〜ぜひともDVDで"the MOVIE"を堪能しよう!〜

【3.DVDのサラウンド技術について】

 DVD-Videoにおいて、音声は主にドルビーデジタルという技術が用いられております。ドルビーデジタルはAC-3という言われ方もしますが、これはドルビー研究所が付けた開発名称であり、通常はドルビーデジタルと呼ばれます。ドルビーデジタルはその名の通り、デジタル方式であり、映画館向けサラウンドとして開発されました。そもそも映画館向けとしてはドルビーステレオという技術が用いられていました。これは前方2チャネルであり、前方左右にスピーカを1つづつ置く、すなわち現在でいうところのごく一般のステレオ方式です。70年代後半から、ドルビーサラウンドという前方、背面とも2チャネルの4チャネル方式が採用されるようになりました。80年代初頭の有名な映画のサラウンドは殆どがドルビーサラウンド方式となりました。その後、さらに発展し、ドルビーサラウンドに前方センタースピーカを加えた5ch方式となった、ドルビープロロジック方式が登場し、アナログ式ドルビーサラウンドの頂点を極めるに至った訳です。

 90年代に入り、デジタルサウンド化され、サブウーハーが加えられた5.1ch方式のサラウンド方式が登場しました。これがドルビーデジタル方式です。これはドルビープロロジックの5ch+サブウーハー0.1ch(低音部のみのため、0.1chと計算されている)という構成になっており、今までで初めてデジタル方式を採用してるというポイントがあります。そのため、DVDにおいては正規のサラウンド方式として採用されております。ちなみにサブウーハーはどこへ置いても構いません。(人間の耳は、低音部がどこから発生しているか分からないという理由かららしい)

【4.ちょっとサウンドの知識もつけておこう】
 話は少し難しい、というか技術的な話になりますが、サウンドについて少し理解しといたほうが良いことがあるので、それについて触れてみたいと思います。なお、私自身もそんなに知識があるわけではないので、この辺の話は適当…もとい、簡略化させていただきます。
 「音」とはそもそもアナログです。しかしながら、コンピュータ内部回路は当然デジタルです。そのため、コンピュータを通して音声を聞くためには、元がアナログデータである場合は必ずデジタル化、という処理が必要となります。これをAD変換といいます。AD変換は、とある瞬間の音のデータを取り出すという標本化(サンプリング)ということをまず行っており、それを量子化(簡単に言えば0と1に置き換えること)することでデジタルデータとしております。言葉では上手く説明できないので下の図を見たほうが分かりやすいでしょう。(概念的には区分求積法と同じです)

この際、1秒間に何回サンプリングを行うかをサンプリングレートといい、普通の音楽用CDでは44100回、すなわち44.1kHzとなっております。また、量子化の精度を量子化ビット数といい、音楽用CDでは16bitとなっております。このようにAD変換を行うと、どうしてもアナログデータに比べてデッドスペースが生じてしまいます。しかしながら、アナログデータが信号がが連続しているためにデータ量が大きく、ノイズが生じたり劣化が起こりやすいのに対し、デジタルデータは信号が不連続なためデータ量が小さくて済み、しかもノイズが生じず劣化が起こらないという強みがあります。つまり、コンピュータで音声を扱う際は、できる限り長い間デジタルデータとして扱うことがベストなわけです。しかしながら、一般に用意されているLINE IN、LINE OUT、スピーカ端子、ヘッドホン端子といった端子は全てアナログ端子となってしまっています。それを解決するのがソニーとフィリップスが策定した、S/PDIF(Sony Philips Digital Interface)と呼ばれるデジタル端子です。S/PDIFには主に2種類の仕様があります。光(オプティカル)と同軸(コアキシャル)です。よくMDなどで使われている光端子とは、このオプティカルの事を指します。この2種類の違いは、伝送信号が光か電気かの違いのみで、後は全く同じです。が、当然ながら光の方が減衰が大きいわけで、音質にこだわるならコアキシャルを用いるべきです。しかしながら、実際にはオプティカルのみ標準装備の製品が多く、コアキシャルは搭載しているアンプやプレーヤーからケーブルそのものまで、結構高く付くケースが多いみたいです。また、どちらにしろ、それぞれ端子が無ければ当然使うことはできません。

【5.dtsとは一体何か?】
 dtsとはDigital Theater Systemの略で、映像とは別に音声データのみを記録したCD-ROMを用い、タイムコードによってフィルムと同期を取って上映するという方式です。この方式を用いると、音声用の容量を多く取れる、すなわち転送レートに余裕があるという利点がある(1,400kbps。ちなみにAC-3は384kbps)ため、ドルビーデジタルより音質が良いという利点があります。これにより現在、世界的に、dtsを採用している映画館の数はAC-3を採用している映画館の数より若干多いというところまできています。しかしながら、DVDの規格としてはドルビーデジタルが採用されており、dtsはあくまでもオプション扱いでしかありません。また、dtsを再生するためには、dts出力を備えたDVDプレーヤとdtsデコーダを備えたアンプが必要となり、一般のAC-3対応品と比べるとかなり割高となってしまいます。さらに、メディアの方も、dtsだけでなく一緒にドルビーデジタル音声もしくはPCM音声(=Pulse Code Modulation、一般のデジタル方式)のどちらかを収録しておかなくてはいけないという事情もあるため、あまり普及はしていないのが現状です。ところが最近、dts対応のプレーヤとアンプが比較的安価となり、製品が増えてきたこともあり、日本国内でも製品が販売され始めてきているようです。ですが、あくまでまだ一般には普及していない技術だということを知っておいたほうが良いでしょう。

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