バリ島まったり編◆ウブドふらふら歩き



2001年9月25日(火) 福岡〜バリ島

自然豊かな赤道直下の島、バリへと向かう機内はふんわりと花の香りが 漂っている。いそいそと乗り込んだきあはご機嫌・・・ん?くんかくんか。 なぜにキムチ臭が?気がつくと、隣に座ってる在日韓国人の方が、 ビニールからキムチを取り出して食ってます食ってます食いやがってます
「遠慮せんで食べんね!」というお言葉を、爽やかな笑顔で丁重に断り、 せまいシートにぐいっと沈む。 キムチのかほりに包まれながら、目をつぶって心を必死に南の島へと飛ばす。気分は 虚無僧。

さてこの旅。昨年のインド旅を終えてすぐに、かおちゃんと話し合い続けてきただけ に 用意も万端である。すでに予約済みのをピックアップすると。
*かお&のっち初日のお宿(クタのロスメン)
*ゆみさんなどとの連絡用携帯電話レンタル
*きあ、空港〜ウブド送迎(到着後すぐにお目当てのダンスを見に)
*ジェゴクツアー(ウブドからヌガラまで送迎&食事込み)
*貴婦人ホテル予約

まずは貴婦人ホテル。これはネット上で散々さがし、これだ!と いうホテルに目をつけ、さらにそこを安く扱う代理店に頼んで予約済み。見たいダンスの スケジュールの把握もバッチリだ。 昨日から1日はやく成田からバリ入りしているかおちゃんとのっちの最初のお宿もN ET予約。さらに、きあとの合流やさらにゆみさんとの連絡につかうために、なんとまあ 携帯電話まで借りたという念の入れよう。みんなの話し合いをスムーズにするために、 バリ専用掲示板をつくり、予約や手配の分担を3人で話し合ったりもした。

来訪3度目、しかも以前2ケ月間ウブドに滞在していたこともあるというかおちゃんの、 バリへの思いがいかに深いか、まさにこの旅の準備からすでに思い知らされてはいたが、 とにかく用意周到、情報ガンガン収集状態で、あたしは本当になんにもせずに、かお ちゃんの尻をよちよちついていった感じだ。実は明日26日は、バリに210日ごとに訪れるガルンガン。まあ日本で言うお盆と いったもので、10日後にはクニンガンというお祭りで先祖を送りだす。つまり、 26日は店もしまるわ、ダンスのスケジュールもかわるかもしれないわでいいタイミング なんだか悪いんだかわけのわからないまま、あたしはバリに向かう事になっている。 しかもデンパサール到着予定17:30。その夜19:30からウブドで行われる スマララティというめっちゃ素晴らしいというレゴンダンスを3人で見たいと いうことで、空港からウブド直行なのだ。そのために、わざわざ空港からウブドまで の有料送迎もリザーブしている。
・・・ここまで書いて、我ながらすごいチカラをこめたスケジュールのやりくりだと 思う。まあつまりそれだけ何ごとも万端にして余計なことに気を煩わたくないという のが今回の旅の希望だ。とにかくマッタリ、とにかく楽しく、とにかく優雅にやっちゃいたい。 そのためなら面倒な手配やスケジュール組みなんか屁のカッパである。旅は、 行く前の準備だって楽しいものだ。

グリーンフィールド
かおちゃん&のっちひとめ惚れのお宿、グリーンフィールド

無事墜落せずに(?)空港に到着したきあさん。日本人と日本語の渦巻く空港をさっ さと後にし、まずは予約していたドライバーさんを探し、すぐにウブドのクトゥ寺院 へ向かう事にする。きさくなドライバーのお名前は仮名として二郎 とでもしておこう。(バリ人の名付け方が大体分かる人はなぜ二郎かすぐにわかるね)。 さて、二郎は気さくとはいえ、こちらから話し掛けない限りは話そうとしない。好感高し。 ジゴロ度、(たぶん)低し。なんつーか若いのにマジメでいい息子さんですね、とおばちゃん気分になりそうな若者だ。 たぶん、所属しているツアー会社のボス(日本の旅行代理店)の教育がめちゃめちゃしっかり しているんだろう、馴れ馴れしくないし、客の前でタバコも吸わない。やるじゃん、と思いつつ あたしは助手席でスッパスパたばこを吸いまくる。

二郎は日本語勉強中らしく、おおまかな日本語はわかるがたまにちんぷんかんぷんに。 とりあえずコミュニケーションをとろうと、ネタ的に自然に明日のガルンガンの話になる。
「明日はガルンガンですね、二郎さんの仕事は休みですか?」
「シゴト休ミデス。ワタシ朝カラ オ寺ニ 行ッタリ トテモ へぴー デス」
「へ、へぴ〜?HEPI-てなに?蛇?」
「へぴーデス ヘピー」
「・・・あ、ヘ、ヘヴィーね!?HEAVY?忙しいんだね!」
「ソウデース(爽やかな笑顔)」

バリ人はバビブベボ系破裂音が苦手なのだろうか? こんなウンコな会話をかわしながら、とてもきれいな道を一路北へ、ウブドへむかう。 四国より全然小さい島なのに、ものすごいなにもかもが整備されてるしきれい。 まだ都会だからだろうけど、さすがインドネシア一の観光地。さてどんなとこか あたくしがじっくり見てしんぜよう、と生意気気分でバリの夜風を浴びる。

二郎のソツのない運転によって、19時にはお目当てのクトゥ寺院へとうちゃーく。 思ったより全然近い。とりあえず二郎の携帯電話からかおちゃんが借りている 携帯電話へ電話すると、あたしの早い到着に二人は驚いていた。
「わーひさしぶりー、のっち髪きったの?」
「元気そうねー」
かおちゃんとは6月の成田空港以来、のっちとは昨年の夏以来の再会に浮かれ気分の きあだが、スマララティの踊りはすぐに始まるのでとりあえず大人しく椅子に座る。
空港からレゴンダンス直行。なかなか貴婦人とはいかないがこれも短い旅路に いかに効率良くダンスを見るか、検討した結果だ。周りを見渡すと、客の8割は日本人。ひやー、やっぱすごいな、バリの人気って。

スマララティ仮面舞踊
人気舞踊団「スマララティ」の仮面の踊り

噂にきいていた「アノム氏」のバリス(戦士の踊り)はまじですさまじく、 黒目がおたまじゃくしのように動く(褒め言葉)。人間じゃない。あいつはアシモだ! うっとりしながらダンスを見終え、待っててもらうよう頼んだ二郎の車でふたりが チェックインしたお宿、プラマ社のバスターミナルに程近い、静かな宿 グリーンフィールドへ向かう。

さてここからが本番だ。実は空港からの道すがら、ガルンガンの話が弾んでいた時の こと。
「ガルンガンかー興味あるなー」
「明日ハ、ドンナ プログラム デスカ?」
「私?いや何も(旅行代理店には)頼んでいないよ〜明日もあさってもずっとフリーなのです」
「ガルンガン行キマスカ?」
「え!でもクバヤ(正装)とか持ってないんです」
「ダイジョブー。私、女ノ キョウダイ イマス。オネエサン、クバヤ着セル」
「へーおもしろそうだね。じゃマイフレンドと相談するね」
という話になったんだよと、かおちゃんとのっちに伝えたところ、かおちゃんは大喜 びで 「それだよ、きあ。そういう出会いを待っていたんだよ。それ行こう」 てなもんでアッサリ。バリ初体験のあたしにしては 「えーっ、そんなにすぐ信用していいものなの?」なんて思ったのだが、かおちゃん いわく 「バリではそういう偶然の出会いが当たり前」だとかで、かおちゃんも以前の滞在時 には いろんな出会いを利用してあちこち行ったり祭りに参加したそうだ。

「じゃ二郎さん、明日ガルンガンいきますー」
「ワカリマシタ、私アシタ、朝ハヤイ。キュージ 迎エニ 行クマス」
「キュージ?あ、9時ね。分かりました、待つます」
と、なぜか片言の日本語で返事をし、明日の約束をかわす。へーこんな感じなんだバ リ人って面白いなー。

スマララティ
目を閉じてガムランだけを聴くと・・・とろける

グリーンフィールドはさっぱりした感じのバンガローで部屋は二階。 シャトルバスでこの宿の前を通った時とても良さそうだったので、という理由でふた りが決めた宿。昼はたんぼが広がってそりゃ眺めもいいらしい。 しかし、なぜ。なぜベッドが1つしかないんですか?ホワイ。
「きあよろこんで。川の字で寝ようね。しかもきあは落ちないようにまん中だよ!」 と嬉しいんだか嬉しくないんだか分からない理由で、キングサイズベッドに3人並ぶ。 狭いよ・・・。ああ、左にはなぜかフリルタップリ豪華な花柄のサンドレスを着たのっち、右には自 分ですそあげした貧乏くさいベージュのスリップをきたかおちゃん。女どもの体温がむーん。 とまあ、そんなこんないいつつ、久々の再会の夜はそのままガッツリとふけゆく。 あたしらの体温は、バリの熱気とこれからのワクワク感にやられて2度くらい高くな ってたに違いない。


本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 みんなの共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり3人分の金額

■タクシー(自宅〜福岡空港) 1470円
■送迎(空港〜ウブド・クトゥ寺院〜宿) 3000円
 ←※日本の代理店に頼んでるので高め
◆晩飯 43,000RP



2001年9月26日(水) ウブド

昨夜遅くまでオンナ三人カシマシNIGHTを繰り広げていて、へろっへろな朝。ぼんやりした アタマに誰かの話し声が聞こえてくる。ウルセエ〜〜ん?・・・よく聞くと、かおちゃんがレンタル携帯電話で誰かと 話している。だれよ、こんな朝っぱちに。
「ハイ、ハイ、ワ・カ・リ・マ・シ・タ。シ・チ・ジ・サン・ジュッ・プン・デスネ?」
あまりのカツゼツのいい日本語を話すかおちゃんがおかしくてゲラゲラ笑いながら起きる。
「だって二郎、日本語ヘタクソだからさー。ナナジて言われたけどちゃんとシチジって 言い直してあげたんだよう」

雨のガルンガン
雨降るガルンガンの朝。窓の外がぼんやり。夢みたい

そうか、今日はガルンガン。バリのお盆ですね、昨日二郎に地元の祭に連れてってもらうと 約束してたね。しかし7時半にお迎えとは早いな〜現在6時半。みんなあわてて支度などをする。 ガルンガンなど祭などの儀式の前にはマンデイ(水浴び)するのが礼儀なのだ。 そのときフッと窓の外をみた。キャーーー!!!ステキ!!!! いつのまにか降っている雨、その雨にけむる鮮やかな緑いろのライステラス・・・・ 夢のような光景だ。この部屋のテラス側は全面ガラス戸なので、外の風景が一望できる。 そうか、昨夜は暗くて全然わからなかったけど、こんなに素敵な部屋だったのか・・・このバンガローを 見つけてくれたふたりにちょびっと感謝した。

さて軽くバリコピなどすすりつつ、レセプション前で待ってると二郎登場。おっ!正装してる〜 民族衣装フェチな私は鼻息も荒い。
そこでかおちゃんが「きあ、『ガンタン』て言ってみな」というもので 迷わず「二郎さーんガンタ〜ン」というと、むちゃくちゃ照れてやがる。 ガンタン=かっこいい、らしい。バリで最初に覚えた言葉がガンタンなんて、私ってプレイガール気取り?

ベンジョール
祭に飾られる笹、ベンジョール。こんな光景はガルンガン時期のみ

ウブドから車で20分くらいの全然わけわかんないふつうの村に到着。ここどこっすか。 ここが二郎のすんでいる場所らしく、いってみればそりゃもう現地のコドモからジジイまで みんな民族衣装を着て、女性たちはアタマに供物をのせてしゃなりしゃなりと歩いている。 ちいさな路地にはビッシリとベンジョール(竹でつくった飾り。七夕の笹みたいなかんじ)が 立ちならんで、賑やかさを演出している。 キャキャキャすごいね、いいんじゃないのこれ。イヤッホウ。 二郎の姉、一美(仮名)の手により、さっそくクバヤを着付けていただく。 一美、シャイで英語もあんまりしゃべれないかわいいお姉ちゃんだ。

ここでクバヤの説明をしておこう。クバヤはレースのすけすけ長袖上着。 この下にブラジャーなどはめるのだが、チカラいっぱい透けまくる。なので、かおちゃんの アドバイスで「茶色のキャミソールを持参するといい」と 聞いていたのだが、これが大正解。貸してもらったクバヤはもう憎いぜ☆スケスケて 感じでそりゃもう見えまくりだ。わたしは下着なんか、いくらでも見えてもいいがそこからはみでる にくにくしい肉は、バリの皆さまにみせたくない。茶キャミの上にすけすけクバヤを着て、下にサロン。 このサロンの長さも微妙で、すこしでも短いと「おしゃれじゃない」らしく、何度か一美が巻き直してた。 そしてコルセットをまいてウエストを引き締め、帯を締めてもらって完成だ。 わたしのおばさん体型はどうでもいいが、スタイルのよろしいのっちやかおちゃんはとても似合ってる。 かーわーいーいー。

お供え物
正装をしてお供え物を頭に。左のっち。赤サロンはかおちゃん

さあ、一美の案内で、この村にある5ヶ所ほどの寺院を巡ることになる。朝から降っていた雨も すっかりあがっていて、すでに陽射しが眩しい。しかし、この村のひとたち 油断もスキもありすぎる。微笑み過ぎだ!筋肉がすでに微笑みモードで かたまってるんだろう!と、詰め寄りたくなるくらいニコニコだ。腹黒い私は その微笑みに圧倒されまくり。すこしは節度をもって微笑んでほしい。見知らぬガイコクジンが 慣れぬ足つきでヨボヨボと寺院の割れ門を抜け、みんなとおなじように地面に座る。 まわりの村人どもは、「ほらほらここ座りなさいな」「眩しいね、日陰に移ろう」 「このお花使いなさい」「この作法はこうして・・・」と世話をやきっぱなしだ。 世話をやかれっぱなしのアタシは、「こいつら、ただものじゃない」と ウットリしながら、坊さん(?)に聖水などをいただく作法を教えてもらう。
やばい、もうウットリモード暴走中。親切に弱い私。

正装する子ども
女の子もクバヤ着てる。なついてくれて相当カワイイ。

正装する子ども
男の子の正装。さらいたいほどに凛々しくカワイイ。

最初はその作法を真似るだけで精一杯だった私やのっちも、徐々に余裕が出始める。
「なんか思わず世界平和とか祈ってしまったよ。エヘ★」
「あーあたしも〜」

そんなのんびり巡業(?)も昼前には無事終わり、着替えてご飯を食べにいく。 しかし、さすがガルンガン。二郎おすすめの店はことごとくクローズ。 二郎は申し訳なさそうに、ギャニャールのショッピングモールの店先に連れていってくれ バクショー(肉団子入りスープ)をおごってくれた。 それからはそのショッピングモールで買物をしたり、二郎の親戚宅でのんびりしたりと 午後の暑い陽射しを避ける。二郎はどうしても、夕方、ちかくの海に連れていきたいらしい。 なんでだろ?なんでかな?と思っていたが、このガルンガンの祭のあと、夕方から みんな海に集るらしい。というか二郎の日本語理解力が不明なので、私たちの質問に ちゃんと答えてくれたかどうかわからない(ゆっときますけど、英語は全然できないらしいんで)。 とりあえず、海、みとくかってなかんじで16時半ごろビーチへ繰り出す。

祭の後に海へ
黒い砂浜に延々と人。凧上げしてたりサテ屋台が出たり。

あ、たしかにすごいや。なんでこんなに人がいるの???子どもから青年からおっさんまで 老若男女、海辺でなんか食べたり遊んだり話したりしてる。この、海にくるというのは なんか意味があるんだろうかと思っていたら、思いっきり意味があるらしい。葬式後やこんな 儀式後などはみんなかならず海に来るらしい。しかしアリのようにうじゃうじゃ人がやってくる 様子はかなり恐い。 私たちもさっそくアーティスト魂?を生かして、砂浜でステキな作品を作る。もちろん 二郎も強制参加させる。みんなでゲラゲラわらいながら作り上げたのが以下の作品。

ゲージツ家
無心でゲージツを作り上げるバカども(二郎含む)。※撮影:のっち

とにかく今日は濃い。ざっと流して書いてるけど、こうじゃないと表現できませぬ。 結局19時前にホテルに戻ってもらい、今日の祭に誘ってくれた二郎に感謝を伝える。 二郎も自分で「トモダチーダイジョブー」と言ってたことだし 当り前のようにお金は払わないし、向こうも請求してこない。とりあえず、かお&のっちが 持参していた麿Tシャツを 渡して笑顔で別れる。二郎はTシャツがとても嬉しかったようで、ウキウキしながら 帰っていった。二郎〜〜もっと勉強して、ガンバレヨー。ガイドを目指せよ〜。
もしこれ、ガルンガンツアーとかだったらいくらかかるのかなあ? 車代、ガイド代、衣裳代、昼飯代、海辺で食べたサテの代金(うまかったなあ)全部おごって もらったけど、昨夜、今後のためにも・・・と心づけで5$渡していたのでそれで 二郎の懐がまかなえているといいな、と願うきあさん。

さて、もどってまたもやひとつのベッドに三人でぎゅうぎゅうと横たわり、明日からの 計画などを練る。ま、そうはいっても、明日もヌガラのジェゴクを 見にいくツアーがきまってるんですけどね。そんときに、自分の地球の歩き方を見ていたら どうもかおちゃんと話が合わない。
「・・・きあ、一体どこの歩き方持って来たの?」
「インドネシアとバリ島にきまってるじゃないの」
「ぎゃはは。なんでバリ島しかこないのに、バリの歩き方買わないの?」
「ええっ!(ガーン!!)バ、バリの歩き方ってあるの・・・?」
「あるよ。あたしのバリの歩き方だもん」
(目の前につきつけられる)
実は、私のは2000〜2001版バリとインドネシアの歩き方だった。 買った後に、〜2002版が出たことを知っていて「くそー!型落ちだ!」とは おもっていたのだが、よもや、バリ島だけの歩き方があっただなんて・・・・。 それからやけくそになったきあは「あ゙〜も〜こんな役立たずなガイド本いらん!」と かばんの奥深くに放り込み、それから帰国までその本を開くことはなかったのでした。
アメリカにいったときも同じことをやってもた私。「サンフランシスコの歩き方」があるのを 知らずに「西海岸の歩き方」を買っちゃったバカ。こういう所でヌケてるのが私の かわいいところ(かわいいって言え)。くそ〜〜〜もう絶対ガイドブックなんか買わない。 絶対図書館で借りて済ましてやる、と心に固く誓った夜でした。

海へレッツゴウ
砂浜で遊んだ後に帰る子ども達。笑顔も定員オーバー



本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 みんなの共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり3人分の金額

■おみやげ(レターセット) 10,000RP
■ボディパウダー 27,000RP
◆夕飯 204,000RP



2001年9月27日(木) ウブド〜ヌガラ〜ウブド

この日のきあの日記メモを読むと「9時起床。みんなでまたバカ笑い話などをしてメシを食う」 と、毒にも薬にもならないようなしょうもない表現をしている。・・・浮かれてたんだなアタシ。 ちょっと自分にせっかんをしたい気持ちだが、ぐっとこらえることにしよう。おかげでなに話したんだかさっぱり 覚えていないけれども、とりあえずかおちゃんのポケットに入ってる「100円ショップ時計」が みーっと鳴りながら9時をお知らせしている。毎時間毎時間、律義に 時を告げるこのアラーム。私たちはちょっとしたアダ名をつけていたのだが、ここでは語れない(なんだそりゃ)。

ま、そんなこんなで今朝は晴れている。おー気持ちいいね〜〜。朝ご飯はバリコピ(バリのコーヒー)、 フルーツの盛り合わせ、蜂蜜たっぷりのバナナパンケーキ。朝からたっぷり胃袋につめて これからのスケジュール調整に余念がない。
今日は16時に集合し、バリ島西部のヌガラ地方で行われるジェゴクという 演奏を見に行くツアーを予約している。ジェゴクを一言でいうとでっかい竹ガムランの演奏ということになる。 このジェゴクツアーはかなりの人気らしく、バリの話をすると かならずいろんな人が「ジェゴク見たかったけど時間がなくて」「アコガレのジェゴク が見に行けてよかったわー」と言っている。ほうほうそげんヨカとですか、というわけで やはりかおちゃんも、バリ旅計画を練るときにコレは見逃せないとイチオシしていたので みんな揃って見に行こうと言うことになっていた。しかもなぜかお揃いのバリ旅専用 麿Tシャツを着込んでだ。ハタからみるとちょっと危ない3人?

ガルンガン風物詩。子どもバロン
子ども達とバロンが練り歩く。まさに正月の獅子舞風


集合時間まで時間的にも中途ハンパ。とりあえず昼前にホテルを出て、お宿近辺を散策する。 私たちの宿泊しているグリーンフィールドは、プラマ社バスターミナルのナナメ前あたり。 どちらかというとウブドの繁華街の南はずれ近くなので、歩いてメインストリートを行くには ちょっと遠い。モンキーフォレスト手前からジャランハヌマンの南側あたりをのっちとブラブラ 散歩しながら、おされなイカット(バリの織物)や竹細工、藤製品などを見てひやかすのみ。

かおちゃん、実はこの旅にはもう一つ目的があって、バリのストリートチルドレン達に 寄付する不要衣料などをスーツケース一杯に持ちこんでいた。それを現地で活動する日本人女性に お届けするために、インターネットで連絡をとったり、携帯電話で連絡をとったりと それなりにバタバタと忙しくしており、そのために、きあとのっちの蜜な時間が多いというわけ。 フフ・・・明日、貴婦人ホテルではもっと蜜な時間をのっちと・・・。

さて。そんなかおちゃんと合流し、ジェゴクツアーの集合場所へ。
立派な観光バスに日本人の個人旅行者のみなさんがそれぞれにのりこんで出発。 このツアーを率いるガイドは、なんだかカエルのように脅える周富徳と いった風情のオジサンだ。
「ハイ、料金オネガイシマス。エ?35$モウ払った?モラッテマセーン ・・・スミマセーンジョウダンデース」と、なんだか別に笑いをゼンゼンとれない 冗談(冗談のつもりなのか?)を、申し訳なさそうにいうくせがある。 もう少し堂々と言ってくれればクスッと笑ってあげてもいいのに・・・。

大混雑
祭のタマンアユン前道路。珍走族かお前らは。


ヌガラへはおよそ3時間の道のり。遠いわ〜遠い。
しかもさすがガルンガン休みの真っ只中。有名な寺、タマンアユンの前なんか 通った日には大渋滞で抜けれないほどの混雑。でもお祭りムードっていいよね。 そうこうするうちに美しいインド洋を左に見ながら、延々とバスは西へ。 沈む夕陽も美しい。

19時に到着し、それぞれ座るとすぐにスウエントラ氏が主催するジェゴクの始まりだ!
しかし、あたしはこのヌガラでまず素足でタバコを踏んづけるという 洗礼にあう。ウッギゃー!痛い!こんなとこにタバコほうってんじゃねえよスットコドッコイ! と言ってもあとのフェスティバル。ジェゴクの恐ろしいまでの幽玄な演奏を半分聞きながら、 半分は痛い痛いと苦しむハメに。
このヌガラのジェゴクは、そのジェゴクの下に入りこんで体全体で演奏が聞けるということで 演奏中も、遠慮なくみんな楽器の下にもぐりこんで目を閉じて演奏に聞き入る。 たいまつの灯りと、大きな月、屋外でのびやかに演奏されるジェゴクの響きは、確かに みんなが絶賛するだけはある。
しかし・・・このヤケドのあと、災難は続く。道中、問題なく撮影できていたあたしの愛用の 一眼レフ「ペンタちゃん」がうんともすんとも言わなくなった。
「うぎゃあ!カメラが壊れた!」
「えーさっきまで撮れてたんでしょ?」
「電池じゃないの?」
「うう・・・この場所は、あたしを嫌っているのかもしれないよ」

と半ベソなあたし。しょうがないので、サブカメラであるlomoで撮影することに。 lomoは暗い場所に強いのでまあ、目測さえ間違えなければイイカンジに撮れる だろうとおもっていたのだが、実はこれも後日とんでもないことになる。

インド洋
沈む夕陽を車窓ごしに。エエカンジや。


もう半分あきらめておとなしく演奏に聞き入ることにしたきあ。腹の底にずんずん響いて いやーこれはキモチイイ。あたまの中で演奏されてるような不思議なトランス感におそわれ、 さあ、これからもっと入りこむぞ〜〜・・・と言うときになっていきなり、スエントラ氏、 ペラペラの日本語で私らを立たせる。
それからはもうジゴクだ。竹のへんな楽器を人数分まわして自分たちでいわれるまま演奏 させられたり、ステップふまされたり、実際ジェゴク演奏をさせられたり、しまいには みんなで輪になって躍らされる始末。これが、なんとジェゴクツアーの時間の半分を 占めているのだ。 もちろん、こういうことが楽しい人もいるだろう。でもこんな昔のユースホステル風とか キャンプファイヤーで肩組んで青春とかじゃあるまいし、なんでプロの素晴らしい 演奏を見にきたつもりなのに自分を含むシロウトのお遊びに時間を費やさねばならんのじゃ。 という、いかんともしがたいやるせなさでいっぱいだ。
例えて表現するならボーリングで同じチームの人がストライクを出したら、 いやがおうにも「イエーイ」といいつつハイタッチをしなければならないムードだ。わかって もらえるだろうか。 そういう気持ちになるのがイヤだったので、本気でその「みんなで輪になって踊ろう」という時には 会場の影に隠れていたのだが、見つかって引っ張り出されるし。心底疲れた。
ただし、ジェゴク演奏自体は素晴らしいものだったということはしっかり伝えておきたい。 演奏だけを聞かせてくれれば、それ以外の余興は必要ないとも関係者に伝えておきたい。

躍らされるのっち
前で踊らせられるのっち。靴下姿がミジメ。


かおちゃんものっちも同じ感想だったらしく、帰りのバスの中、3人で
「・・・演奏だけでよかったのに」
「うん・・・なんかガッカリしたね」
「スエントラさん、そういえば前に東京で公演したときも観客を舞台に引っ張り出してた」

などとぶつぶつ言い合う。まあ、演奏のすごさを堪能できたのは素直によかったと思う。

そして、壊れていたはずのペンタくん、この帰りのバスの中でいきなり復活する。 ぞぞぞ〜〜!やっぱりあたしはヌガラに呼ばれていなかったのかなあ!? ふたりとも「うん絶対カメラ直ると思ってた。そんな予感がした」とか 言うし〜。バンガローに到着したのは真夜中24時半。今日も長くて楽しい一日だったねー。 とにかくみんな、速攻泥のように寝た。寝まくった。なんたって明日は貴婦人ホテル。 おされに気取ってホテルステイを楽しまなくてはね。



本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 みんなの共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり3人分の金額

■絵葉書(10枚+おまけ1枚) 20,000RP
■切手(11枚)44,000RP
■アイス 700RP
■水 2,000RP
■チリ味カチャン(豆菓子) 4,000RP
◆昼飯 58,075RP
◆ジェゴクツアー代金(ひとり35$)105$


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