サナザナダルマ 16号
39Ldarma16

 何百年もむかしのことです。ゴヴァルダナの町にシュリナート寺院がありました。町外れに住む貧しいバラモン僧に6歳の息子がいました。ある日少年は牛を連れて牧場へ行ったとき寺院のなかにクリシュナの像をみつけました。かれは外に出ていっしょに遊んでくださいとお願いしました。クリシュナは出てくると、少年と手をとって遊びました。

二三時間すぎたでしょうか。クリシュナは別れを告げて寺院のなかへすがたを消しました。少年はクリシュナとの別れがつらく、その夜も、夜が明けてからも寺院の扉の外で泣き続けました。寺の僧とともに少年を見つけた両親は一晩中心配をかけたことを怒って少年を叩きました。

  どうしたことでしょう。僧はクリシュナの像が血を流していることに気づきました。

  人が神を友として呼ぶならば、神は呼び声に応じてあなたの友となります。神を師として呼びなさい。神は師として弟子であるあなたをみちびきます。まごころから信念をもって呼ぶならば神はかならず答えます。
p379
Sanathana Sarathi June 1990