カンボジア悠々編◆ゴー!ゴー!バイタク!



2001年1月2日(水) シェムリアップ

元々毎日の生活で原付に乗っているアタシは、原付サイズの大きさと速度が大好き なので、カンボジアのバイタクにもすぐ慣れたが、本当に気持ちのいい乗り物だ。 アタシが小さいころは日本もノーヘルで乗れた時代だったというのに〜(遠い目)。
ま、なにがいいたいかというと、バイタク万歳!

ニセマック
えーと。この「M」は「マガイモノ」のM?

さて、今朝もはよからオールドマーケットでお買い物。いままでじっくり値踏みしたり モノを確かめたりしていたが、今日は一気に買っておきたいところ。 意外なことに、ヒゲは男の子のくせにお買い物とか結構好きなため、存分にふたりで 品定めができるのも楽しいところ。
ヒゲはみやげにTシャツが欲しいというが、最初の店はTシャツ4枚で30000RE(約4〜5ドル)から ガンとして下げようとしない。もう観光客慣れしているのでそんなんじゃ売れないと いうことなのだろう。かわいい色もそろっていたがしょうがなく奥まった、商売っ気の なさそうな、やる気のないニイチャンのTシャツ屋へ。ここでなんとか27000REに。 交渉は疲れるけれど、それでも満足度はかなり高い。これが人間の本能というか狩りへの欲求 なのですねってえらそうになにを言ってるんでしょうか。

とにかく午前中はめいいっぱい時間をつかってオールドマーケットを徘徊する。
風船売り
こんなおもちゃ売りが道端とかにすごく多い

昼間の日差しはきついため、ホテルへ避難。ぐうたらとヒマをもてあましたあとは、 14時すぎに、またもやジャマイカとつば広のバイタクがお迎えに。昨日、「トンレサップいこかな」と 約束していたので時間通りに来たというわけだ。ジャマイカもつば広も素朴で、べらべらしゃべって セールスにうるさいメイベリンとは大違い。まあ英語が乏しいのもあって黙々とバイクを走らせてくれるのが 気に入って、昨日から引き続きお雇いしているというわけ。

舗装された道は、シェムリアップ街中のほんの少しだけというのに気がついたのはバイクにのってほんの10分。 メインストリートをすぎるとそこは、もう舗装もされてなければコンクリートの建物もない。 小さな川ぞいにびっしりと立ち並ぶ4畳半くらいの小屋。そこで遊びまくるがきんちょと、頭をつるつるに 剃ったおばあちゃん。とにかく、街中ではまず想像もつかないような風景が延々と続くのだ。
アタシは初めてここで、カンボジアが実は内戦後そう長くない間に急激に伸びている国であり、 まだまだ東南アジア内でも(物質的に)貧しい国であることを思い知らされる。
遺跡ばっかりみていたら、こんなことも気がつかない。

アップダウンの激しい未舗装の道を延々と南下する。目的は、トンレサップの遊覧船と、プノンクロムの 夕焼けショー。すでに湖に着く前に、客引きがバイクに並走してセールスする。いまは乾期なので 湖周辺の観光の商売はあがったりらしく、客の奪い合いは激しそうだ。 とりあえず1クルーズ1時間ということらしい。

客引き「2人で15ドルだよ」
きあ「中途半端だ。14ドルっつのはどう?」(・・何が中途半端なんだ?)
客引き「(即座に)OK、はい前払い」
きあ「・・・10だけ先に払う。残りは最後に払う」
客引き「問題ない。じゃ最後に船頭に払って」

派手っぽい装飾が施された船にのってはい出発進行ー。なぜやらちっこいガキんちょが いっぱい乗ってるけどまいいや。勝手にガイドとかし始めるんだろうと思ったらまさしくそうだ。

国旗
アンコールワット模様の国旗がはたはたはためく

遊覧船
トンレサップの遊覧船から。もっとゆっくり〜

ま、特筆すべきことはない。水上生活をする人々の間をぬって観光客の船がいく。 見世物だ。モロッコのアイドベンハットゥ(世界遺産)内にすむ家族のことをふと思い出した。 気持ちいいし、絵になるし、そりゃもうトンレサップ湖がこんな水平線がみえるほどでかいとは 知らなかったので大変勉強にもなったけど別に。てなもんで、 ぼけーっと船にのっていたのだが、気がつけば約束は1時間だったのに40分で岸に戻りやがる。 いつもなら普通に“金払いのよいニホンジン”として、ぶつぶつ言いながら払うけど 20分はずるいと思ったアタシは船頭に
きあ「ちょっと、約束は1時間だったのに40分じゃん。約束違う」と ぎゃーぎゃー交渉。だって14ドルって高いんですよ。最初の客引きがいなかったため 話はスムーズにいかなかったが、他の客引きが「うん、ほんじゃいいよ10ドルで」と 言ったので、そのままバイタクにのってぶひひんとUターンし、プノンクロムに登ることにする。

プノンクロムは、丘というよりも「しっかりとした小さい山」で、20分くらい山道をあるく。 この山道、あなどれない。かなり怖い。しーーーんと、人の気配がないため 頼むから女性一人でいってくれるな!!といった感じだ。ご注意あそばせ。 それでも開放感はある。とおーーーくまで広がるトンレサップ。ところどころに田んぼの緑。 こんな風景みたことないってかんじだ。たまらない。気持ちいいぞー! ヒゲとえっちら山道をのぼり、上の古い寺院に到着。でもあれれー?なんか廻りに木が 生い茂って夕日が地平線に沈む姿、見えそうにないんですが・・・

がきんちょ
ガイド気取りで同乗するガキんちょ。12歳くらいか

町からここまでのアップダウンの激しい道を暗闇でバイクでいく危険と、夕日を直接みれるポイントが ないということで、ヘタレな私たちは、真っ暗になるまえにさっさと山を降りることにした。 だって!夕暮れて下山したら絶対こわいってばこの山道!!

てくてくてく。下り坂をひたすら歩いていると目の前になんかみたことある青年・・・・ ぎゃっ。船の客引きだ!もしやお金を徴収しにきやがったな!と、案の定 「なーんで4ドルはらわないんだよお!」と催促される始末。
きあ「待て。あんたは1時間っていったよね?でもあの船頭は40分で帰ってきたよ。 1時間と40分は違うでしょうが」
客引き「そんな細かいこという人はいなーい」
きあ「なにー!じゃああんたはウソつきなのかー」
客引き「違う、とにかく払え」
きあ「やだ。あんたは嘘つきだ、約束が違う」
こんなやりとりを山道でぎゃあぎゃあ本気で繰り広げるひととき。ヒゲはどうもコレに耐えられなかったようで 「もう払おうよ」とうんざりげ。でも熱くなったアタシはとめられない 「そげん風にね、どうでもいいって、面倒ってだけで、迎合してしまうけん、 日本人はナメらるっとたい!」と、なんだかよくわからないがヒゲさんに八つ当たり中のきあさん。

プノンクロム
トンレサップ横のプノンクロムから見る夕暮れ

しかし、あの残り4ドルは英語の通じない、まじめそうな船頭さんの収入源ということもあり、 客引きの「悪かったよ・・だから彼の家族のために払ってほしい」という一言で もう、あたしもガックリと気が抜ける。

「わかった。でもこのお金は、あなたのものじゃない。これは彼のものです。 そして私は彼の家族のためにこの4ドルを払います。忘れないでください」

そういって、しっかりと客引きの両手をにぎりしめて、4ドルを渡した。 500円ぽっち。 私はいったいなにに熱くなってなにと戦おうとしたのやら、もうさっぱりわからない。 約束を守り、ちゃんとした仕事をすることで、この復興に沸くカンボジアに成長してほしいのに、 こんなちょっとしたことでもめるなんて。きっと大勢の人たちがそう思いながら、やはりあたしと 同じように、言われる代金を払うのだろう。 とにもかくにも、あたしはやっぱり、カンボジアにちょびっと顔をだした、通りすがりの観光客にすぎないのだ。
反省と後悔とちょっとの怒りとやりきれなさと。複雑な思いを胸に、私を乗せたバイタクは夕暮れの田舎道をとことこと シェムリアップの町へと帰っていった。
トンレサップの思い出は苦い。もう、できれば一生訪れたくない。 私自身、「たかが」4ドルで、悩みたくないから。そしてその「たかが」4ドルは、この国で十分な収入であることも わかっているところが、はがゆくてたまらないから。

本日の出費
■バイタク 1000RE
■おみやげ 27000RE
■おみやげ 4.5$
■水 2000RE
■切手 2200RE×2枚
■遊覧船代 14$
■ガキにチップ 100RE
■お布施 1000RE
■夕飯 8000RE
■バイタク 3$×2(半日)




2001年1月3日(木) シェムリアップ

今日も迷わず、アンコールの朝日を見に行こうね〜と早起きモードのはずなのに ハッ!と目が覚めたらもう6時45分。あーん、いまから支度して行っても 間に合わないよ。ということでサンライズ見物は、明日の最終日にかけることにした。 明日は絶対早起きできますように。

ホテルでだらだら過ごした後は、10時過ぎにホテルをでてぶらつく。 旅にでるとなぜか散歩は楽しい。カンボジアの暑さはこたえるけど、それでも 真冬の日本で凍えてコタツにいるよりずっと健康的だ。 散歩がてら、またもやタケオゲストハウスまで歩いてシェイクを飲みに行く。 関西人の面白さを体言したようなニイチャンとすこし話したり本当にまったりしまくる。 あまりに時間がありすぎて、もてあましてしまうくらい。
なーんて贅沢なんでしょう!

屋台ごはん
屋台飯その1。タケウ前だっけなー?

屋台を食べ歩くこと数日。カンボジア飯は、かなり日本の味に近いとおもう。 というか、好き嫌いの多いヒゲをもってして、残さず食べられるものが 多い!香草くさくない、スパイスくさくない、ヘンな素材がはいってない、 辛すぎない、味がほどよい。と、ヒゲ的にいえば 「食いすぎて太りそう」と言わしめるほどだ。
これなら、お年寄りだって十分屋台飯を楽しめる。ヘタなホテルのメシより全然おいしい! もし、自分の両親に旅をプレゼントしたいならば、シェムリアップは超おすすめだ。 アンコールの見ごたえといったら、他の遺跡の非ではない(と断言してもいいほど)。

屋台ごはん
屋台飯その2。アンコールワット前。

シェムリアップにはとにかくニホンジン観光客が多い。日本人の旅人の心を くすぐってやまない、それがアンコールであり、シェムリアップという町なのか。 看板にもメニューにも日本語が氾濫し、まるでバリのような雰囲気。 日本語を学ぼうという観光従事者の意欲も高い。つまりすっかりスレた町なのか、 これからどんどんスレていくか。とにかくそういう町だ。

屋台ごはん
屋台飯その3。シェムリアップ川沿い。

というわけで、屋台飯3連続写真でした。

昼間は町をぶらぶら歩いて、なぜか見つけた博多36.5℃という 名の店に入ってみる。日本人オーナが経営するシャレたカフェっぽい。博多というのが 心くすぐるではないか!!風がひゅーっととおって心地よい店内で、ネコとたわむれながら おいしいカボチャプリンなどを堪能。今日は全然観光してないね、私たち。
フランス人が経営するシャレたお土産屋にまた立ち寄り、買い損ねていたものなどをGET。 あーもうこれでおみやげに心残すものはないはず。いいものあるなーカンボジア。

1daypass
尻出しこどもとシュールな入れ歯看板。

15時過ぎにホテルに戻ったときはもう汗だく&ほこりまみれだ。
カンボジアの熱気にやられてしまったみたい。シャワーを浴びて横になり、夕焼け時間が 来るのを待つのみ。今回、MDウヲークマンにスピーカーをつけたものを持参しており スピーカーからヒゲの好きな音楽がずっと流れ続ける。あーまじでMD持ってきて よかったあ。旅好きでないヒゲにいかに心地よく滞在していただくか!重要ポイント。
アタシはもう下僕のようにこびへつらうのみだ。(嘘です。すごくわがまま言ったりしてます)

17時に部屋をでて、レセプションに「明日、夕方まで部屋を使わせてほしい」ということを伝えることを忘れずにホテルを後にする。またもやメイベリンに発見されたので 2ケツ2台でサンセット人気ポイントであるプノンバケンへレッツゴ〜。 こんなに、毎回会うなんて、たぶんバイタク同士で縄張りがあるんだろう。
メイベリンはしきりに明日空港まで送るとセールスをかけてくる。ウザイのでほっておいたが このメイベリンが今まであったバイタクのなかで一番商魂たくましいと思っただけで、全然 悪徳な感じがしない。いろんなガイドブックや情報にはバイタクにだまされた 的なネタがわんさかあったのですこしビビっていたが、被害にあう確率もそう高いものでは ない気がする。

3daypass
3日有効許可証。写真必須。パウチされています。

さて。ホテルを出たのが17時。そしていま、バイタクにとことこ揺られること15分。 そろそろ検問所が近づいてきます。実はアンコール遺跡入場許可証をもっていなくても 17時30分過ぎなら無料で入場できるのだ。もちろんワタシは3日券が 切れたので、今もってませーん。検問所を通り過ぎる時間は、かなり微妙。まじで ドキドキものだ。あーおねがい!検問所でとめられませんように〜〜。
どんどん近づく検問所。ドキドキ・・・・あー無事スルーいたしましたあ〜ドンドンパフパフ

プノンバケンは、アンコールの入場門からちょっといったところにある小高い山だ。 登るのはまさに今まで7000人の年寄りが足を滑らせて落ちましたとでも 言いそうな勢いのガケである。こんなガケ、みんな登ってんだからほんとにキチ◎イだ。 くれぐれもビーサンで行かないようにご注意を。
せっせせっせ、ぜいぜいぜいと息も絶え絶えに軽く44度の角度はありそうながけをのぼりきったら これまた、祭りなみの人だかり。うっわーこの死にそうなジジイも登ってきたの!?よく聞くと、 象専用道があるらしく、象の背中にのって優雅に登るという選択肢もあるらしい。
結局、本日ここからの夕陽は美しく見えることはなかった。ガスがかかって雲も厚い。 あーあ、残念。地平線に沈む夕陽が見えず、雲に隠れてしまうというなんともキレのよくない サンセットだ。こりゃいかん、明日のアンコールワットでお口直ししなくっちゃね。

帰りの闇夜、日本人の男の子がレンタチャリで真っ暗闇の一本道をはしっていたので メイベリンのバイクと競争。やんややんやの競り合いの末に、彼の自転車は遠く後方に消えた。 安全だとは思うけど、ヤミの中を走る彼がへんなことに巻き込まれないかすこし心配だったので、 本当は並走したかった。彼は無事に自分の宿に帰れたかな?

今夜はどうも寝つきが悪い。明日絶対早起きしなくちゃ!というプレッシャーがかなり かかっているらしく2時間おきに目が覚める始末。明日でお別なんて寂しいかぎりだけど、 最後の日だからこそ存分に楽しんでやるう。

プノンバケン
とにかく人が多いプノンバケン。ガスってると夕陽どころじゃない。
本日の出費
■シェイク 1000RE×2
■水 1500RE
■昼飯 6000RE
■カフェでお茶(ドリンク2・デザート2) 7.5$
■おみやげ 3$
■おみやげ 6000RE
■バイタク 6000RE×2



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