サナザナダルマ 8号
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  バガヴァンが旅行に出かけるとき、長い旅であろうと短い旅であろうと、お供をして同じ車に乗ってゆくことは絶えぬ歓喜の連続です。
  
 ある日、ババはめいめいに神への信愛について語らせました。一同がそれぞれを述べたのち、ババはこのように教えてくださいました。「あなたがたの心から執着の念を除くとき、神への信愛はあらわれる。執着は分離、分割を意味し、信愛は神への愛を意味する。人は、生物無生物のすべてを愛することなしに神を愛することはできない」と、ババは説明してくださいました。
  
 ひとりが質問しました。「スワミ、『ギータ』にはこう書いてあります。もし人が神より他のことを考えず神のみを憶念するならば、神はその者を解脱させつねに守護する、と。このことは、人は神のみを想えとの教えではありませんか?」
  
 ババは答えて言いました。「クリシュナが語ったことは、人が神のみを憶念しその他のいっさいを考えないという意味ではない。クリシュナの教えはこうである。つまり、人は「他」という観念を捨てねばならないのだ。すべてはひとつ。あなたが「他のもの」という考えをまったく持たなければ、そのとき慈愛あふれる神はあなたを神のものとして愛したもう」と、ババは語りました。
p.183
Sanathana Sarathi Oct.1987