お手軽レポート
八 重 山 プ チ 仕 事


一日目二日目三日目


必殺仕事人たちが歩く歩く、珊瑚の道。

参考資料:→八重山の場所


一日目
「今回は八重山なんですよ」
断りきれなかった仕事

7月に入って猛烈に忙しくなったアタクシ。九州全県をくまなくまわったあとは、 北陸へという過酷なスケジュールにうんざりしていたところ、H誌のプロデューサーT氏から 電話。
「きあさん今月末忙しいすか?」
「うーんそうですねおかげ様で〜」
「巻頭特集8ページお願いしたいんですけどね、八重山なんですよね」

いっ、いきますいきます。何があってもいきますう(心のfontsizeは100)

というわけで飛びついたお仕事。これで行かないバカは いない。そんなこんなでグロンサンをいっぱいのみつつ、一路石垣島直行便の機上の人に。


宮古と石垣の間にある多良間島?海キレー。空中散歩もまた楽しや


男女4人夏物語
浮かれ気分でお仕事お仕事

仕事だ仕事だ、浮かれちゃいけない・・・自分に言い聞かせては見るものの「ウフッ八重山!海きれいだわあ〜 やったあ☆」と喜ぶディレクターU女史が目の前ではしゃいでいる。Uさん・・・あんたって人は・・・ シュノーケルとフィンまで持ってきたんですかあっ!(ちなみにUさんはサカナ女。毎日ジムで2時間泳いで 夏は毎週海に素潜りという恐ろしいアクティブさ)そういう雰囲気なので、なんだかんだいいつつ みんな浮かれ気分は隠せない。私も水着とビーチボール(恥)を持参してみた。
カメラマンは地元沖縄のEさん。去年もいろいろ沖縄を案内してくれた親切さんだ。 プロデューサのT氏を含め総勢4名の取材隊はとりあえず石垣から船で20分の竹富島に渡った。 今日は移動だけということで、T氏、Tシャツ短パンサンダルという銭湯帰りのようなスタイルである。 いったい無事仕事が終わるかどうか、神のみぞ知る・・・



石垣〜竹富連絡船はサイドドア全開でゴウゴウ走る


夢か幻か日本のアジア
町の美しさにノックアウト

竹富島は無法地帯だった。というか迎えに来た民宿のおっちゃんが「あ、シートベルトはいいサ〜、誰もしないヨ〜、 ほら、バイクもノーヘルでしょ〜」と早々の先制パンチだ。ああ、どうみても80すぎのオジィが麦わら帽子で カブにまたがってますう!死ぬよちょっと。でもいきなりのアジアっぽさにもうクラクラ。 そしてもうひとつのクラクラは、まぶしいほどの珊瑚の道だ。道の白さはカメラマン曰く「レフいらず」。 反射がすごいので眩しくてたまらない。しかしハイビスカスの生垣の緑や空の青さに映えて、めっ・・・ちゃめちゃ 美しいし素朴。
歩くたびに「ざら」「さら」「ざく」という音が情緒あるう。
後に小浜島のある民宿のゲストブックに「竹富島は作られたキレイさでおもしろくない」と書いてある一文が ありましたが、それは大間違い。作られたんじゃなくて昔からの姿を守っているんですっ。いやーまじすげえ。


道が真っ白なのわかる?舗装されておらず、砕いた珊瑚がまかれているのです。
どこまでも赤瓦とシーサーと緑と花と空の青。これしかない、まじ芸術。


浜辺までチャリですぐ
コンパクト竹富

その日は移動日ということで、打ち合わせだけでおわりっ。「私は暑がりで、寝るときにクーラーがどうしても必要なので、ひとりで石垣のビジネスホテルに泊まります」というカワイソウなT氏を見送ったあと、夕刻さっそくカメラマンE氏とU女史、きあの3名で 自転車を駆って15分ほどのコンドイ浜へ。しかし岩場がなく、シュノーケラー(?)なU女史は不満げ、となりの 星の砂のビーチに移動してちゃぱちゃぱ楽しむ。干潮でどこまでいっても浜だらけ。海はたいしたことないなあ〜と いうことで、明日は島北部の岩場で泳ぐことにしましょう。 浜辺には野良猫集団がぞくぞくと集まり、都会の観光客を嫌がらせていて大変おもしろかった。
竹富島、これはなかなか面白そうだ。(←すでに仕事であることを忘れている)



親子・兄弟野良猫の宝庫





2日目
朝からピーカン
水牛で散歩

街のべたついた暑さにくらべ、日差しはきついが日陰はすずしいこの地方。心地いいがやはり 朝からすでにガンガンあつい。宿のおばさんのおいし〜料理(これがまた民宿のくせにしょぼくなく、 おふくろ&郷土の味で大層きにいったご一行)を食べた後は、取材をかねて水牛にのって島のなかを いく。
水牛はすごい賢い。細い路地をなんと「内輪差」を考えてまがるのだ。おそるべし水牛。そして なにもしなくても勝手にコースをあるき、水のみ場ではとまって水浴びを静かに要求。水牛飼いたい・・・(嘘です)。 ガイドのお兄さんは思ったとおり、内地からきたひとであった。彼がうたう「安里屋ユンタ」も意外に情緒あふれて いい感じ。


牛車は大人気。でも暑いのにかわいそうな八重ちゃん(ウシの名前)

花さく小路
太陽っていいなあ

いちいち探さなくても、ただ珊瑚の道を歩くだけでこんだけの花たちがお出迎えしてくれる。 竹富のひとは花が好きなようだ。というか植えたらなんにもしなくてもにょきにょき生えてくるのだろう。 生垣がハイビスカスだったりするし、ブーゲンビリアなんか当たり前に一年中咲いてるらしいし・・・ インチキガーデナーなあたしもうっとり。アボたんはこういうところで育てたい。







さて、今日の仕事も無事おわり(仕事の内容はもうはしょります)夕方さっそく島北部の岩場へおでかけ。 今日は宿のおばちゃんがなんとフィンもシュノーケルもタダで貸してくれた。すばらしい・・・民宿マキ。 ここ、メシうますぎ。おばちゃん、気前よすぎ。

話はそれますが、あたしは民宿のような安宿は全然ヘイキですが、義務的に盛り上がらなければいけないような宿は 大嫌いです(例えばバリのジェゴクのときのような)。後日いった小浜島のある民宿にとまったとき、宿の雰囲気の悪さと夕食のまずさ(薄いシチューとか出すな!シチューよりモズクくわせろ!)に「?」としたわたしらは近所の喫茶店へ行って腹ごなし&かるく飲んできました。2時間ほどすぎてほろよい気分で宿にもどったら 座敷のテーブルに並ぶ宿泊客・・・そして「埼玉からきました、鈴木です」と、各自自己紹介しているひとたちの姿。あたしとU女史は「ぎゃっ!」と いい、そそくさと部屋へ退避。本当にブキミなすがた。そんな、義理で和をつくらなければいけないことって あるの?みんなが好きなようにあつまって、しゃべりたい人がしゃべる、それでいいじゃん。という感じなのですが。旅にでてまで何を気を使うか、キミタチは。


マキ荘のヒロイン猫(ウウッ!名前わすれてしもた)

話は長くなりましたが、そういう意味で民宿マキはいい感じにかまってくれ、いい感じにほっといてくれるのが最高。おばちゃんはアイスコーヒーや シークワーサージュースやハイビスカスティやカキ氷など、店の売り物なのに、私たちが取材からかえってきたり休憩するたんびに 「疲れたでショー」と間髪いれずに(タダで)作ってくれ、それ以上しつこくしない。どちらかというと初対面のひとはぶっきらぼうに思うのでは?と心配したくなるほど。そして肝心の宿のおっちゃんはだまーってニコニコしているだけなのだ。竹富から去ったあとの私たちの口癖は「マキに帰りたい・・・」そればっかりでした。以上、マキ推薦文でした(?)。

そんなこんなで借りたグッズで存分に岩場の珊瑚とお魚たちを堪能。竹富島にはもぐるスポットは ほとんどない(遠浅砂浜なので岩場がない)ので、この岩場ぐらいなのでしょう。 そしてへとへとに疲れたあたしはまた今日も9時に寝るのです。早すぎ。(仕事してます、ほんとです、信じて)


夕暮れの海へ続く道。センスのなさとしょぼいデジカメ画像とで
たいへんどうしようもない絵ですがムードだけでもつたわるでしょうか





3日目
幻の早朝シュノーケル
仕事もたのしいなっ

今日は5時半に起きて、朝、潮が満ちているときにでもシュノーケルしにいこうかなと 言ってたのに、U女史もあたくしもすっかり夢の中・・・ハッと起きたら8時。 ガックシだっつの。気を取り直して今日もご飯を食べてお仕事お仕事。今日が、 竹富島最終日。今日の夕方には「ちゅらさん」でおなじみの小浜島へいかねば なりませぬ。(おなじみの、といいながらすいません。全然ストーリー知りません・・・。 本当に世の中のひとはあんな朝っぱらからドラマなんか見てるの?考えられない、私の 脳みそはそんな許容範囲、朝からないっすよ。といいつつ、沖縄ではほとんど99%の人が 朝からテレビをつけて「さくら」を見ていました。セインカミユ、お前はいったいなんなんだムカツクぞ!←しっかり見てるやつ)


ふと日陰からひなたを見るとなんだか枠の中の別世界のようでした

今日もたくさんのジジババに会えました。みんなおだやかでとっても豊かな顔をしている。 オジィはいい感じにスケベで、私のケツをさわってきます。しかし不思議なことに爺さんに 触られてもなんてこたーない。まーしょうがないわね(はあと)てなもんでほほえましいところが なんとも不思議・・・。色多き人物が長生きするのかなー


竹富島は今日で最後の撮影なのに急なスコール。

表紙用の撮影に、竹富のジジババ大勢に集まってもらって、ブーゲンビリアの木の下で ポーズをとったり。そのときも一番年上のじいさん(99歳…)が、80歳代のばあさんに席をゆずってた。 じいさん!お前がすわっとけ!そんな感じだが、その風景は恐ろしく素敵だ。
その撮影が済むのをまってたかのように、みんなを送り届けてから、ざあざあと雨がふりだした。 南の島のスコールはなんて気持ちがいいのでしょう!結局1時間降り続いた。 私たちは雨宿りがてら、カキ氷をたべた。夏の味がした。


赤瓦、シーサー、花と石垣。
これが必ずセットになってる竹富のおうちの風景。

昼過ぎの船で、石垣島へ戻る。明日は小浜島取材、その後石垣島取材というふうに続く。 取材旅行はまだまだ終わらないが、いま考えたら私の「やいま(八重山)」の概念はこの島で作られた。 もう他の島の印象が色あせる。小浜島ファンには申し訳ないが、あの島の印象はまったくない。 竹富島はあまりにも小さくてあまりにも住んでいる人と私との距離を縮めてしまった。 すこしでもしゃべったりいっしょにごはんたべたりすると、その人にその島に ものすごい親近感を感じてしまう。だから私は竹富がわすれられない。竹富が沖縄の原風景を 残すキレーな島だから、ではなく「あのばあちゃん、今日もミンサー織ってるのかな」とか 「あのひとのカジマヤーにまたこれたらいいな」(※カジマヤーとは沖縄独自の97歳の祝い)とか そんな感じ。とりあえず私の八重山は今日で終わり。いい仕事させてもらった…ほんと。


マキ名物、パッションフルーツカキ氷。
治療中の虫歯にシミウマ〜



〜おわり〜






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