エジプト番外編◆ピラミッドはでっかいど



2000年4月24日(月)福岡〜(関空)〜カイロ

「ねえねえいまどこらへんかな〜」
まるで幼稚園児のように窓にはりつくヒゲをよそに、 昼寝に余念のないきあ。飛行機は一路関空へ飛んでいた。
「俺、大阪行くってだけでなんか嬉しい」
・・・なんて安上がりな男だ、このメガネ坊主は。

というわけで今回、○本旅行主催の豪華5つ星に泊まるエジプト周遊 ツアーにてミレニアム新婚旅行を楽しむことになったわけだが、なんとアタクシ、 初のガイド付きツアー参加ということで違う意味で緊張していた。 新しいジャージ購入、という まるで東京に修学旅行にでかける分校の児童のようなことをしてしまう始末。 だんなであるヒゲといえば、 「エジプト暑いよね。靴どうしよう。生ゴム溶けるかも」 とか、おろおろと本当にどうでもいい心配ばかりしている。 もう、どうしようもない夫婦だ。

カイロまではエジプトエアで直行便。実は、直行便に乗るのも生まれて初めての 経験であるきあ。なんてラクチンなの!!と感動さえ覚えたが、13時間という フライトが初めてのヒゲは、かなり疲労した様子。

ピラミッドの見えるホテル・メナハウスオベロイ
豪華ホテルメナハウスオベロイの庭から望むピラミッド

さて、カイロの空港で初めて今回のツアーにご一緒するメンツが集った。 6組12名というほどよい人数でホッ。すでに現地時間21時過ぎ、さっさと ホテルに連れていってちょうだいセバスチャン状態であるため、そのメンバーと会話をかわすこともなく、バスに揺られて一路ギザ地区へ。
バスの中で、今回ツアーにぴったりくっついて案内してくれるガイドが登場。 その名もホサン。まさに「西郷さん久しぶりでごわす」 って感じだ。さらに「みなさまようこそエジプトへ。 今回みなさまのガイドを担当いたします、ホサンと申します。西郷どんに似ていますね。 ですから西郷さんと呼んでいただいても結構です。宜しくお願いいたします」だと。 てっ、てめえ!!!好感度高いじゃねえか!しかも謙譲語丁寧語むちゃくちゃ使い分けて るじゃねえか!!日本語うますぎ。
後で聞いたところによると、ホサンの卒業論文(カイロ大学日本語学科)は古今和歌集の×◎★・・・ 聞いてもさっぱりわかりませんでした。コキンワカシュウって読んだことある?みんな・・・

長時間移動でグロッキーぎみのメンツはまず、ピラミッドの見える部屋に泊まれる!と いう文句がウリのメナハウスオベロイ のロビーで明日のスケジュールを聞く。もう眠いわきついわボンヤリしていたら突然 分厚いホテルの封筒を渡される。はへ?なんですかい?
ごそごそと中をあけると、一瞬なんだかよくわからない文字が飛び込んで来た。 「蜜月・・・?なんだこれ日本語じゃん。えっ、日本語?」それから ヒャーとかウヘーとかいいながら、もうホサンの説明は聞いちゃいねえ。 実は、わたしにナイショでweb仲間がこのホテルにわざわざFAXでおめでとうメッセージを 送り付けていたのだ。もう腰が抜けそうになるとはこのことである。

「まったく、みんなヒマなんだからさあ」とか軽口をたたきながら ようやく部屋に入ると、ガチャ。・・・・・わははは!なんだこれは!!
ドアを開けた瞬間ぷうんと花の香り。電気をつけて二度ビックリ。部屋中に花籠、そして 床をあるけないほどの風船。ウエルカムフルーツ&クッキーまでもが。 なんなんだ、このラヴ&プリティな部屋は。まるで新婚さんみたいだ。新婚さんだけど。 最初は、「はは〜んハネムーナー初日の部屋には全部こんな 仕掛けがしてあるんだね。さっすが5つ星ホテル」とか勝手に感心していたのだが、 ガイドのホサンが冷蔵庫チェックにやってきたとき「わ、すごいですねえ!」 と驚くではないか。
「えっ?他の部屋はこうじゃないんですか?」
「ええ、他の部屋は何もないですよ」
「なんでなんで私たちだけ??」
「たぶん、さっきFAXをくれた人たちが頼んだんじゃありませんか」

なにっ。そんなことができるのかい?ひーえー。

花と風船の部屋

花と風船の部屋その2
間違えてモノクロフィルム入れてたの・・・

よくFAXを見直すと、見覚えのある名前がメナハウスオベロイ宛に 「このメッセージとバルーンを部屋に仕掛けておいてちょうだいな」 と英文でかいている。そうかそうか、これってみんなの仕業か。
なんだかな〜とかいいつつ、ベッドの上にならべられたハート型の花びらを 集めてようやく寝転がる。オイオイ、花ビラのシミがシーツに・・・とか言いながらも、ジワジワと喜びが満ちて来て顔がにやける。 みなさま本当にありがとう。と思いながら速攻爆睡。エジプト初日の夜はこんなハプニングで更けていく。 きあって幸せものですね。イヤほんとに。





2000年4月25日(火)カイロ

なんだか知らないけどウレシくって興奮しているんだろう。 疲れているのに5時過ぎに目を覚ましてしまった。メシタイムまで まだ2時間以上もあるというのに・・・ベランダから見えるピラミッドは 薄もやにつつまれ、まるで夢みたいだ。

さて本日はピラミッド三昧の一日。まずはメンフィスの アラバスター製のスフィンクス見学へ。でっかいスフィンクスが寝転がってる。 軍事基地内にあるということでずっと公開されていなかったという 屈折ピラミッド、赤のピラミッドをまわる。 このあたりから他のツアーメンバーのみなさんともボツボツ話すようになり、 おたがい「写真撮りましょうかー?」なんてお約束もアリ。 最古のピラミッドである階段ピラミッドを 見たあとは、スフィンクス&ギザの三大ピラミッド。もう気分はカナエちゃん。 世界ふしぎ発見。つい草野さ〜んなんて言ったりして。いわないいわない。
一番小さなメンカウラー王のピラミッドに入ったのだが、暑いわ狭いわ きついはくさいわ・・・一番奥はせっま〜〜いただの空間だし(あたりまえだな、墓だし) なんだかガッカリ。

ラクダにのったり、夜は音と光のショーを見たり、スケジュールビッシリで 観光満載ではあったんだけど、ど〜〜〜〜も記憶にのこらない。 見栄とかカッコつけとかそういうんじゃなくて、どうやらアタシは 自分でクタクタになって移動しないと、どんな世界遺産でも感動が 続かないようだ。ホントに。がびーん。 でもま、ヒゲが満足げなのでよかろう。この旅は、やつを接待 しているようなものだしね。旅の楽しさと、 イスラム圏の雰囲気を知ってもらい、あわよくば旅好きになってもらうために。





おわり。続きはないよ(ほんとに書くことないんだもの)



>>TOP