「木漏れ日(夕陽)」 P100号 油彩画・キャンバス |
「静韻」と対になる作品である。日中の柔らかな不透明な空気とは 対照的に、夏の終わりに向けてのほんの少しだけ陽陰が冷たさを 持ち始めた、そんな透明感の感じられる夕刻の光の演出にまるで 時間が止まったような、いや止まっていたのかも知れない一刻 ! 黄金色に染まった地面と、眩しくて見えないが、折り重なる緑青色 の枝葉達の色彩のコントラスト…自然の見せる見事な調和である。 この風景は、現在では道路の拡張工事が完了し、既に見ることが 出来ないが、賑やかな町中に残っていた自然のオアシスがいとも 簡単に消え去っていく…時の流れ!と言えば、仕方の無い事なの かも知れないが、妙に腹立たしく、わびしさを感じてしまうのである。 記:岡崎純生 |