サンフランシスコ癒され編◆やっぱりヘタレ英会話



2001年6月29日 サンフランシスコ

目が覚めると8時。おや?今日は6時に起こしてもらって、ヨセミテ行きのはずなのにな どうしちゃったんだろう、キャップめずらしくお寝坊か?(自分で起きるという自立心まるでナシ) なんて思いつつリビングにいくと、二人とも起きていた。あららん。

話を聞くと、ダーリンの仕事が忙しく休めない状況になってしまったこと、さらに この6月というのはヨセミテ観光シーズン(氷がとけて水量がふえ、滝などがダイナミックに 楽しめる。気候もほどよい)の真っ只中であり、突然行っても全米から来る観光客の 人数は相当なものなので、宿は絶対取れないそうなのだ。
しきりにゴメンネーというキャップだが、ヨセミテ行きはSFに来て急遽決めたことだし それはメインでない。キャップが悪いわけでもないし、あたしも地の底に落ちるほど ガッカリしているわけではない。したがってノープロブレムである。 トレッキングとかきついことも好きじゃないし、いいよいいよ!本当に気にしないでね〜と いうことに落ち着いた。そうそう。そんな大忙しの滞在しなくていいんだよ。 あたしゃ、十分いまここにきて気持ちが凪いでおります。

さて、となると今日は、まえまえからやりたかったあの作戦が決行できるではないか。 キャップさんダーリンさん結婚おめでとう作戦。昨年春、 あたしの新婚旅行でハリキッてサプライズな出来事を送ってくれた(エジプト編参照) みなさんの中でも、キャップはその英語力を生かし、エジプト側との英語でのやりとりを やってくれていたようで(ボスは赤鬼係ちょーだったそうですが)そのお返しに なんかしなくちゃとは常々感じていた。そうだ!今日はその作戦を決行するよいチャンス日だわ。

まち
マーケットst付近をビクビク歩きつつ撮影

幸い?キャップは今日はクタクタにお疲れで、お出かけモードではないらしいので 鼻息も荒々しくあたしはひとりで電車にのってSFまででかけることにする。 キャップもダーリンも心配して、携帯電話を持たせてくれるなど本当にいたれりつくせり。 大丈夫ざんすよ。あたしはガンバルワ!撃たれなかったら帰ってきます

カルトレインに乗り、無事先日キャップとたどった記憶をたぐりよせ、無事にバスへ。 バスの半券をとっていれば4時間ほどどのバスにも乗れる仕組みで非常にありがたい。 目指すはSFMOMA。サンフランシスコ近代美術館である。
あたしは、旅先で美術館があればぜひ入りたいタチで、 博物館なんか眠くなってしょうがないのに、美術館は1日ぐうたらしていても飽きない。 しかも大好きな近代美術。こりゃこないわけにはいかないでしょうてなもんでララランラン。 さすがアメリカの美術館。おもった通り、所蔵展示物の質も素晴らしいものである。 福岡には、アジア美術館というステキな美術館があるのだが、あれをもっとヒネリを きかせた近代アートが並んでいる。おおおおPaul Klee特別展示室とかあるじゃないスか。 たっぷり見たかったけど、なんせすでに16時になろうとしているので、あまり遅くなると 大変てなもんで、後ろ髪を引かれながらMOMAを後にする。

さてどうしよう。まずユニオンスクエアに出て周辺をぐるぐるまわる。 なにを買おうかな・・・ そうだ!!キャップはくまちゃんが大好き。くまグッズなんかどうだろう!と 喜び勇んで、雑貨屋をまわるが、やっぱり気の効いたものはおいてない。 ああ、こういうときアメリカ人のセンスのおおざっぱさが口惜しい。
となると・・・・くま=ぬいぐるみが一番発見の確率が高いわね。 とりあえず、カフェでサンドイッチを買い、テーブルを陣取る。 ここでいっちょSFMOMAで買ったカードにメッセージ書いちゃうことにしよう。 ハッ!!
・・・・・コングラッチュレイションズのスペルがわからない・・・。 きあのばかばか!役立たず!どうしたらいいの〜

バス停
バス停はこの黄色のペイント。4th of July前らしい星条旗

とりあえず隣に座っていた若い白人カップルに話し掛けてみた。どうみても英語が母国語でっ す、てなかんじ。ナンシー笑わないでねこんなヘタレなあたしを(誰?)
「え、えくすきゅーずみー。うっじゅーてるみーすぺりんぐ、でぃすわーど。  ぷりーずらいと・・・」
といって、意識して眉毛を八の字にさせつつ、テキトウにメモに書いたコングラッシュレイションズという単語をみせ た。女の子は最初びっくりしたようだが、すぐにわかってくれて「OK」といって、一 文字一文字丁寧に単語を書いてくれた。Congratulations・・・・そうか。これが正しい コングラッチュレイションズか。16文字もあるじゃんか。覚えられねえつの(←そういう問題ではない)。 ああ、ありがとうナンシー(だから誰?)。
「さんきゅー」「どういたしまして」

一方的な国際交流、終了。すいませんすいません。コングラッチュレイションズの 単語さえわからないアタシなんです。

さて、無事おめでとカードも書き終えたことだし、メインであるくまちゃんぬいぐる みGETにむけて動き出さねばなるまい。・・・また英語かよ・・・とちょっと泣きそうにな るが、テーブルをかたづけにきたオヤジにまたもや話し掛けてみた。
「えくすきゅーずみー。あいむるっきんふぉーといしょっぷ。あいうぉんとぅてでぃ べあ。ふぉーまいふれんど。どぅゆのーといしょっぷ?」
おやじはこれでもすぐに理解してくれたようだ。ビツクリ。
「テディベアねえ。よし、わかった。この坂をのぼってすぐのあの角をヒダリにまが んなさい。そして3ブロック先にFAOっていう大きなおもちゃ屋さんがある。F、A、O だよ。大きな看板があるからすぐわかるからね。そこなら君の探し物は必ずみつか る」
「3ブロック?おっけーさんきゅーみすたー!」
「どういたしまして。君はどこからきたの?」
「あいむふろむじゃぱん」
「日本人か。サンフランシスコは初めて?気をつけてね」
「さんきゅーそーまっち、みすたー!はばないすでー」
まあ!アメリカ人のくせに感じいいじゃないの。おかしいなー。 ふぁっきんじゃっぷ!ごーほーむとか言われるはずなのに〜(はずじゃないはずじゃない)。

さてほんとにすぐにそのFAOは見つかった。3階建てくらいの大きなおもちゃ屋さん で、1階の奥にシュタイフ製のいかにも高そうなテディベアが並んでいるではあ〜り ませんか。「・・・これは買えない」とあきらめて2階に 上がってみた。するとそこはキャラクターグッズのオンパ レード。ディズニー、サンリオ、ワーナーBROSなどの人気キャラのおもちゃでいっぱ いだ。
「となると・・・やっぱプーさんなんだろうか」
ひとりつぶやきながらプーさんコーナーにいってみるとうじゃうじゃとプーさんがい る。ああっ、か、かわいい!フロアに正座して、ひとつひとつ吟味するあたし。 ちょっとアブナイ光景だが、そんなことは言ってられない。自分だったら、どれをも らうとうれしいかな〜と考えながら選んでいった。やっぱりオトナのふたりに、いつ ものプーさんじゃこどもっぽいよね。お、クラシックプーさんてのがあるじゃない。 しかも安いなあ。どれどれ・・・カワイクナイ・・・アメリカ人の思う可愛さと日本人の考 える可愛さの相違だろうか。ぜんぜん可愛くない。こんなのもらってもたぶん嬉しく ないよね。と、そのプーさんコーナーに1時間くらい座ってウンウンうなるあたし。

ふと、プーさんのぬいぐるみをみると、なんかだっこしてる。こ、これだ!
これはもう、ダーリンのためにあるとしかいえないぬいぐるみではないか。けっきょ くプーさんぬいぐるみを2つ購入することにした。子どもだましみたいなプレゼン ト、喜んでくれるかな・・・がっかりさせちゃうかな。など、やっぱり不安げにお 会計をすませるきあ。
「ぷりーずていくおふ、でぃすぷらいすしーる。ふぉーぎふと」
「OK。これは贈り物なんですね?じゃあ三階にあがったらラッピングサービスコーナー があるんで、そこにこのレシートを持ってみせてください。無料でやれます」
「あっぷすてあ?さんきゅー」
というわけで、ちょっとヒネリの聞いた(?)英語も無事理解できたきあ、どきどき しながら三階へむかう。また英語かよーと、なんだかいつもの旅では感じない英語へ の恐怖と常に隣り合わせだ。やっぱあたしはアメリカに(つか英語に)大いなるコン プレックスがあるんですよ。ええヘタレですとも。
「どぅゆうらっぷでぃすぼっくす?」
「ええそうよ。レシートをみせてください」
お姉さんは笑顔でささっとラッピングを始めた。ちいさなメッセージカードもくれた ので、せっかくなので書くことにした。しかし英単語ボキャブラ極貧の私のペンは ピタリと止まり「・・・書くっていったはいいけど、何をかけばいいんだ」。もう猿 か、私は。

とても笑顔のおふたりざんす
ダーリン&キャップとプレゼント達

ようやく英語から解放されたあたし。最後の仕事は花屋さんで花を買う、である。な んなんだ今日のあたしは。おとうさん気取りか!?なんていいつつも、こういうの結 構楽しいんだよね。サプライズ的なことは大好きなんだよ。ぶつくさいいながらもこ の状況を楽しんでいる。花屋で、情熱の真っ赤な花を購入後、新聞におおざっぱにく るまれたそれをもってウキウキと駅にむかう。気がつけば一方通行の道を歩いていた ようで、しょうがないんで20分以上テクテク歩いてようやくカルトレインの駅へ。お 花とFAOのロゴいりのおおきな袋をもったおおきな東洋人。どうやって渡そうかなっ とそのセリフなんざ考えつつキャップ宅へ帰り着いた。

「キャップー結婚おめでとう!」
結局照れながらも単純にお花を渡すことにした。新聞紙でぐるぐる巻きにされた なんの味わいもない花束なんだけど、キャップは笑顔で受取ってくれた。 SFMOMAで購入したビニール花瓶も一緒に。
ぬいぐるみは、ダーリンだ。「コングラッチュレイションズ、ユアマリッジ」 気の効いた言葉がしゃべれない自分がくやしい(こころのなかでじだんだじだんだ)。

キャップが作ってくれたおいしいディナーを囲んで、プレゼントをあける。 キャップには「くまのプーさんスタンダードサイズ」ダーリンには「くまのプーさん じゃっかん大き目サイズ子豚付き」である。そう、FAOで 見てこれだ!とおもったのが子豚ちゃんをプーさんが 抱いていたからだ。だってダーリンはトンカツ好き。これはエスプリきいてる。ふふっさすがきあ。自画自賛。
ダーリンはコブタ付きのをキャップに 渡そうとしたが「だめだめ、この子豚ちゃんを育ててDFP(豚カツのこと)にするんだから これはダーリンざんすよ」というような感じの単語(文法になってない言葉)を 並べ立てたらわかってくれたみたい。よかった。私もすごく嬉しい。こどもだましみたいな プレゼントで申し訳ない気もするけど。

夜の大学
大学の教会。すげえキレイでした

夜更けすぎに、みんなでドライブに出かけよう!と勇んでおでかけ。 車で数十分のところにある大学を案内してもらうことにした。静かな敷地内。 ロダンコレクションやキュートな(?)トーテムポールの林などあちこち 案内してもらい、2時間くらい3人でお散歩を楽しんでいた。いいないいな 夜のおさんぽ。ラブラブ仲良しのふたりの影。長くてうすい影がゆらゆらゆれる。 あたしはライトアップされた大学を眺めながら、 ゆっくりゆっくり流れるアメリカの夜のひとときを楽しんでいたのです。


本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 キャップとフタリ分のお金です

■カルトレイン(オフピーク) 2.5$
■バス1$
■SFMOMA入場料 9$
■MOMAグッズなど 23.77$
■昼飯 6.82$
■ぬいぐるみ2つ ??.?$
(←キャップがみるから内緒)
■花 4.82$
■水 1$
■カルトレイン(オンピーク) 3.25$




2001年6月30日 サンフランシスコ

おいしそうなニオイをぷんぷん撒き散らしながら、飲茶隊(勝手に命名)が きあとキャップのテーブルのまわりを行き来する。ああ!あれもたべたい! これも食べたい!でもオナカがいっぱいだよう!と涙目のふたり。
そう、ここはとあるSF郊外の町の評判の飲茶屋さんなのだ。

今日はまたもやキャップとお出かけデイ。飲茶をしたあとドライブなんかしゃれこんじまい ましょうかオヤビン、てなもんで昼ごろブヒーンとクルマでお出かけ。土曜日だし人も 多いかな〜なんていいながら、無事、キャップいちおしのKOIPALACE(鯉宮殿)という この中華のお店に到着。とにかくすっごい人!!(ほとんど中国人)店の外にはみだして 待ちわびるチャイニーズたち。こりゃしばらくは順番まわってこないわね〜と 近くのショッピングセンターなどぶらつきながら3〜40分ほど待つことにする。

とにかくうま〜い!やっぱアジアのご飯は舌に合いますなあオクサン、と言い合いながら 食べたかどうかはさだかではないが、冒頭のように、ふたりでエビシュウマイやら 春巻きやらなんやらかんやら食ってみたが、数皿でもう腹一杯。 もうギブギブ!無理っす!でももっと食べたいっす。ああ、こんなときにダーリンが いてくれれば・・・いいえ、配合さんがいてくれれば中国語であれこれメニューに ついてきけるし、係ちょーなんかいた日にゃ、たぶん店の食材食い尽くしてくれるに 違いない。そういいながら、負け犬のあたしたちは、残った飲茶をお持ち帰りして お店を後にした。いやー、どこにいってもハズレ無し!おそるべし中華料理。

杉山清隆&オメガトライブ風味
人気のない海岸のアメリカンな一角

さて、「これからどうする?」「アタシ、海がみたいわ」なんて 少女漫画のような言葉を返したきあ。さっそく太平洋を見に海にいくことにする。 玄海灘育ちのあたしにとって太平洋なんてもう恐れ多いってカンジ。 なんだか、杉山清隆の歌のような、そしてハートカクテルbyわたせせいぞうの絵のような なんともアメリカチックな場所を想像し、そのとおりの海岸に辿り着いた。

黒い砂浜にうちよせるビッグウエーブ。こんな波をみたら、日本のサーファーさんは 大喜びなんでしょう。だって日本の海の波、しょぼいもんね。
浜辺で遊ぶ人、岸壁にすわって海を眺める人。肌の色、みーんなちがう。でも みんな「そんなのなんの関係があるの?」てな感じで ボケーッと海を眺める。ふむー。

さらに海岸線を南下し、1時間以上車を走らせる。楽しい!海と町の風景がいれかわり たちかわり。空は圧倒的に蒼いし、海は絶対的にデカい。広がる風景はかなり 美しく、このまま南下し続けてロサンゼルスまで行ってしまいたいほど。 ゆるやかな傾斜をのぼったりくだったり曲がったりしているうちに、ちょっとでかい 灯台が見えた。キャップのジモティー地図を見てみるとピジョンポイントと 書いてある。ここいってみましょう。
ちいさな可愛いユースホステルが併設された灯台は、なんかクラシック。 断崖絶壁の強い風に、どかんと立ってなかなかステキ。ちらほら観光客もいて そののんびり加減がよい。あとで気がついたのだが、この風景、熊本県の天草の西海岸に良く似ている。

ピジョンポイント
yahooMAPで捜したけど見つからない。ピジョンポイント

イルカなども見えるらしいこの場所、ほどよく小さく、景色は最高に良く、マッタリするのには ちょうどヨシ。ドライブ中も、ここでも、いつでもどこでもキャップと話し続けているが この開放的な場所でも話は終わらない。眺めがいいと、きもちもおおらかになるのはどうして だろうね??あーよかったよ、アメリカにきて。つーか、キャップとこういう大きな風景を みながらゆーっくりはなせてホントウによかった。ありがとうとあたしはいいたい。あたしは こういう日だまりの下でのんびりっていうのを求めてやってきたの。本当に本当に感無量だ。

さて17時過ぎに灯台を後にして、同じ道を北上し家路につく。大きなスーパーマーケット、 セーフウェイでお買物をして、おうちでゴハンタイム。 しかし家に帰って来て、ハタと気がついた。ああっ!Gパンのシリが破けてる! いつから破けてたの?ぜんぜん気がつかなかった。ハズカチイ・・・ 夏用の薄い生地のものだったとはいえ、長年愛用してきたので寂しい。さようなら、 ハリウッドランチマーケットのブーツカットジーンズちゃん。サンフランシスコの空の下に 眠るがいい(といって、キャップんちにおいてきちゃった。いい迷惑だよね。恩をアダで返すアタシ)

海岸沿
1時間以上、こんな海岸線をドライブ




本日の出費
※■で表現したものは自分自身で使ったお金。◆のぶんは、 キャップとフタリ分のお金です

◆飲茶 34$
■セーフウェイでジャンク買物 58.25$



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