カンボジア悠々編◆憧れのシェムリアップ



2001年12月29日(土) 福岡〜バンコク〜シェムリアップ

久々のめおと旅である。朝もばたばた用意をしながら
「フイルムは?フイルムはカメラにいれたと?」
「知らんよそげんと!自分の持ち物くらい自分で管理してよ!」
「そげん怒らんでよかやっか!フイルムはお前が持っとろうもん!」
と、ふたりでカリカリ。ふっ。夫婦であろうともこんなもんさ。

アメリカ同時多発テロの影響で、この年末年始旅行の飛行機も意外に客少ないんじゃないかな〜と わくわくしていたが、残念(?)ながら満席。うしろの席は無責任な親がほっときっぱなしで 傍若無人に騒ぐガキだし、その親はどうやらワッキーらしく、ツンとした羊っぽいかほりをむんむん放ちやがるし、 やっぱオンシーズンの旅ってこういうもんだなとあきらめつつ機内でジッとたたずむわたしとヒゲ。

さて今回は初めての年末年始の休みを利用した旅行ということで、年越しをシェムリアップにて 過ごすことにした私たち。「遺跡以外、用はない」とまるでプレイボーイ 気取りのヒゲの意向&1週間という短い期間で夫婦で数都市まわるのはどうも面倒というわけで、 プノンペンには飛ばずに、バンコクからシェムリアップ直行なのである。1週間1都市って なんかヒマもてあましそうでコエエ!!
着いたドンムアン空港であいかわらず 迷子になりつつ無事チェックインを澄ませ、係長から預っていた60バーツを勝手に使って KFCのソフトクリームなどを食べてフライトを待つ。ああ、長い。(ちゃんと帰りにバーツつくって返したよ)

バンコクからシェムリアップは、バンコクエアウェイズという航空会社を利用。これがまたビックリなのだが 利用客のほとんどが日本人なら、なんとスチュワーデスも日本人。たまげた。 外国〜外国間を飛ぶ飛行機内で、よもや日本語のアナウンスを聞くとは!そしてさらに、きあ探険隊員を 驚愕させたのは、ななめ前にすわってた女性(推定25歳)がびっちびちのピンヒール の革ブーツに杢グレーの洒落たワンピース。ヴィトンのバッグにつばの広いお帽子をかぶった姿だったことだ。

パルドン、そこのシロガネーゼ。これって行き先、カンボジアですよねコマンタレブー?ピ、ピンヒールの革ブーツ?まさかおフランス行きではないですよねシルブプレ?

と、立ち上がって質問したくなる気持ちをぐっとこらえ、彼女がずっと手元でいじる 絶対に電波の届いてないであろうドコモのケータイを見つめながら、あたしは 「ああ、この飛行機が、シャルルドゴール空港ではなく無事にシェムリアップに到着しますように」と念じるしかなかった。

バンコクエアウエイズ
リゾート風。アンコールワット模様の機体もある

1時間遅れで到着したシェムリアップの空港は、国際空港といえちっこいプレハブ小屋。 到着ビザの申請のため、ならびにならんでようやく空港を出た時はもうすっかり現地は真っ暗。 生ぬるい風が、ようやく旅の始まりを告げてくれているようだ。
ヒゲさんきたよ、あなたの憧れのアンコール遺跡群のある都市へ。
「暗いけんわからん」
・・・一度なぐってやろうか、この男は。

今回は、泊まる宿はある方のサイト(同県民であるあきさんのLookAsia)を拝見してNET予約していた中級ホテル。 BOREI ANGKOR HOTEL(ボレイ アンコール ホテル)というところ。 あたしのつたない英語理解力と翻訳サイトのチカラにより、無事ネット予約をかわし、お迎えもお願いしていた ので、かならず迎えが来ているはず。あーいたいた。来てましたよ、ちゃんとアタクシたちの名前を書いた ボード発見。

ドライバーと、日本語をすこしだけ話せるガイドがきてくれて、送迎ついでにカンボジアのおおまかな 歴史などの説明がなされ、それと同時にツアーの勧誘もある。 どうせ私たちは、アンコール遺跡群から1時間ほどいった場所にあるというバンテアイステイ に行く時は、ガイドとクルマをチャーターしようと思っていたのでちょうどいい。 あさって行くことにする。60$といってきたがとりあえずゴネて50$に。カンボジアの観光関係のお金は とにかく高い、の一言になることを、これからも毎日感じることになる。
ホテルの雰囲気はまずまず。天井も広々しているし清潔感もある。スタッフも笑顔でよろしい! 荷物をほどいてどっかりと寝転がるふたり。あ〜さて、明日からガッツリと遺跡巡りを楽しむぞう。


本日の出費
■タクシー(自宅〜空港) 1630円
■KFC(ソフトクリーム)7B
■KFC(ポテト)25B
■チップ 1$(←両替してなかったんでやむなく。でもこれ高い)




2001年12月30日(日) シェムリアップ

旅先第一日目は大体どんなに遅く寝ても早朝パッチリ目が覚める。今回もご多分にもれず 5時にはお目覚め。でっかいキングサイズのベッドの横にはヒゲのまぬけな寝顔。
「カンボジアのハジメテの朝・・・」とうっとりしながら カーテンをあける。うへーまぶすぃ〜〜!!

このBOREIANGKORHOTELは、私達が利用しているような30ドルのお部屋がある本館と、 ゲストハウス系の別館が同じ敷地内にある。いつものアタシなら迷わずゲストハウスに 泊まるが、そこはやはり旅好きではないヒゲの気持ちも考慮したい。
ヒゲがめんどくさがらず、かつのんびりと気持ちよく滞在するようにアタシが 盛り立てねば、次の旅行に一緒に来てくれないかもしれない。くわばらくわばら。

庭のレストランで、きもちよいスタッフの笑顔と一緒に朝飯。さて今日はさっそくアンコールワットを ぐるぐるまわるぞ!つーことで、ホテル前にたむろするバイタクおやじたちと 交渉開始。
「チョムリアップスオー。おやじ、3ケツで1日3ドルで回ってちょうだい」
「お嬢さん3ケツは無理無理、つかまっちゃうから2台じゃないと!」
「まじ?(疑いの目)」
「まじ。(オレを信じろの目)」
「1台1日貸切3ドルでどうよ」
「ダメだってお嬢さん。一人10ドル」
「フッ!あたしカンボジアは2度目なの(ウソ)。前は5ドルだったわ」
「ほんじゃ1台5ドルでいいやオレのに乗れ!」
(まわりのバイタク)「乗れ乗れ」
「たのむよ!」(ガシッと握手)

と、こんな感じで交渉成立。こういうのアタシが矢面にたつのかなとおもってたら意外な ことにヒゲさんも一緒にわめいていたのでおもろかった。ふふ。頼もしいじゃないか。
今日のお供は、ヒゲの運転手はメイベリンのロゴ入り帽子をかぶってるのでメイベリン。 あたしの運転手は2002ワールドカップの帽子をかぶってるので2002。と これから帰国するまで1週間、そのあだ名で呼ばれることとなる。

バイタク
ノーヘル無防備2ケツ。でも安定した走り

バイタクの後ろはちゃんとふかふかのシートが敷かれているので思いのほか乗り心地はよい。 二台に分譲したきあ&ヒゲ部隊は一路アンコールへGO。 まずはアンコールワットにむかう途中の料金所で3日券を購入。一人40ドルは痛いなあ。イテテ。 ちゃんと写真があってパウチされるのでいい記念にはなる。
砂煙をあげてはしるバイクはどんどん緑の濃いジャングルの中にはいる。バイタク経験者なら わかるだろうが、その森の中にはいると気温がスッと1〜2度さがるみたいにひんやりする。 顔にあたる風がつめたくてわくわくする。 あっ、なんか前がひらけてきた。 どーーん。
うわあ。なんだこのお堀。
ぐんぐん一本道をはしり、ぐいっと右にまがる。お堀はつづく。

あっ。

あれは

アンコールワットだ!!!

・・・・呆然。すげえ。こりゃ残るはず。こんなの、誰も壊せない。 すごい。カンボジアったらよかったねこの遺跡が残ってて。という感じだ。
ジャングルのなかのお堀のなかのそのまたまんなかに、見事な塔がみえる。ひー。これかよ。すごいすごすぎる ヒゲとひょーひゃーとおたけびをあげつつ、アンコールはおあずけ。今日はアンコールの夕日を みるんだもん、てなわけでまずはバイヨンを目指す。

象たん
バイヨン南門を象がくぐりぬけまする

バイヨンはお気に入りで、滞在中も何度もくることになる。

バイヨン
バイヨンはほほえみまくりの顔だらけ

歩いてバプーオン象のテラスチャウサイテボーダを見て回る。じっくりといえども 1時間ちょっとくらいだが、なんだか空気がのんびりしている。おもったより 観光客が少ないせいだろうか。

メイベリンと2002の運転するバイクにまたがり、要塞のようなタケウタプロームを見物。メシを食いつつ、かおちゃんから頼まれていた 口琴GET。なかなかハイペースだ。メイベリン!別にあたしたちは今日全部まわんなくても いいんだけどな。まあ、今日ざっと全部に目を通してまたくるのもいいかもね


タプローム
時間の流れとはすごいもんだ。くいこんでる

メイベリンたちはもうぐいぐいといろんなところをまわる。 なにもいわずとも、ルートはだいたい決まってるらしく、その後 バンテアイクデイスラスランプラハットクラバンとフルコースでめまぐるしい。 あわわわ。でも遺跡好きのヒゲが非常に喜んでいるのでそれもまたよしとしよう。
と、バンテアイクデイで事件(?)が起きる。
遺跡見物をしているとばったり日本人女性に出会った。はて。どこかで見たことのあるような。
「やっぱり会いましたね」
ニコニコしながら話しかけられ、一瞬わけがわからず、ああ、そういえば入国審査のときに となりあった日本人女性かなとか思い、 「ほんとですねー」の「ねー」を言った瞬間、
「あー!!やす、アンタなんでこんなところに!?」と 理解する。出会ってから気がつくまで5秒くらいかかってしまった。
だって、まさかこんなとこに知り合いとあうとはおもわなんだ。

※説明:「やす」とは、あたしがヨルダン日記を書いた後にはじめてメールをくれた読者さんで、 それ以降のおつきあい。2〜3度あったことがある方なのです。

彼女はひとりできているらしく、立ち話で「それじゃ大晦日は一緒に すごしちゃう?」つうことになる。そして泊まってるホテルを聞いて大笑い。 BOREIANGKORHOTELのゲストハウスだというのだ。あっははは!!!なによそれ!同じ敷地じゃん! と、偶然もはなはだしい。笑いながら分かれてその後はとうとう夕焼けのアンコールワットに 突入である。

お堀の岸辺にチケット確認係がいて、しっかりと日本語で「ようこそ」と いわれながら、お堀を渡す心もとない石橋をとおる。すごい・・・水面にジャングルがうつってる。 きれいきれい。階段をのぼり、西塔門をくぐり、その入り口の向こうにかすかにアンコールワットが見える。 両方に聖池が鎮座しております。ひーーえーーーすごいすごいすごい。もうすごいの連呼。それしかいいようがナイ。

聖池側から
聖池にうつるアンコールつうのは正面じゃなく斜め横から撮影

中をぐるんぐるんまわったり、中央塔のあまりにも急な階段におじけづいたり とにかく新鮮。ひともすごい多いけど、それ以上の感動もある。 アンコールワット寺院内には物売りは入ってこれないようでそれ系の人たちもおらず。 すっごいな。大昔のヤツラはやることが違う。
「おれ、もうこれだけで幸せ」とヒゲがつぶやく。 ピラミッドよりぜんぜんいいと感じるのはなぜ?理由はわからないけどアジア人だからかな? 仏像をみたらフシギと自然に手を合わせてしまうからかな?

中央塔
おじけづいてヒゲはこれに登りませんでした


塔をのぞむ
このすごさは実際見ないとわからん

アンコールワットは18時にしまる。はやすぎ。夕暮れをながめたあとは川沿いの屋台へいそぐ。 おいちい。肉チャーハンなど日本人好みで、ヒゲもおいしいおいしいと食べている。
よかったーヒゲが喜んでくれればあたしもうれしいよ。

メイベリンと2002は川沿いのベンチであたしらの食べ終わるのを待っている。1日貸切5ドルの 支払いはもうすぐだ。カンボジアの物価からいって1日5ドルの収益はかなりいいはず。 メイベリン、がんばって働くがいい。外国人、旅人であるあたしはあなたたちにそうやって お金をおとすしかない。カンボジアの経済をよくするには、まずはこのアンコールワットが 落としてくれるお金を手に入れるのがてっとりばやいのだ。あたしは喜んで金を落とそうではないか。
わいわいとにぎやかな屋台、きっと明日もくるだろう。


本日の出費
■アンコール3日入場券 40US$×2人
■お布施 500RE×2
■トイレチップ 500RE
■水 1$
■口琴 1000RE×2
■昼飯 140,000RE
■水 1$
■夕飯 12,700RE
■バイタク代 5$×2台


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