シイ十勝川遡行(夏合宿)

  
ルート新得駅−(バス)−二股−湯の滝温泉沢−ニゴリ沢コースから十勝岳往復−シイ十勝川標高800m位−停滞−シイ十勝川三股往復−十勝岳往復−三股上ホロ−十勝岳−望岳台−(バス)−白金温泉
日付1967年(昭和42年)7月21〜27日
同行者L.M、後輩2人
感想下方に記録を記載



湯の滝温泉の沢湯の滝温泉
ニゴリ沢コースからの十勝岳ニゴリ沢コースの滝と雪渓
シイ十勝川本流の沢歩きシイ十勝川本流の雪渓
シイ十勝川本流の雪渓同左
シイ十勝川本流三股のテント地十勝岳頂上

「道標」記録から
7月21日
 06:15 新得駅発 拓殖バス
 06:35 屈足着
 10:10 二股 あけぼの橋を渡り、トムラウシ温泉へ至る道路に別れをつげて森林軌道跡の林道を歩く
 12:05 湯の滝温泉の沢とシイ十勝川との出合の飯場 途中からライトバンに便乗した。ここより滝と温泉までは広い道路がついている。しかし我々は沢の中を行ってみることにするする。水量はひざ程あり、滑床もあって感じがよいが流木が多く歩きづらい。滝の手前にテントを張ることとし、滝とその上を偵察。滝の位置はシイ十勝川支流で、ホロカ十勝川より1本上流の沢で西から東に流れている沢の高度700米のあたりである。滝そのものは新聞に出ていた程ものすごいものではない。滝は左岸を登ることが出来る。温泉は滝の下と上にあり、滝の上のものは小さく、下のは人が入れるように板で囲んであるが、非常に小さいもので2人がやっと。温度はともに低くC38度。
7月22日 11時間行動
 07:00 出発 飯場からニゴリ沢まではシイ十勝川の右岸に道路あり。ニゴリ沢との出合の手前に左岸に渡る橋があるが注意しないと見逃しやすい。
 07:30 ニゴリ沢 登山道はニゴリ沢の左岸についているが右岸に渡り、また左岸に渡っている。ここら辺までは広い道であるが700米の分岐の手前から広い道から分かれた細い山道がついている。あとは地図に歩道の印と同じである。沢から離れるとはじめは笹であるがじきにハイ松となり日本庭園のよう。高度970米の二股に沿っている。その沢の1050米あたりには12〜3mの滝があり、滝の下には雪渓が300m程ついている。
 13:30 十勝岳頂上
 16:05 ニゴリ沢に下る
 17:30 ニゴリ沢・十勝川の出合
 17:50 テント地
7月23日 6時間行動
 09:10 出発 シイ十勝川840米の二股をめざす。シイ十勝川までは右岸から左岸へ、また右岸へというように踏分け道と赤テープが我々を案内してくれる。
 10:25 シイ十勝川との出合 全く"いやらしい"沢である。
 11:50 目的の二股(と思ったが違った) 結局中洲であった。
 15:30 テント地 沢が西に折れ曲がる手前で高度800米あたり。
7月24日 停滞

7月25日 10時間行動
 05:20 出発 日帰り偵察
 08:40 地図上シイ十勝川の「シ」の字のあたり。三つの雨裂の沢の中で北から入っている短い沢は滝となって本流に入り込んでいる。高度1300米のあたりより沢に沿ってずっと雪渓がついている。斜度こそゆるいがまるで北アルプスの雪渓のようだ。図A点。
 10:45 十勝岳の南で上ホロの東にある三股 これで十勝川は詰めることが出来るという見通しがついた。図B点。
 15:40 テント地
7月26日 9時間行動
 07:00 出発
 12:00 B地点 テント設営
 13:30 十勝ピークを目指し空身で出発 十勝岳の東南の沢を登る。三股から北へ向かって登っている間は石がゴロゴロして登りづらかったが北西へ折れ曲がるあたりには雪渓がついていた。その雪渓がなくなるといよいよ十勝の登りである。
 14:10 十勝岳頂上
 15:00 頂上発 上ホロに向かう稜線を下る。火山岩のゴロゴロした急な下りを下りきったあたりからシイ十勝川に下る。
 15:50 テント地
7月27日 2.5時間行動
 08:40 下山のため出発 白金温泉に下る予定であったが上ホロまでいってそれから十勝まで稜線をいくことにする。
 09:10 上ホロの北稜線 小雨
 09:45 十勝岳ピーク
 11:15 望岳台着 バスで白金温泉へ
反省=
 十勝川本流については河原もなく、水も冷たく石もすべりやすく、記録中にあるように「いやらしい沢」かもしれないが、生命の危険を感じさせるような個所は全くない。下部は面白くないが上部の長大な雪渓はこの季節としては北海道唯一でないか。技術的には全く問題はないから、1年目でも充分に行ける。尚渡渉は何回となくしたが全てザイルレスで行った。
 「ニゴリ沢から十勝岳」のコースは一原有徳著「北海道の山」に「シイ十勝川より十勝岳」として紹介されていた。勉強不足でした。「ニゴリ沢から十勝岳」のコースも気持ちの良い所だし、途中良いテントサイトもあるので続いて試みられたし。
 今後も沢のヴァリエイションが行われると思うが、たとえ沢だけをつめるのは合宿として日数の短いという場合もあろうがあまり欲張らず、丹念に徹底的に、沢なら沢だけでもよいから行って欲しい。(M記) 

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