当サイトの様にパーツ組み立てで、もしくは市販品を基に改造などして人形を作る場合、顔の作り方には『描く』か『貼る』かの2通りの方法があります。
If you want to make your own customized doll, there are two method to make up his (or her) face : directly paint or applying a decal.
(sorry, I don't say the method about how to use dolleye, because I don't have enough experience about it.)
『描く』場合はアクリル絵の具やプラモデル用塗料でヘッドに直接書いていくわけですが、当然ヘッドは立体ですので平面に描くよりは難しくなります。
『貼る』場合は販売(メーカー以外に人形系同人サークルでも手掛けています)されているデカール(水転写シール)か、模型店で売られている何も印刷されていないデカールのシートに自分で書いたものをヘッドに貼りつけます。『描く』より作業は簡単ですしやり直しも容易ですが、時に後から厄介な問題が起きることがあります。
If you want to paint a face to your doll head, check other section.
If you select using the decal, it is easier than paint. You can choose the face for your doll among decals produced by many makers and amateur designers. (and so, you can design and make your own decal.)
貼ったデカールが時間の経過と共にあたかも溶触したかのような状態になり、ほこりや他のもの(特にそのヘッドの髪)が貼り付いて取れなくなる時があります。
But in some case, decal has big problem. I call it "decal dissolving".
That is one of damage of decal by progress at time. In this case, the decal is feel like sticky.
これに関して、@nifty内のスケールモデルに関するBBSで見つけたデカール保護に関する議論(人形とは関係なし)をヒントにちょっとした実験をしてみました。
To resist that problem, I found an idea from local BBS that has discussion about the method to protect the decal for plastic models.
I tried it in report below.
ボークス・EBボディ付属のはげ頭表面にGSIクレオス製の塗料「Mr.カラー:スーパークリア艶消し」を塗布した後、
を添加剤(軟化剤・糊)なしで貼付して様子を見ることにしました。
I chose 3 decals for this test. The one is made by NDR, and others are made by amateurs. and I used 3 Volks head too.
At first, I painted all head with Mr.color super clear (flat).
I know the material of all decals are same to use for the plastic model. but the decal for models are not become to sticky.
I thought the reason is something from vinyl head, and sealed it with layer of clear paint.
I applied decals over paint layer. Let's observe the change of their condition.
追記・・
サークル「GIGA」様は第2版以降デカールのシート素材を変更されたとのことですので、上記はあくまでも参考ということになります。なお、2004年春現在同サークルからのデカール販売は終了しているようです。
サークル「裏庭」様は2001年2月末をもってデカールの販売を終了されています。
一応こちらの考えとして、C.と同じシートを普通のプラモデルに貼っても溶触するような事はないので問題はデカールの土台であるヘッド素材(ソフビ)自体にあるということで、クリア塗装によって表面に薄い樹脂膜を形成した上に貼れば解決するのではないかと推測しています。
デカール上からもクリアを塗ればデカールの破損防止も出来るはずですが、今回は溶触抑止効果確認が目的の為上塗りはしていません。
試験中のヘッド:左より本文中C,A,D,B
A.B.C.とも問題はありません。若干A.が浮き気味ですが、これは貼付時の状況とデカールの問題(再貼付が容易になる様糊を弱めに作っているとのこと)と思われます。
また、これ以前7月頃にテストしたまま放置していた
D.サークル「裏庭」製「花筏」V2.01+貼付後Mr.カラースーパークリア塗布
を部屋を整理した際に発見しました。このときは塗布後3週間前後でべた付いていたのですが何故か今は落ち着いています。
12日目前後からB.表面が濡れたような状態になりべた付いて来ました。A.及びC.には異常はありませんがA.がかなり浮いた状態になりましたので市販のデカール用糊をすき間に流し込んで再接着しました。D.も特に変化はありません。おそらくこれはこのままではないでしょうか。
余談ですが、フェイスペイントの練習の為にデカールを貼ってあった他のヘッドからデカール(既に溶触)をはがした際「マジックでクリアシートに書いた自作デカール」の色がしっかりヘッドに移行していました。
マジックでデカールを作るなんて事をしている方はいないとは思いますが、念のためご注意を。
B.表面に少しずつしわが寄って来ました。A.及びC.更にD.には引き続き異常はありません。D.の前テスト時でもここまでは問題なしでしたので、今後どう変化するかが勝負(?)どころでしょう。
ところで、このテストはドールヘッドをボディに装備しない状態で行なっています。当然の事ですが、顔面全面に塗装を行なえば表面の樹脂膜の分だけヘッドの厚みと堅さは増します。(怪獣消しゴム等に塗装した経験のある方はおわかりになるかと思います)
このためヘッドの変形量はノーマルより小さくなり、また無理に変形させれば塗装面が割れる可能性もあります。これを試される方は、塗装後のヘッドはボディとの接続方法を変更(ボールジョイント化など)していない限り差したら抜かないつもりでいた方が良いと思います。
気温湿度の低下によるのか不明ですが先週よりB.の状態が改善されて来ました。つや&しわはそのままですが、表面を触ってもべた付くことはありません。その他のヘッドについては変化はありません。ひとまず冬季の間はこのままではないかという感じがしています。
しばらく書いてませんが、先週前後からC.表面に乾いたまましわがよって来ました。計ってはいませんがヘッドの寸法が微妙に変動でもしていて、デカールの乗っている樹脂膜と寸法的な差が出ているのでしょうか?端の方も少し浮いた感じになっています。他はそのままです。
前回記録時と状況に変化はありません。どうやらこれで安定したと見ても問題は無いようです。ひとまず今回の実験はここまでとし、以後は折りを見て確認する程度にしたいと思います。
この間ヘッドは室内から菓子箱にしまったものの、箱自体を室内に放置していたので温度湿度的な変化は実験中と大差ないかと思います。ヘッドの方ですがやはり前回記録時と状況に変化はありません。
・・というわけで、完全ではありませんがある程度の溶触防止効果は得られたものと考えます。デカール表現の顔を持つ人形のオーナーで溶触にお困りの方は(100パーセントの保証は出来かねますが)参考にしてみて下さい。
ついでですが、既に溶触したデカールに髪が張り付いてしまった場合、張り付きの程度が軽ければ水を浸した綿棒で溶蝕面をなぞることで髪を浮かせる事ができます。(何度か実績あり)
ただ、浮いた髪をはがす際は慎重に行なわないとデカールごとはがれる危険が有りますので注意して下さい。
この間ヘッドは菓子箱のまま保存されていましたが、植毛用ヘッド不足のためにデカールを剥がして再利用することにしました。
その時の状況ですが、B.については気温と湿度の上昇のせいか再び溶蝕傾向を示していました。残りのヘッドはデカールの溶蝕はありませんでしたがデカール自体に相当の浮きが見られます。3週間目のコメントに記載したように微妙にヘッドの寸法が変動しているか、糊が経時変化で接着力を失ったと思われます。
この方式で完全を期するにはやはり乾燥後に再度クリア塗装してデカールを塗膜中に封じ込めるのが良いのでしょう。
顔面塗装法に効果があった事はこれで確認できましたので、実験はこの時点をもって終了とします。