子供のためのババのお話

欲張り


  広大な土地をもつ大地主がいました。かれはさらに100エーカー増や<したいと考え、適当な土地をさがしはじめました。最初かれはナガルジュナサガ−ル地方の土地を買いたいと思ったのですが、土地の値段はあまりに高価でした。ヒマラヤ地方の土地ならかなり安いと教えた者がいました。地主は早速ヒマラヤ地方に向かって出発しました。かれはそこで土地を売りたいと思っている男に出会いました。値段を尋ねるとたいそう安いので、地主は大満足でした。 

  しかし土地を売りたいといった男は言いました。「旦那さん。この土地をあなたのお好みの値段で売りましょう。しかし、もうひとつ小さな条件があります」「どんな条件ですか?」と地主は尋ねました。男は答えました。「朝から晩まであなたがひとまわりして歩くだけの土地を、ただであなたにあげましょう」

             

  翌日、地主はたいそう早起きし、朝食を食べる時間も惜しみ、たいへんな力の入れようで歩き始めました。かれはできるだけ広い土地を手に入れようと、朝から晩まで走りつづけました。日が暮れかけました。かれはたいそう疲れ弱りました。しかし希望を捨てませんでした。目的地である、朝かれが出発した地点に到着するためにはまだ10ヤード残っていました。しかし、ついにかれは目がくらみ、心臓が止まり、倒れてしまいました。

From Sanathana Sarathi Oct.2005 issue, page313