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屋外彫刻調査保存研究会、第2回シンポジュームに参加して

1999年3月6日(土)に下田市柿崎の三島神社境内の柿崎地区公会堂において、屋外彫彫刻調査保存研究会の第2回シンポジュームが開催されました。内容は、午前中が同境内に設置されている保田龍門作「吉田松陰像」の見学会で、午後からその作品についての講演、報告、パネルディスカッションが行われました。関係者によって前日から足場の設置が行われ、その足場上での近接での調査も行われました。この作品は、制作が戦時下(第二次世界大戦)と言う事情もあり当時としては、やむを得ずセメントによる彫刻となりました。しかし、長年の劣化に加え、昭和49年の伊豆沖地震で倒壊し、その後修理が施されましたが、構造的な修復はされておらず、現状ではかなりひどい状態となっています。今回、当時修復を実施された方からの直接の話を聞くことも出来、現在のこの「松陰像」がかなり危険な状態(構造的)にある事が、明らかになりました。今回の、地元でのシンポジュームを行った目的の一つには、地元におけるこの像の再認識と言う事がありましたが、これは、ある程度達成されたよ うです。しかし肝心の修復(費用等)についてはすぐに回答が出る事は難しく、今後の地震に対する不安要素が残りました。突発的な、地震に対する課題(耐震、免震等)は、この下田に限らず日本全国の問題と思われます。この地震(耐震、免震)につきましては、先日のIIC-Japanの講演会「ASSlSI地震の報告」でも取り上げられましたが、この内容につきましては、この報告の別項をご覧下さい。又、今回のシンポジュームについてのの詳しい内容は、当ホームページ(屋外彫刻調査保存研究会ホームページ)にも掲載されております。以上

 報告:岡崎 純生
保田龍門作・吉田松陰像(下田市) 「吉田松陰像」足場上での調査風景 柿崎公会堂でのパネルディスカッション風景
   (調査前)保田龍門作/吉田松陰像
   (調査中)足場台上での調査風景
  柿崎公会堂でのパネルディスカッション