ここにはメーカーを問わないヘッド関連の追加工に関わる技術文書を置いてあります。
当サイトよりよっぽど上手で分かりやすいサイトが星の数ほどあるのではないかと思いますが、私流のフェイスペイントについて軽く紹介してみます。
出来はともかくとにかく手を抜いてフェイスペイントしたいという方、あるいは軽くお試しでやってみたい方に。
まぁ塗れればどれでも構わないとは思いますが、よく使われている塗料として以下の組み合わせがあります。
なお、もっとお手軽に行きたい方は百円ショップダイソーの「水性アクリルペイント」(似てますが「水性アクリル絵の具」と間違えないように)でも大丈夫だと思います。この場合はリキテのセットに準じて(ただし添加剤を共用できるかどうかは未確認)そろえて下さい。
さて、私はもともとプラモ人ですので上記3種類全て持っているのですが、フェイスペイントにはリキテを使っています。Mr.やVカラーは乾燥後の塗膜強度の点でリキテに勝るのですが、少量多色を使い混色も多いフェイスペイントの場合どうしても塗料を外気にさらしている時間が長くなり有機溶剤を使用する2者は鼻的に厳しいものが有りました。
と言うことで、以下の説明では塗料としてリキテのセットを使用します。特に薄め具合などで他2者との違いがありますのでその旨ご了承下さい。
塗料以外に必要なものとして、上記に書いた物の中では以下の選択肢があります。
まずはペイントに向けて準備をしましょう。
植毛ヘッドの場合、特にリキテで描くのであれば事前にお湯パーマは済ませておきます(カットはまだ)。パーマが完了したら、顔面を開けるように髪を寄せて糸や針金で縛ります。顔面が離型剤等でべたべたする場合、中性洗剤で洗うかMr.薄め液で軽くふき取っておきます。ボディは付けても付けなくてもいいです。
作業場所は広く開けましょう。でないと私のように展示中の人形が塗装中のヘッドの上にごろん、てな事になります・・・冗談はさておき、特にトップコートを吹く時はスプレーゆえ予想外に塗料が広く飛ぶので段ボール箱の中で作業するくらいの用意は必要です。また、乾燥中にほこりが吸い付いてしまわないよう事前に掃除をしておくのも吉です。
リキテの場合気にする必要はありませんが、Mr.やVの場合は有機溶剤に長時間晒されるので換気も忘れずに。
事前にヘッドの大きさや形を良く見ておいて、ペイントのイメージを固めておきましょう。現実の誰かや架空の誰かをモデルにするのも良いと思いますが、もしもモデルそのまんまの人形を作る際は肖像権絡みのトラブルを避けるためあまり人目に晒さない方が良いかもしれません。
暇な時にペイント用の「目型」を落書きしておくと、いちいちゼロから考えなくても済むのでイメージ把握が楽になります。特に私の場合ヘッドへの下書きはしないので、これが唯一の「見本」となります。
事前準備ができたら、後は一服用の珈琲とお気に入りのCDでも掛けて作業にかかりましょう。
個人的にはSILVAなど西海岸風でノリがよいのでお勧めですが、まぁ何でも(笑)。
ではペイント開始です。準備の所で書いたように、私はヘッドへの下書きは行なわずいきなり描いていきます。どうせ目型があっても2Dから3Dへの写し込みの際に違いは出てくるのですし、下書きを描いても途中で失敗すれば消すのは一緒、むしろ下書きの分だけヘッドが汚れるリスクが増えます。
作業中の注意事項として、まず使用するリキテは大量に出さないようにしましょう。塗装面積が少ないのもそうですが、細かい作業をしているといつの間にかパレット上で乾燥して使用不可になる事もありますのでその場で使用する色各色1滴くらいずつを出して、不足するごとに追加していく様にします。
以下の写真で背景のパレットに見えている分量がちょうど1滴です。色の脇に見える白いのは下記の薄め用溶媒(セットに記載したメディウムや水の混合液)。
各色はチューブから出した分をおおむね2〜3倍以上に薄めて塗ります。スポイトがあると溶媒を垂らす時にいちいち筆を洗わずに済みます。
私もうっかりやってしまいがちですが、1度塗った個所は多少の筆むらがあっても乾燥するまで待つ事。すぐに修正しようとすると半乾燥の塗装面を筆先でひっかいてしまうのでダメージが倍加します。
まずは全ての基準となる上まぶたの線から描いて行きます。この位の線ならわざわざ下書きも要りません。自分の気に入るラインが出るまで何度でも描き直しましょう。
ちなみに、左右を対称に描くには色々な方法がありますが、得意な方を描いたら反対はヘッドの上下を逆にして極細線で長さと高さ、おおまかなカーブが合うように描いてしまえば後から少しづつ太らせて行くことで大体似た線になります。私のようなアニメ絵の場合にしか通用しない方法ではありますが、参考にはなるでしょう。
多少の差なら「どうせ生身も顔の左右は対称じゃない」と割りきる勇気も必要です。
なお、この時点ではまだ二重や睫毛などの装飾は入れません。
上まぶたが描けたら、続いて黒目と下まぶたを描きます。これでヘッド上での大体のイメージは掴めるようになるので、改めて自分好みのバランスかどうかヘッドを回しながら確認します。正面がよくても横顔が変、あるいは特に写真のノアドロームCW04は斜め上から見ると変な時は思いっきり変になりますので要注意。
黒目の左右の描線の太さが違ってますが、あとで瞳を塗って行く際に調整して行きます。まずは形を出す事が優先。
ちなみに、下唇の中心と左右の目尻がだいたい正3角形になる辺りがバランスの基準になります。年齢を上げたい場合はこの仮想3角形が縦長になるよう、下げたい場合は横長になるよう目の位置を変えるといいでしょう。
あんまり目自体の大きさを大きくし過ぎるとより目がちになるので、その辺も要注意。リアルに行くなら顔幅を5等分した長さが目の大きさになりますが、キャラ物の場合その辺はお好みで。
ちなみに、ここでは全ての描線を黒で書いてますが、光彩の色に合わせた色で黒目を書けばいかにもお絵かき風な感じを減らす事ができます。
形ができた所で塗りに入ります。まずは白目から。私もあんまり言えませんが、4回塗りするくらいの気持ちで薄めに調整した白(チタニウムホワイト)を塗っては乾かしの繰り返しで筆むらを抑えつつ塗ります。
気分の問題で、次は眉。髪色と合わせて混色した方が自然に見えますが、わざと変えてみるのも面白いです。技術的には上まぶたと同じ。
写真が1段階飛んでいますが、光彩の塗りです。細かいグラデーションを掛けたり放射線を入れたりするのが最近の流行のようですが、めんどくさいので塗り分けによる簡単な偽グラデを入れます。
最初に光彩全体を基本となる色で塗りつぶした後、1段明るい色を混色して光彩の下側に入れます。ここでは丸く入れてますが、極端な話下側1/3を塗りつぶしても大丈夫です。色々なパターンを試してみて下さい。
この時に便利なのが、ボークスのセットに入ってない色ですがもう1つの白(ジンクホワイト)です。透明色のため色彩を余り変えずに明度だけ明るくする事ができます。
今度は基本色より1段暗い色を混色して、光彩の上側に塗ります。これで3段偽グラデーションが出来ました。小さい光彩の場合は2段で済ますとか逆に大きい場合には4段以上入れてみるとかいろいろ出来ると思います。
瞳孔とハイライトを入れます。ハイライトは偽グラデの塗り分けた境界を狙って置くとあらが目立たなくなります(汗)。
瞳孔は光彩の中心に余りこだわらず、想定した目線の方向から見て両方の向きが合うように入れないと後で見た時の印象が変になります。
最後に二重や睫毛といった装飾を入れ、塗りの過程で細くなってしまった描線も引き直します。ルージュはお好みで。私の場合もともとのペイントパターン自体が漫画系なので、シャドウやチークは入れません。これもきつくならない程度にお好みで。
ここまで完了したら、ほこり除けのためガチャポンカプセルをかぶせ、ヘッド穴に菜箸を差して空き瓶に立てて乾燥を待ちます。保護塗装(トップコート)をする場合は十分乾燥してから行ないましょう。でないといつまで経ってもべたべたして結局全部消して描き直し、なんてことになります。
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