の近い女の子を間近で見たことなんて今の一度も無い。
「ちぃっと照れ屋なもんでなぁこのバカ息子は。許してやってな」
蕎麦を茹でる背中越しに余計なことを付け加えてくる親父を睨む。
「菜月、帽子も取っていいぞ。ヒロムはもう知ってるからよ」
二郎くんに言われ、なっちゃんは少し戸惑いつつも被ってた帽子を脱いだ。
前に聞いたことあったから別に驚きはしなかったけど、改めて見ると不思議な気分だ。
なっちゃんは普通の人よりも少し肌が黒くて、少し耳が長い。
だたそれだけ。俺や親父や二郎くん達となっちゃんの違うところは、ただそれだけ。
でも世間ではなっちゃんみたいな人を闇種族と言って皆が嫌うそうだ。この町では存在することさえ許されない。
「……」
なっちゃんはどこか怯えている感じで、俺はどうしていいのか少し困惑した。
「俺…えっと、なっちゃんって呼んでもいいかな?」
「えっ」
自分でも何でこんなこと言い出したのか分からないけど、なっちゃんに怖がられるのが嫌だった。
「…うん」
なっちゃんは最初少しびっくりしたような顔をしてたけど、すぐに嬉しそうに小さく頷いた。
俺は心の中で安心しつつも、大事な妹にいきなり馴れ馴れしかったかなと、二郎くんの顔色を伺う。
「よかったな、菜月」
二郎くんはとても優しい目をしていた。お兄さんの目だ。
「うん」
なっちゃんは二郎くんに笑顔を向けた。幸せそうな笑顔だった。
やっぱりそうだ、なっちゃんは俺たちと何にも変わらない。そして笑顔が綺麗な女の子だ。
そんななっちゃんの笑顔を独り占めしている二郎くんを少し羨まく思った。
そうこうしていると、親父が湯気の立ったどんぶりを2つカウンターに置いた。
「ほいよ、2名様お待ちどうさん」
なっちゃんは蕎麦を見るのが初めてなのか、椅子から腰を浮かせて珍しそうにどんぶりを覗き込んだ。
「ちょいといいかい、失礼するね」
どんぶりを覗き込むなっちゃんの目の前で、親父がかけそばに生卵を落とす。
「お嬢さんかわいいから、こいつはサービスね」
どんぶりのかけそばの中に広がってゆく卵を、なっちゃんが目を輝かせながら見つめる。
「おいおいおやじー、俺の分は無ぇのかよ」
「毎度毎度かけそば食ってさっさと帰っちまうような客が、調子いいこと抜かすな」
二郎くんが親父ともめていると、なっちゃんがそっと自分のどんぶりを差し出した。
「これ、お兄ちゃんにあげる」
「かぁ〜、お嬢さんいい子だねえ。まいった!もひとつおまけだ!」
結局親父は二郎くんのどんぶりにも卵を落とした。
「熱いからよくふーふーして食うんだぞ」
二郎くんがなっちゃんに食べ方を見せると、なっちゃんは必死でそれを真似て食べる。
「美味いか?」
「うん」
湯気に頬を上気させ、鼻をすすりながらなっちゃんは頷いた。
何度も何度も、頷いた。


「また菜月も連れて来てやるからよ、仲良くしてやってくれ」
帰り際、なっちゃんに帽子を被せながら二郎くんが言った。
「なっちゃん、またね」
手を振って見送ると、なっちゃんも笑顔で手を振り替えしてくれた。
通りの向こうへ手をつないで消えていく2人を、俺はずっと見つめていた。
「ああいう子もいるんだ」
声に振り返ると、すぐ後ろに親父が立っていた。
「可哀想にな…あんな小さい子にさえも世間様は酷く冷たい仕打ちを平気でする」
「おかしいよ。その世間様って奴、絶対おかしいだろ!」
「でかい声出すな。誰かが聞いてるかも知れんぞ」
親父に背中を押され、店の中に戻る。
「煮え切らないのは分かるが、今は我慢しとけ」
「……」
「お前が大人になる頃には、世間様も変わってるかもしれねえぞ」
「大人になって、もしずっと今のままだったらどうすんだよ?」
「その時はお前か二郎か、あの子に入れ込んじまった奴が世間様を変えていけばいいのさ」
親父はそう言ってウインクした。相変わらず片目でウインクするのが下手な親父だ。
「まあ、今は背伸びしてねえで蕎麦打ちの練習と皿洗いしやがれってこった」
「へいへい分かったよ」
空になったどんぶりを洗いながら、俺は次になっちゃんと二郎くんがいつ来るのかとても楽しみだった。


でも、それからなっちゃんと二郎くんが一緒に来ることは二度と無かった。

夕餉 > 以前に書き込みかけて、携帯が死亡して以来、コメントしておらなかったのですが、これは言いたかった。なっちゃん、、、、、 (6/21-19:05) No.1976
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幻想の崩壊 投稿者:おろち 投稿日:2011/03/20(Sun) 10:12 No.1963 

彼の事だ。
私を見つけた瞬間に、吟遊詩人ですら歯の浮くセリフを言ってのけるのだろう。
私はそう思っていた。

彼の事だ。
たとえ記憶を失ってゆく病に蝕まれようとも、私の事を忘れる事はないだろう。
私はそう考えていた。

そんな、私の幻想は、彼の言葉によって引き裂かれた。


「…誰、あんた。」


氷で出来たナイフで、胸を刺されたかのようで
ただただ、感情を押し殺す事で精いっぱいだった。

彼に落ち度はない。
人を死に至らしめ得る病を、その身に受けたのだから。
私が尊大な幻想を抱いていただけなのだから。

それなのに何故だろうか
こんなに心がかき乱されるのは
それなのに何故だろうか
他の事を考えられないのは


何故私は どうして私は
何も分からない。分かってしまいたくない。


自分の矮小さと幼稚さに押しつぶされそうになりながら
答えを出してしまいたくない問いを、ドワーフの酒で誤魔化すことしか出来なかった。


----------------------------
とあるセッションの一幕よりメルディオの心理描写みたいなの
まー面倒臭いヤツだなあもう。いつ素直になるのやら
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二限終わりに 投稿者:ウー 投稿日:2011/03/09(Wed) 10:09 No.1956 
「おーい、メシ行こうぜメシ」
「あたしも行く行く!」
「終わった〜うえー腹減ったー」
「どうしたの?お疲れみたいじゃん」
「俺さ〜朝飯食ってなかったから魔導制御力学の授業死んでたわw」
「えーwちゃんとノート写した?来週試験じゃん」
「うわしまった!ゴメン、後で見せて〜一生のお願い!w」
「え〜どーしよっかなー…」
「昼飯にデザートのミルフィーユ付けるからさぁ〜、ね?ね?」
「おーい、いいからメシ行くぞ!」
「早く行こうよ〜。次の授業って確かブロエ導師でしょ?」
「うーわ遅刻したらまたあの色白眼鏡野郎にネチネチ言われるぞw」


「…ねえ、あそこの席のさ」
「ああ、あいつ?ww」
「あいつさぁいつも一人で何やってんだ?何かいっつもニヤニヤしててキモいんだけど」
「知るかw関わんなってw」
「何か怖いよね。こないだなんて私の方じっと見て笑ってたし…」
「えー大丈夫?ストーカーとかされてない?」
「おい、俺ちょっとあいつの背後から様子見てこようか?w」
「やめとけってw何されるか分かんねーぞwww」
「ちょっ、ちょっと、本人に聞こえちゃうって…;」
「うわ聞こえてたっぽい、めっちゃこっち見てるww」
「ぶはっwwwwww」
「おい、目合わせるなよ目!w」
「もぉ、二人ともやめてよぉ〜…クスクス」


「ね、そういえばさ…今日もデナちゃん来てないけどもしかして…」
「あー………」
「たぶんあれだろうなぁ〜」
「席替えであいつの前の席になっちゃったんだっけ?」
「そうそうw」
「何か噂では後ろからテュンテュンとかフフッとか気持ち悪い声が聞こえてくるらしいわよ?」
「マジで?何それ超キメェwww」
「つかあいつが後ろからニヤニヤ見てくるってだけでも俺だって精神的に耐えられないわw」
「席替えの時、本当に嫌で嫌でデナ泣いてたもん」
「うわぁ〜…デナちゃん可哀想。最近勉強もスポーツもすごい頑張ってたのに…」
「教室の主任導師にお願いして席替えてもらえねぇの?」
「そうだな。このままデナが来なくなっちまうのもあんまりだし」
「ちょっと放課後に相談に行ってみようぜ」


「いただきまーすっと、やっとメシにありつけた〜」
「てかさー、あいつマジで何なの?本当キモいって感想しか浮かばねぇよな」
「なんか性犯罪者っぽい顔してるもんなー」
「ああ〜…うんw」
「つか導師も生徒もみんな気づいてて割と避けてるっしょ?w」
「いやだってそれが一番だもんw」
「触れてあげないのが一番だよ、本人の為にも…。あたしだって嫌だし」
「あいつマジ早く学院出てって欲しいんだけどさあ、今年で何年目?そういう情報入ってないわけ?」
「つーかあいつ今いくつだよ?」
「私の友達情報だと、今年で22歳らしいわよ?」
「ぶっww22!?」
「俺らの5つ上かよwどうすんだよ超先輩じゃんww」
「先輩!wwお疲れ様っす!!トゥンテューン!www」
「ちょっ、あははははww」
「やめろ食ってる最中に笑かすなwwwww」


「…おい!シッ!」
「ん?」
「後ろ、ゆっくり見てみろ…」
「うわっ、いた!」
「えっ、どこどこ?」
「ほら、一番窓際の隅のテーブル。うっわ寂しww」
「ど、どうしよ…全部聞かれちゃったかな…私、怖い……;」
「もう、二人が大笑いするから…!」
「ねぇ、今あいつこっち見てる?」
「いや向こう向いてる。つかこんだけ離れてて聞こえやしねえってw」
「お、何か一人劇場始めたぞ?wちょっとあいつ観察してみようぜ?ww」
「キモいだけだろw何が楽しいんだよww」
「もうあいつのことはいいじゃん。それより次、授業!ほら教室行こ行こ」
「ああ?まだ時間あんじゃん」
「早くしてよ、目付けられたら怖くて私たちまで学院来れなくなっちゃうじゃない!」
「へへっ、あいつストーカーばりにねちっこそうだしなww」
「よっしゃ、んじゃ急ぎますか。ごちそーさまっと」



4人の若い男女が、ボクのすぐ背中の後ろを通り過ぎた。
窓の反射越しに、男の内の一人がボクの頭上でおどけて手をクシャクシャしてくのが見えた。
もう一人の男がそれを笑いながらたしなめ、女子二人はクスクス笑をしていた。
4人は最後にボクの方をちらりと横目に見た後、互いに顔を見合わせ、ふふーっと息を漏らすように一笑いして教室へと去っていった。

(。 。)「……」
あ、そうだ、サンドイッチ食べかけだった。食べきっちゃわないと。
でも味がよく分からない。何だか口の中に卵みたいな味が残ってるような…?
噛むのを忘れてたからかぁ。うーん、何故かもっそりとしか咀嚼できない。顎に力が入らない。

次の授業、間に合うかな?
行きたくないなあ…。


…ま、いっか。
午後は月灯り亭に行ってみよう。

夕餉 > オーキっ…………! (3/9-19:51) No.1957
ウー > 夕餉さんはオーキを庇えますか?いや、庇うような側になっちゃあ、いけないよ…(`ー´∵)ニヤッ (3/10-09:41) No.1958
夕餉 > うぐぐぐ、うわああああ。つ、辛い、、、、! (3/10-09:48) No.1959
夕餉 > 言える方になりたいけど、言えないで見過ごしちゃう気もします。辛かろうにな、、 (3/10-10:35) No.1960
夕餉 > 言ってしまった後で反省も。むう。 (3/10-10:53) No.1961
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