バリ島ふたたび編◆サヌールでだらだら



2002年9月24日(火) 福岡〜デンパサール  

「そういえば、去年も同じ時期にバリに行ったんだっけなあ」
しみじみしながら、機内でガルーダの毛布にくるまる。ガルーダの毛布は 静電気が起きず、その上大きくて、キリンのように長い(?)私の足まですっぽり隠れ、なおかついい香りがするので 大好き。そして今回、ゆみさんの別荘に持ち込むために1枚カバンにいれちゃいました!毎度ありっ!
雲からにょっきり突き出た神々しいアグン山の山頂を左に見ながら、1年ぶりのングラライ空港へ降り立った。

到着は成田からの飛行機とかぶり入国が大変混雑するため、もたもたしたくないきあは、浮かれハネムーナーたちを突き飛ばしながら(嘘) 早々にイミグレを通過。速攻に両替し、空港タクシーを拾って車内の人へ。目的地はサヌールだ。

精霊にお供え物
精霊を祀る人々。お供え物は犬やアリが食べちゃう

サヌールはバリで最も早く拓けたリゾート地と言われている。そして、どう説明してよいのかわからないが サヌールはバリ内で霊的に?なにかがある土地、らしいのだ。詳細はよくわからないのだが、これは方位学的観点から なのだろうか??いまは年配の欧米人たちの静かなリゾート地として愛されるサヌール。海からのぼる朝日 が見れるバリ島東部海岸を望めるということもあり、まずはココに行こうと決めていた。
それと同時に、サヌールには、ネット友人である配合さんから教えてもらった「ぽこにゃ★アジア」というお笑いテキスト系サイトを運営している 名瀬夫妻が住んでいるのもあり、せっかくだから会いましょう!という手はずになっているのだ。

ブルーバードタクシーの運転手からバリ語講座を受けながら、30分ほどでネット予約していたホテルに到着した。 いきなりレイを首にかけられ、気分はすっかりリゾートを楽しむマダム気取り。いつもの私なら 「な、なんですかこの花輪首飾りは!いりませんいりません!オカネモッテナイヨー!めっそうもない、私のような下々の人間に」(一部脚色)と言いたいところだが、二度目のバリ。こんなことじゃ驚かないさ(驚かないっつての、誰も)。
荷物をほどかず、そうそうに名瀬家に 「着きましたよ〜」の電話を入れてみる。名瀬夫妻の住む家は自転車で3分ほどの場所に 位置しているらしく、すぐいきますから待っててくださいね、と想像したより柔らかな声で返事が返ってきた。
「むむ、想像より紳士っぽい・・・」
どんな想像をしていたか、まあ名瀬さんのサイトをみればわかるかと思います(はあと)。

さて、19時過ぎ。颯爽と自転車にのってやってきたかわいらしい二人組み。ホントに「可愛らしい」という表現が似合う とてもお似合いのカップル、それが名瀬夫妻だった。名瀬さんはがっちりしたスポーツマンタイプの体格で しゃきっとした感じなのだが、目がくりんとしていてマンガにでてくる少年のようなのだ(名瀬さんいわく「のりしろのある顔」らしい)
奥さんのエリカさんはほんわか系で、しゃべり方もほわほわふわふわしている。そして顔立ちが、名瀬さんと 違う意味で少年っぽい。ショートカットだからというのも関係しているのか、なぜかジャニーズっぽいのだ。女子高にいたら女の子からモテまくりそうな顔だちなのだ。ああ!伝わるだろうかこの表現。

そんな少年夫妻と、はじめましての挨拶を軽く済ませ、さっそく夕飯を食べにいくことに。
変な刺身が食える日本料理屋か、おいしいピザが食えるイタ飯屋。どっちがいいですか?」
といわれ、変なものよりおいしいもの!18代目食いしん坊(自称)の私は、迷わずイタ飯屋を選択。つか、なぜ 着いた早々インドネシア料理ではないのか…まあ、それは置いておこう…
私の泊まるホテルはサヌール北部側にあるが、自転車を15分ほど漕いで 南部にあるQuiQuiというレストランへ行く。
道すがらサヌールのメインストリートを 見ながら走っていたが、ほんとにクタのような「オジョウサンどこいくの?」「トランスポート?」「タクシー?乗らない?ナンデー」みたいなやかましい現地人もぐっと少なく、すっきりしてすこし古い観光地という感じ。 居心地は良さそうだけど、旅人は飽きるかな?でも住むには落ち着いていて良さそう。そんな風情の町並みだった。

さて、少年夫妻(まだ言うか)は、インドネシア・ジャワ島のボゴール市という都市に3年間住んでいたというツワモノだ。 名瀬さんは日本から発注される仕事の他に、ボランティアで現地人に日本語を教えており、その日常生活の ネタを面白コントにしてweb上で発表している。エリカさんは、そんな名瀬さんについてインドネシアにやってきた。 自称「ひきこもり」とのことで、にこにこふわふわしながら
「インドネシア人なんか大嫌い〜。あはは〜。愛想笑いももうやだ〜。うふふ〜」

と、この天然風味な調子で毒をぶちかましてくれる。なんともオモロイ夫婦である。もちろんふたりともイネ語ベラベラ。
在住日本人以外としゃべることがそうない!と言うことで、張り切る名瀬さんは、初めて会う私にもガンガンと話題を 飛ばしてくれ、げらげら笑いながらその夜は更けていった。

木登りっ子
身軽な子供たち。ニッ!と微笑んでくれた

その後、また自転車で北部の海岸沿いの店へいき、波しぶきをザバザバ浴びながら(しかし平然とした顔で)、話に花が咲く。私は酒が飲めないので 名瀬さん的にはすこし物足りないようだが、名瀬さん、安心してほしい。酒を飲まずに高いテンションを 保つ人間たちがあなたを待っていることを・・・。
そう、この数日後、バリ島で繰り広げられるスナフキン生活海外オフ会「ドキッ!女だらけの アメッド合宿」に名瀬夫妻も参加予定なのだ。そしてハイテンションクイーン、ゆみさんの存在をこのふたりは まだ知らないのだ。ふっふっふふふふ。

私のホテルの部屋へ招き、お土産を渡したあとはまたダラダラとおしゃべり。よくもこんなにしゃべることあるよね。 今回の旅もとにかくしゃべってばかりで、正直書くことがあまりないかもしれない。すいません。そんなこんなで 1時ごろ、夫妻は「NAGASAKI」と意味不明なロゴのついたチャリンコにまたがってサヌールの闇に消えていった。寝不足も手伝って私はもうシャワーも浴びずに そのままベッドで爆睡。バリに到着してまだ7時間しか経っていないのに気がついたのは、夢の中だ。

本日の出費
■ホテル代(二泊分) 90$
■空港タクシー(空港〜サヌール) 55000RP
■夕飯 50000RP
■ドリンク(2杯) 18000RP



2002年9月25日(水)サヌール  

8時前にむっくり起き出す。寝不足かと思っていたが脳みそはかなりクリアな状態だ。
さて、ネット予約したこのホテル、全体的な雰囲気はあるのだが、今泊まっている部屋は まったく良くない。このまったくというのは 他の国では立派な部屋の部類に入るのだが、バリのおされ度を基準にすると、という意味。 (この部屋に比べたらモロッコやヨルダンやインドで利用した安宿は馬小屋のようなもの)

眺め皆無。日差しなし。玄関前のテラススペースにすわっても目の前の 隣のコテージが見えるのみ。しかし清潔だし調度品もしっかりしているし、なんら宿泊には不自由はないのだ、なのに良くないなんて我ながらなんて贅沢になったのだろう、このビッチめ!(自虐)
やはりバリのホテルは、自分で歩いて自分で見て探さないと絶対 100%満足のいくものには出会えない(中級の場合。超高級の場合は想像以上のものばかりだ)。 このホテルも、部屋の数だけ様々なタイプがあるようだが、遅く着いた私に選択権はなかった。 まあ、着いたその日の分だから仕方ない。二泊だけだしヨシとしよう。 しつこいようですが、バリ旅の楽しさは、ホテルの快適度にかなりの重量が置かれるのです。

ガゼボコテージホテル
ガゼボコテージホテルの中庭

今日は、一日中のんびりと「おとといまでの仕事の疲れを癒そうDAY」とし、出発前に予約して おいたエステティックへ行く。私はさっぱりバリのエステに詳しくないので テキトウに地元サヌールにあるサロンを選び、予約しておいた。10時には迎えが来るはずなので それまでシャワーを浴び、テラスでボケーッとして過ごす。どうせバリでの1時間や2時間なんて アッという間だ。そしてやはりアッ!という間に迎えはやってきた。
地図上ではすぐ近くと思っていたが、車で5分ほど走ったバイパス沿いにそのエステサロンはあった。 ブーゲンビリアの花、豪華なエントランス。おお…期待に胸ふくらむ。だって今回はマダムっぽく 一番お高いコースでいってちょうだい状態なのだもの。らんらん。

まずは着替えて紙パンツとバスローブ姿に。ロッカーに荷物を入れた後は、バスタブとシャワーと ベッドのある個室へ向かう。ここでまず普通にコリをほぐすマッサージだ。もうこれだけで、腰の 弱い私は「よかですな〜〜はふー」と夢心地。 あまりの気持ちよさに白目で半目になっていたらしく、コンタクトがはずれてあわてた。

実はこのとき、「ちょっとトイレ行きたいなァ」と思っていたのだが ちょっぴりガマンしていた。これがまずった。 40分くらいマッサージが続き、次にオイルマッサージ。これもまたなんとも心地よい。リンパを刺激されるので かなり痛めなのだが、香りがいいのでごまかされる。 このとき、私のお腹は白樺の森に暮らすコロボックルたちがちょっとしたパーティを開いている かのようなリズムを刻んでいた。 でもなあーオイルまみれでトイレいけるのかな…
「あのートイレ…」。そんな 私の言葉にエステシャンは「あら、じゃあどうぞどうぞ!ここで!」と 明るく指差したのがシャワー。
・・・え・・・。子どもじゃないんだからさあ(泣)しかもしたいのはうんこなんですよねえ(泣)さすがに生理的にどうしてもシャワーブースでは出るものもでず、また出したらやばいでしょう、と私の中の ビリーミリガンは理性的。結局しっこしたふりをしてまたベッドに戻るという なんともなさけない小芝居をして、お腹の中の森のパーティは続くのであった。

しかし!更なるピンチが私を襲う。 次に行われるのはルルール。バリエステならではのスパイスやヨーグルトを組み合わせたパックだ。 それって超ひんやり系なんですよね。ああ!お腹に塗らないで!ああ〜〜〜(意識が遠のく)。そんな風にひとりで声にならない悲鳴をあげたり、うぶな乙女のようにきゅっと体を固くして いたおかげでまったくくつろげなかったマッサージタイムであった。

フラワーバス
プリエステティックのフラワーバス

その後、ランチタイムあり、クリームバスあり、ペディキュアタイムありと、エステフルコースは続き ようやく終了したのはなんと16時。丸々6時間エステしていたら逆にとことん疲れまくる始末。 最後のほうはボーッとしていたので本当になにがなんだかわからなかったがとりあえず、美顔マッサージが 一番気持ちよくてよだれたらして寝ていたくらいだ。あー疲れた。二度とエステなんか来るもんか!(なぜそういう 感想になるんだか自分でもよくわからない)

ホテルに戻り、明日落ち合うゆみさんと二人で楽しもうとおもってる豪華ディナーの予約を電話でいれる。 ああ、なんだかんだいって忙しい私だわ〜(ウットリ)。そして今日の夜は、名瀬さん夫妻関係の友人の方々が 集まり、ジンバランのイカンバカル(海鮮屋台)に行く日ということで、「きあさんも一緒にどうですか?」と誘っていただいていたのだ。
こりゃもう渡りにフネ、船頭波平といったところだ。昨年行けなかったシーフード屋台に 今年、しかも大勢でいけるとなるといろんな種類がいっぱい食べられる!!!(なんとなく思考回路が山下清っぽい)
「お願いします!」と目を閉じて右手を水平に名瀬夫妻に差し出すと「こちらこそよろしく」と優しく手をとってくれた、そんな気分で 集合場所の名瀬家へ向かう。

名瀬家は大変落ち着いた場所にあり、かわいいオテツダイン(お手伝いさん)や犬っころもいて とても楽しい空間だった。庭にはふつ〜にマンゴーの木が。あーー…いーなー。私、どちらかというと 日常生活は完全都会型じゃないとダメなのだが (つまり、私やヒゲは年取って田舎に住みたいとか絶対思わないタイプ) こういう表情の庭を見てしまうとちょっとグラついてしまう。 若いうちならこういう場所に住んでみるのもいいかもね…

というわけで、おまけの私をいれて7名でお目当てのイカンバカルへ。
ジンバランのシーフード屋台は 近年特に有名になり、どんどん値段も跳ね上がっているらしいが、ほんの数年前は大変お得な金額で ロブスターやらが食べれていたらしい、とお仲間のみなさんは口々につぶやく。
そして店が決まり、食材の指定と値切りが始まった。名瀬さんのお知り合いの女性の だんなさんと私以外の5人がイネ語あやつり、という最強軍団がねぎるねぎる。
屋台のニイチャンも最初は「らりほ〜日本人イッパイ〜儲かっちゃう」とでも 気楽に思っていたのだろうが、みんなのイキオイに最後は半泣きだ。 名瀬さんなど、目を血ばしらせた上杉謙信のごとき勢いでエビをつかんでいる。お仲間のひとりは 勝手にエビをひょいひょいカゴにいれている。・・・おそろしい・・・そして・・・ステキだ。 この人たち、心強い味方だが、絶対敵にまわしたくない。私は心でそっとメモをした。 結局エビ2kg、とかkg単位でごっそり材料を指定して、テーブルについた。いったいどれだけの量の シーフードが食べられるのだろう!!!

料理人
ジンバランのイカンバカル(屋台)「DENA'S cafe」

初めての方々ばかりだが、それなりに話も弾む。みんながみんな色んな形でインドネシアに 愛着をもっていたり、もっていなかったり(←エリカさん)。そして大勢で食べるご飯は絶対においしいんだもん。 テーブルに並びに並ぶシーフード!!!「ぎゃ〜!」「うひゃは」「ぶひー」「あべし!」と言葉にならない言葉を発して、私は人間の三大欲求のひとつを満たすためにひたすら食いまくった。
「あ、そっちの魚いいですかぁ?」
「えび!えびとってください」
「名瀬さんこれ食わないの?じゃあたしもらうし」
「うおお!イモもうまっ!」
「これなに?カンクン?空芯菜か〜。辛うまっ!やめらんないね」
酒がすすむ人々をさておいて、とにかく食う。わたしはどこの国のストリートチルドレンですか?という勢いで エビの脳みそまで吸い尽くす。ちゅぱ。

食べに食べて、ようやく私の満腹中枢も落ち着いた。
星空の下、浜辺の上に並べられたテーブル。BGMは 波の音。遠くで流しのバンドマンが演奏している。近くにきたら結婚オメデトウソングを歌ってもらおうか! (そのお仲間の中に新婚旅行カップルがいたので)など、話は尽きない。穏やかな風景と満腹感に満たされた 私は、今もうこのままこの浜辺で寝転がってしまいたいほど満たされまくっていた。

ずらーり!
イカ、エビ、魚、魚、ロブスター。激ウマ


本日の出費
■エステ代 136$
■イカンバカル 91,000RP×7名
(全部の価格詳細:ロブスター210,000RP・貝70,000RP・イカ50,000RP・えび125,000RP・魚65,000RP・ビールおよびジュース数本)
■タクシー代 18000RP×3名



2002年9月26日(木)サヌール〜クタ  

昨夜は1時過ぎに寝たというのに、なんと5:45という鶏並みの時間に目覚めてしまった。 この日から帰国日まで、ほぼ6時台に起きだす健康的な生活リズムになるとは、誰が予測しえただろうか。 (とくに毎朝、私を起こす役であるヒゲなどは絶対信じてくれないはずだ。悪妻バンザイ)
しかし、これこそカミサマが与えてくれたチャンス。サヌールへは海から見える朝日を堪能するために やってきたのだ。バリのこの時期のサンライズは6:09(細かい)というのもすでに調査済み なので、カメラを用意して庭を抜け、浜辺のデッキチェアを独り占めする。すでにホテルの人たちは ちらほら働き出している。「スラマッパギー」と笑顔で挨拶。うーん気持ちいい。

サヌールの朝日
結局サヌールから見る朝日はレンボガン島から昇った

その後、気持ちよく朝食を…と思っていたらうっかり二度寝。気がついたら10時過ぎ。朝食の時間終わってしまいました…(世界の終わりかのような落ち込みよう)
結局のんびりだらだらすることにした。実は今日も名瀬家に招かれていて「本場の家庭料理を(オテツダインが)作りますから食べにこない?」と言われているのだ。うっひょ〜。もうこうなったら腹へらしまくっていくもんねーだ。

名瀬家は家の中に(使われていない)池がある。なんだかゴージャスだ。しかもベッドルームは4つ。ゴージャスだ。そしてお手伝いさんがいる。ゴージャスだ(しつこい)。しかし外国人が暮らす家はこういうスタイルが普通なのだろうか…。部屋の中にはおいしそうなにおいがたちこめている。がんばれオテツダイン。現在、バリに住んで4ヶ月の名瀬夫妻。オテツダインはどこで探したの?と聞くと、
「前に住んでたボゴールの家にいたお手伝いさんと同じだよ」
へ???じゃ、じゃあ引越しとともにお手伝いさんももれなく一緒に移動すか!?まるで平家一派じゃないですか、ひ〜。
「この子は最初なんにもできない子でねえ、料理は下手だったし・・・」
「ぎゃはは!じゃなんのお手伝いしてたの?」
「お手伝いさんのお手伝いしてたの。オテツダイン二号だね」
なんだそりゃっ、と、聞く話聞く話いちいち新鮮でおかしい。結局一号は突然妊娠してやめてしまったので(詳細は「ぽこにゃ★アジア」にてお読みあそばせ)、現在二号が家事を頑張っているそうで、料理の腕もずいぶんあがった、とエリカさんもニコニコ顔だ。さ〜できましたよ。きゃっ、おいしそう。いただきます(やはりガツガツいただく私)

名瀬さんちのゴハン
サフランライス、おいちいスープなど。
人が来たときなどに振舞われるお料理だそうです


結局、一番日差しのあつい日中に出て行く気にもならず、食後の数時間を名瀬家でのおしゃべりに 費やす。名瀬さんは恐ろしく面倒見がよく、エリカさんは恐ろしく気がいい。なんなんだこの夫婦はっ! 初対面の得体の知れない私(?)に、さりげない気配りでもてなしてくれるその心が大変嬉しい。今日は夕方、クタの レギャンプラザ近くのロスメン(安宿)で、ゆみさんと待ち合わせているので 名瀬夫妻とは一時お別れ。仕事の様子をみて、アメッド合宿に参加するかも、と爽やか笑顔で 私をブルーバードタクシーに乗せて見送ってくれた。ちゃんと運転手に、場所の説明までして 見送ってくれる。いたれりつくせりだ。しんみり。ありがとう、少年どもよ!(世話になってこの言い草)

16時頃、にぎやかなジャランレギャンへ到着。目指すは、レギャンプラザ横の激細路地を 行ったところにあるロスメンだ。
私は、夜遊びもしない、酒ものまない、ディスコも行かない、サーフィンもしない。私がクタにいる意味はまずない。 そんな私がクタに泊まるのは次の日が移動の場合のみ。そう、明日、バリ西部国立公園の果てにある ワカショレアという貴婦人ヴィラにいく4名がここに集合するのだ。
その二名が私とゆみさん、というわけ。 さて、そのロスメンについた瞬間、ゆみさんの笑顔とご対面。
「きゃーゆみさん久しぶり!なんでついた瞬間目が合うのよっ」
「だって、絶対このくらいの時間に、きあがブルーバードタクシーでやってくるはずって、思っててん!」

あいかわらずゆみさんは元気いっぱいのパワフルねえちゃんだ。早速部屋であれこれ話をしたり、みんなとの連絡用に 携帯電話を借りたりと大忙し。そして今夜は二人でちょっとリッチな夕食をしにいくんだもん。おしゃれしなくっちゃね〜♪と、お互いパンプスやスカートなどTPOにあう服も持ち込んでいるのだ。きゃっきゃっ。

ふたりでタクシーに乗り込み、一路ジンバランにあるバランガンへ向かう。ここはスパ&ホテルが併設されているレストランで、その雄大な眺めが人気だ。クタ内で感じのいいレストランを知らない私は、勝手にここにしたいとゆみさんにおねだりをしてOKをもらい、昨日予約を入れていたのだ。うーんいい感じ!すごいキレイだねっ。リザーブシートはリクエスト通り一番眺めのいい席だ。


バランガンの夕陽
バランガンからの眺めは本当にすごい
(斜めに見えるがプールを見ればわかるように水平です)


ゆみさんとは、久しぶりの話に花が咲く。ずっとしゃべっていても飽きないのだからかなーり不思議だ。出てくる料理も品があってうまい。でも付け合せの野菜とポテトが全部一緒なのがご愛嬌。私はラムを。ゆみさんはビーフをいただく。ちょっとしたカクテルも一緒に…。このハイテンションコンビ、実はふたりとも下戸である
夕陽が沈み、闇が満ち、星がきらめいて、テーブルのキャンドルがゆらゆら輝く。薄暮の刹那的な時間を優雅に過ごす。なんたる贅沢。
満ち足りた気持ちを胸に、またタクシーでロスメンへ。このタクシーはかぼちゃの馬車。私たちはまるで魔法が切れたシンデレラのようだ。なんて、ちょっと気取りっ子か?でもこのロスメンは清潔で庭も広く、私としては結構満足しているのだが。

宿に戻ると、宿のニイチャンが突然「トモダチ、キタヨー」と話しかける。えっ?もう1人の 貴婦人メンバーめぐねこが今夜21時過ぎにデンパサールに到着するはずなのだが、いまはまだ 21時。そんな、早すぎないか???でもニイチャンはさらに言う。
「トモダチ、部屋ニ、イルヨー」
「え?カギはどうしたの??」
「カギー、エ〜、ア〜、私、モッテル。
ニセモノカギ
「ぷっ!(笑いをこらえて)ニ、ニセモノ…スペアキーのこと…よね?」
「ソウソウ」
そんな山下清っぽい会話を交わして部屋にいってノックをすると、ギイ…と出てきたのは貞子のような青い顔。ぎゃっ!でた!
「あわわ!かおちゃん!なんでいるの?」
そう、最後の貴婦人メンバーはかおちゃん。1週間前からバリにいるかおちゃん。彼女は明日の朝、このロスメンで合流のはずなので、まさか今夜来るとは 夢にも思っていなかった私たちは大層驚いた。その青い顔は、偶然ではなく本当に具合が悪かったらしい。

「なんだかさ…今日ずっと具合が悪くて吐きっぱなしで。このまま寝てたら明日の朝これなくなるんじゃないかって思って、よろよろここに来たのよね。他の部屋をとろうと思ったんだけど、宿のニイチャンが『ココに泊マレバ、ヤスイー』っていうし、私ももう思考回路が働かなくてそのままここで寝てたよ」
そう青白い顔で説明をするかおちゃん。結構しんどそうだ。しかしやはりどうかぞえてもこの部屋にはベッドが3つしかないんですが…1つタリナ〜イ(お菊モード)
ま、なんとかなるでしょ!てなもんで、あとはめぐねこの到着を待つばかり、とそこにトントンとノックの音。おお、グットタイミング、ようこそめぐねこ!これで役者は揃ったね。明日の貴婦人ホテル楽しまないとね!めぐねこは初対面だがすぐにとけこんだ。ネットの付き合いって不思議なものだ。“旅好き”という共通点が、人と人の垣根を埋めるのだろうか。初めての人と会うたびに毎回不思議に思う。

バランガンのラム
海外のいいレストランでは必ずラムを食べる私

かおちゃんを寝かせて近くのコンビニに買い物に行ったとき、やっぱりクタのワルガキどもが声をかけてくる。知らん振りしていたら、めぐねこが
「さっき、通りすがりに『メッチャメチャ大キカッタダネ〜』だってさ」
とネタを仕入れてきた(ちなみに私170cm、めぐねこ推定173cm)。
「ぎゃはははは!!!!なんで過去形なのよ」
と、帰国時までこの「メチャメチャ〜ダネー」は呪文のように私たちに取り付くことになる。 かおちゃんにあとでこのことを報告したら
「あーたしなんかさ、『オトコホシイー?』て 聞かれたから『いらない』て応えたら『ナンデー?キモチーイイノニー』て言われたよ!」
とまたもや コントを披露。その夜はその二つのフレーズを応用したトークで腹がよじれるほど笑った。
バリニーズめ、面白いこといいやがって。明日からの貴婦人紀行が芸人修行の旅にならないことを祈るのみだ。


本日の出費
■タクシー代(サヌール〜クタ・レギャンプラザ) 34400RP
■タクシー代(クタ・レギャンプラザ〜バランガン)二人で35000RP
■夕飯代(バランガン)56$
■タクシー代(バランガン〜クタ・レギャンプラザ)二人で35000RP
■ジュース・ヨーグルト 5000RP
■マクドナルドサンデー 7400RP

つづく。
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