バリ島まったり編◆脳味噌とろける日々



2001年10月3日(水) ウブド


ひんやりした空気の中、目が覚めた。仲良し気取りというわけではなく 単に泊まる部屋すべてがなぜかダブルベットなので、常にかおちゃんと ひとつのベッド。女同士だからいいが、こんな感じじゃ、とてもじゃない けど男同士の旅なんかバリではできそうにないのでは。 ダブルベッドにねる男同士・・・(妄想中)

kubuku innの朝
クブクインの朝はなかなかうつくすぃ〜

クブクのスタッフの爽やかな朝の挨拶。かしづかれつつも 「どうする〜やっぱ眺めのいいとこに移動しよか」「でもだらけたいねー くじけそう。もうこのままここにいるう?」とバリのぐうたら魔法にばしばし かかりそうだが、えいやと奮起して、二人でジャランモンキーフォレストを 北上し、自分の足で宿を捜そうということになる。 だって、起きたら部屋の階段にネズミのうんこがどっさりあったんだもん・・・。ぶるぶる。

たらたら、お散歩気分で通りを歩く。土産物ばっかり!よくもまあこんなに 並ぶものだと感心する。ひとつ道を奥にはいればそれはそれは夢のような 静かな田舎スタイルにお目にかかれるとはいえ、ここウブドはどんどん こうやって観光地化していくんだろうなあ。感傷的にはなりこそしないが、 やっぱりツーリスティックすぎる姿はあまり見たくない気もする。
数件部屋を見せてもらいつつ、ふと足がとまる。なんか奥まって広い空間。 なんか雰囲気よさげー。あっ!ここワカグループだ! そう、貴婦人ホテルwaka di umeとおなじ系列の、waka barongというホテルが ちょこんとたってる。かなり新しい様で、街中のプチホテル系か。 立地はapa?(インフォメーション)のすぐ近く。おーなんかイイカンジ〜部屋みせてくださいな。

階段をあがってさがってまたあがって部屋を見せてもらう。二階だ。あーやっぱ ちいさなワカデウマって感じだよ。ああああ、ああああああああヨカね〜〜。 と、かおちゃんの意見も聞かず、もうすっかりひとりで舞い上がる。 ちゃんと奥にはプールもついてる。あああん

「かおたん、アタシここに泊まりたい・・・(もじもじ)」

貴婦人ホテル、ワカデウマに1泊しか泊まれなかったあたし。貴婦人モードは まだまだ炸裂してないわ。ねねね、かおたん。とすりよって決定。
見慣れたストライプのベッドカバー。高い天井。部屋は前に比べれば狭いが 清潔だし開放感は抜群。目抜き通り沿いで言うことナッスィング。きゃっきゃきゃ。またもや お姫さま天蓋ベッドだ。(そしてまたかおちゃんと添い寝)

ワカバロン
ワカグループの新しい宿、ワカバロン

宿も決まり、わくわくうきうきとさっそく荷物をつめてクブクのチェックアウト。 すぐにワカバロンで荷物をほどき、そのまま王宮方面までご飯を食べにジャランジャランすることにした。 ジャランジャラン=散歩。いい言葉だね。
観光客もいっぱい訪れるというロータスカフェはまさしく蓮の花と 池、そして後ろにたつ寺院が美しい有名スポット。とりあえずこういうとこは押さえておくつもり マンマンのきあさん。さっそく池の横のスペースを陣取ってのんびり風に吹かれる。
ふとみると、なんだか見覚えのあるシルエット発見。
「ん・・・あの池の道を通っているのは・・・もしや」
かけよると、取引先の会社のヒト&若妻。わっはははは!とおたがい、なにしてんだ〜と笑いあう。狭いなあ。なんで福岡からはるばるバリに きて、しょっちゅう行き来する会社の人と鉢合わせしなくちゃいけないんだ。 とりあえず夫婦の写真を撮ってあげてすぐに別れる。偶然ってオモシロ。

ロータスカフェ
王宮そばのロータスカフェ

それから買物をしてじゃらんじゃらんして、熱々の陽射しを避けるように部屋にもどる。 もう干からびそうなくらいに陽射しもキンキン。水分補給も兼ねてプールに泳ぎにいく。 わあい貴婦人っぽいよね★今回、部屋にはプールがないので独り占め感はないけれど、 それでも好きなときに魚になれるのは楽しい。のうのうと泳ぎながら、ぼんやりしてた。 本当に目の前にあることをこなすだけで精一杯。
ゴクラクすぎてなにか次の一歩というか他にムダなことができない。

夜は王宮へレゴンダンスを見に行く。ウブドでは毎晩どこかでこのように ダンスが披露されていて、都合さえあえば毎日観ることができる。 なんて贅沢なんだろう!そういう時間の使い方って、ステキだ。 ガムランにはじまり、レゴンダンス、バロンダンスと続いていく。 踊り手の目、指先、足先、ぴんとはりつめる空気が心地よい。

バリって、いいな・・・。
ガムランの音楽に、ゆらゆらと体をゆらしながら、 いまさらながらの感想が、あらためて心に染み入った夜だった。

王宮のレゴンダンス
踊り手のメイクが気になった(桜金造風)

本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり2人分の金額

◆宿代(クブクイン1泊)200,000RP
◆昨夜の夕飯 60,000RP
◆ワカバロン(デポジット) 1,388,600RP
◆昼飯(ロータスカフェ) 122,000RP
■藤雑貨もの 204,000RP
■タバコ 6000RP
◆レゴンダンス 25000RP×2人
◆夕飯(AYUS WARUNG)195,000RP



2001年10月4日(木) ウブド


8時半、ワカバロンの爽快でプチ貴婦人な朝のはじまりだ。さて 本日もここでダーラダラしていたいのはヤマヤマだが、美術館にでかけたり バリのきゃわいい雑貨などを購入しておくには、今日しかない!
というわけで、今日は街ブラDAY。

ところで昨日、きあはあることに気がついた。「あれっ?ないぞ。 waka di ume用に持ってきた、おされな黒いカーデガンがないわ〜。 もしかしたらwaka di umeのクローゼットに忘れてきたのかもしれない・・・」と。 運良く、同じワカグループのホテルにいることだし、さっそくつたない英語で “28日にワカデウマに泊まって”“そこに黒いカーデガンを忘れた”“かもしれない” “だから連絡を取って調べて欲しい”ことをレセプションに伝える。最後は 街角のパントマイマーかと見間違うほどアクションの激しいあたし。生きた英語は若いうちに学んでおけ、が この瞬間からアタシの座右の銘となったのです。

貴婦人風味
部屋の前で気取るかおちゃん

無事、連絡がつき、黒いカーデガンはやはりwaka di umeにあるとのこと。とりあえず 保管をしてもらっておくことに。明日時間を作ってとりにいっとこー。
さあ、さっそくそこらへんの通りに座り込んだ、馬の骨(かおちゃんがそう言ったんだよ!) たちのバイクを交渉して、街北部のネカ美術館へむかうことにする。ネカ美術館は、その所蔵枚数も 絵の質も、バリやインドネシアの絵画の歴史を知るにはピカいちの美術館のようで、最初っから 絵のこまやかさや意匠の面白さから目が離せずにジッと見てしまうもんだから最後のあたりは 目もつかれたし足もつかれた・・・かおちゃんの集中っぷりもすごいものである。何度も来ていても 何度も同じようにこの人は見てるんだろうなあー、本当に絵が好きなんだねかおちゃんは。 まるで、紫のバラのひと気取り(byガラスの仮面)でかおちゃんをわっしょい わっしょいと後押ししたいが、なんの力のないアタシが口惜しい。
ま、でも彼女は私なんかがなにもしなくても、必ず世に出る人だと思います。

美術館をでて、適当に大通りを一本はずれた通りなどを散策してみる。 明日の夜はとうとう帰国の途につくアタシ、ワカグループのホテルに泊まるのも 今日で最後。なんだかんだいって2泊っきりなのだ。かおちゃんは、細密画職人が 開いているようなお宿を探して、いいところ(眺めがよくてぼーっとできる)が見つかれば 明日そこに移動しようということなのだ。

門
門のむこうにはどんな暮らしがあるのかな

しかし、なんだなんだ。この通り一本だけの違いで全然違うウブドが広がっている。 ウルサイバイクもいないし、ひやかしバリニーズももちろんいないし、日本語をあやつる土産物屋もいない。 そこにあるのは、思い思いに遊ぶ子ども達と地元で暮らす人の生活だけだ。
ガルンガン時期だからこそのベンジョールが、風にさわさわとなびく。
その道を10人ほどかたまってこどもバロン行列が行く。
「バロンだよーおかあさん早くきて!バロンだよ〜」とでも言っているのか、 家の前にでてきた子どもは、その行列をみてはしゃいでいる。おばあちゃんは御布施をしている。

いいなー。なんだよバリ。ずるいわ。郷愁かきたてるなんて反則っすよ。

大通りにあるようなおされな雰囲気ではない、素朴ながらがんばって外国のお客様も迎えようと してますよ感のある、人気のないカフェに入り、遅いランチなどをとる。これがまた、ゼロひとつ 少なくてすむ安さ。すごいなあーこんなにツーリストプライスにも差があるとは。
そんなことを思いつつ「じゃらんじゃらん(散歩)」は続いた。

その夜は、部屋で簡単に軽食を買って来て食べた。なにもしない、ぼんやりした 時間がこんなにも心地よいのかと、テーブルに足を投げ出すはしたない恰好で空を眺める。 バリの神様はそんなやんちゃな貴婦人も、やさしく許してくれそうな雰囲気。 熱帯地方のぬるくて甘い夜風にふかれつつ、バリ最後の夜を過ごしたのです。

ごはん
全部で200円くらいのごはん

本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり2人分の金額

◆タバコ 5500RP
◆バイタク 10000RP×2
◆ネカ美術館入場料 10000RP
■ポカリ 5000RP
◆昼飯 26500RP
■雑貨(額や皿) 160,000RP
■雑貨(お箸4) 80,000RP
◆夕飯(カフェワヤンのケーキ) 22,500RP
◆お菓子 4,500RP



2001年10月5日(金)〜6日(土)
ウブド〜(福岡)



私の大腸はガマンできない憎いヒト。
ホテルのスタッフにかしづかれながら、コンチネンタルブレックファーストに 舌鼓を打つきあだが、もう最後のコーヒーを飲むところでいつものやつが もりもりとやってくる。ああ・・・トイレ・・・。朝くらいゆっくりしたいのに、健康な腸めー!

と、しょっぱなからシモな話だが、こんな感じでいつもかおちゃんを テーブルに残してあわてて部屋のトイレにかけ込むアタシ。 今日はそのまま荷物をまとめる。今日でワカバロンともお別れ、バリともお別れだ。
チェックアウトの12時までに買物やらなにやらあれこれやりたい私、 そして、今日からの宿をまだ決めてないので決めに行きたいかおちゃんは、 さっそく別行動で昼にホテルで集合するということで午前中は用事におわれることにする。

まるでマラソンのとき、沿道に陣取ってハタをふる ヒマな人たちのごとくそのへんにたむろする馬の骨バイタクを捕まえて、 waka di umeまでカーデガンを取りに行く。ホテルのスタッフはすぐにカーデを もって出て来てくれ、
「何でいらしたのですか?まあ、バイク!マダム、 そんなはしたない・・・言ってくだされば、私どもが届けたましたのに」
のようなことをサラリといってのけられてしまったが、
『私のカーデガンを5日の昼までに届けてほしい』という英語が 思いつかなかったんだよ、コノヤロー(猪木モード)というわけにもいかず、
「いいの!バイクにのりたかったの。風がきもちいいわ」
とばかりに、余裕の微笑み返し。
その後は、のっちも買物を楽しんだ日本人女性の経営するバリ雑貨屋さんへ。 皿やら石鹸やらをガッツリ買いこんでゴキゲン。オーナーさんも ちょうどいて、話もはずむ。熊本出身の女性だそうで、いつも思うが 外国で活躍するのはだいたいが女性だ。同性ながら、女性のパワーはやっぱすごいって 思う。

美術館の犬
アルマ美術館でくつろぐ犬

重い荷物をえっさえっさと引きずり、12時ちょっと前にホテルについたら すでにかおちゃんはいて、荷物はすっかりレセプション前に出されてしまっていた。
「かおちゃん、宿きまった?」
「ううん、いいとこなかったから、またグリーンフィールドにした」
おお、いいじゃないですか。ちょっとお高いんだけど、グリーンフィールドの 雰囲気って最高だもんね。とくに二階のあの角部屋
とはいえ、その部屋は空いてなかったようなので、別の部屋に。 13時に送迎してくれるとのことなので、それまでランチを食べに カフェワヤンへ行くことにする。人気のカフェらしく、確かに パンやケーキはおいしい。スタッフは観光客ずれしていて、あまり親切・・・とは 言えないが、ローカルフードに飽きたらここで甘いものを食べるのもグッド。

さて、またもや舞い戻ったグリーンフィールド。今日は、 ティルタサリのレゴンダンスを見た後、そのまま 空港へ直行予定という、来るときも帰るときもダンス三昧なワタシだが、交通手段を 決めていなかった。結局、グリーンフィールドのスタッフに、空港まで送ってもらうという ことで決まり、もう私の心配はなにもなくなった。ひとつ心配といえば、 ガルーダなのにリコンファームするのわすれたことだけ。 まあ、乗れなきゃまたバリに残るもん、くらいの堕落っぷり。
だからだろうか、気が抜けたからか、この後、アルマ美術館を見に行ったのだが、 そのあたりからあたしの容体は急変する。 確実に熱中病だ。 帽子をかぶらずに直射日光の中を延々と、しかも重い荷物をもって歩いていたのが いま急にぶり返してきた。ひーえー。 でも、かおちゃんはまるでお母さんのようにあおいでくれたり、水をかってきてくれたり。 まあ・・・最後の思い出にあたしを虜にするつもり!?かおちゃんたら!! とりあえず、ダンスを見に行くまでの3時間ほどを部屋で過ごしていたらだいぶ 調子ももちなおした。これでヒコウキにも乗れるようー

闇夜につつまれたプリアタン集会所。ティルタサリのダンスはここで開かれる。 わっしょいわっしょい押すな押すなの盛況ぶりだが、なぜか特等席もはなはだしい、 舞台上の席(つまり舞台の上のはしっこに椅子がある)が開いていたので もちろんそこに陣取る。わくわくだねかおちゃん。
そして舞台ははじまり、あたしのわくわくは一変してドキドキになってしまった。

ティルタサリ
ガボール(花まき)ダンスの踊り子さん

ガムランの音が、耳からではなく頭の上からびんびんと聞こえてくるところから すでにこの世にいるとは思えない感覚に陥る。
目をつぶると、それは簡単にやってくる。トランス。
頭がかすかに揺れはじめて、まぶたがピクピクッと動くのが妙に敏感に感じ取れる。 自分の些細な動き(通常は気にも止めないような動作)がものすごい 大きなうねりのように自分を支配する。片手に一眼レフのカメラをもっているのに、もうその重みを 感じることはない。おなかのあたりがふわふわしている。白い、ふわふわした感じ。 どんどんそれが大きくなって、自分がなにか乗り物に乗っているようになる。 例えて言うと遊園地によくあるコーヒーカップだ。しかも「右回りにまわっている」 ということまでハッキリ感じる。すでにここで「ヤバイ・・・」と感じて目をあける。
その目の前では、きらきらと光る衣を身にまとった神様が舞っているのだ。

争いを表現する踊りでは、葉っぱのついた枝でふたりの踊り手が殴り合う。 ばさ、ばさ、ばさ、と葉っぱがこすれるたびに、舞台横にいるわたしの鼻孔を 青い香りがくすぐる。ちくしょう、音だけでなく、香りでもアタシをノックアウトさせるつもりか。 やられるもんか。あたしはバリにやられるもんか。というところで、
すっかり自分がバリの虜になっていることに気付かされる。
軽いショックを受ける。

今までの日記には、ダンスについては軽くしか書いていないけど、こんな感じで毎回 アタシは衝撃を受けていた。たぶん、何度見ても「慣れる」ことはないように思う。

ティリタサリ
このバリスもなかなか華麗でした

びゅんびゅん飛ばす車は、一路空港へと向かう。事故っちゃうよと心配になるくらい のスピード。到着した日も夜、帰る日も夜。今度来るときは、まばゆい光をきらきらうける 田んぼやヤシの木の群れを、空の上から見てみたい。たぶんきっと見れる。だって もう、バリの楽しさを知ってしまったから、もうこないなんてことはできっこない。
かおちゃんともお別れだ。インドの時も、わたしは見送られる側だった。かおちゃん ありがとう、かおちゃんがいろいろ予備知識をくれたから、バリの楽しさはさらにアップ しました。またどこか一緒に行けたらいいね。
また会いましょうかおちゃん、また会いましょうバリに存在するすべての愛しき 人たち、愛しき景色たち、愛しき全ての命あるものたち。

おんなのこ
強い子になりそうな予感

本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 共同サイフを作り、まとめて払ったお金です。つまり2人分の金額

■おみやげ 327000RP
■バイタク 10000RP
◆宿代(ワカバロン2泊)148$
◆昼飯(カフェワヤン)41250RP
■アルマ美術館 10000RP
◆アイス 17250RP
■ティルタサリ入場料 30000RP
■送迎(宿〜ングライ空港)100000RP
■空港税 75000RP
■おみやげ 186$
■マクドナルド 11500RP
■インターネット(1分500RP)9000RP



−おわり−

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