登山レポート ★★椎葉「上の小屋谷」沢登り★★ 2007年7月28,29日

真夏だが水は冷たい、上の小屋谷に入渓して大きな石のゴーロを歩いていくとすでに体は汗ばみ、やがて出てきた滝壷にも躊躇することなく全身を漬かり泳ぎが楽しい。

ここは九州最深部椎葉の谷です、この沢は日帰りは無理なため沢中泊の予定で入っています。

滝は20m、30m、20mと高巻いたがこの沢の最大の難関は高巻でした、1箇所の高巻は中級から上級クラスでした、ザイルを出して慎重に巻いていきます。

大部分は数mの小滝や斜滝がほとんどでとても楽しめます、また10m前後の滝も多く比較的簡単に登れます。
しかし安全のためたとえ簡単でもビレイはとり、セカンド以降はザイルで確保するのが鉄則です。

 

途中この谷名の由来である上の小屋は石垣だけが残っており30年くらい昔までは4家族が住んで牛も飼っていたそうです。

昔の奥椎葉のひっそりとした、しかし厳しい暮らしを感じさせる場所でしたが今では杉の立ち木でその面影は石垣と庭に残ったお茶の木だけでした。

午前中は軽やかな足取りも昼食後には背負った荷物の重みがこたえられるようになり入渓から8時間で打ち切り滝壷のちょっと離れた狭いけどツェルト2張りは十分な砂地にビバーグ。(写真)


焚き火をして風もなく滝の音だけが心地よく、そば焼酎で酔いがまっていった最高の夜でした。

翌日は更にゴルジュ帯を進み林道と越えて(門割林道ですが途中崩壊して今は使われていません)
当初この林道にテン泊予定でしたがここまで一日ではちょっと厳しいという感じです。

更に山頂を目指しますが、参考にした吉川さん著書の「九州の沢と源流」にもすでにレポートに無い部分を登っています。

(ヤマメも手づかみ)

1700mを越える国見岳の水は絶えることなく流れており、まだまだ素晴らしい滝も何本かありここまで来ると静かにキレンゲショウマや葉ワサビなど、なかなか見ることができない花々が咲き乱れていてしばし厳しい疲れを忘れさせてくれます。

(写真はまだ蕾のキレンゲショウマ)

下りは五勇〜石堂屋経由尾前まで下りましたが途中藪こぎをしいられて7時間程度かかってしまいました、あとから地元の方に聞くと雷坂は切り分けているそうなのでもし次回いかれる方がいれば下山は雷坂を利用したほうがいいと思います。

(写真:源流に近づき最後の水をくむ)

奥椎葉の猟師さんはこの谷々を駆け巡っていたいたそうです、「あんたどんが行った所を、わしは一日2回も3回もシシを追ってかい上がりよった」・・・

お爺さん、谷の名前をしゃべり始めたら止まらない、若い頃相当に椎葉の山中でならしたようだ。
下山途中水を頂いたときに話した山の中の一軒家のお爺さんの話がとても印象的な素晴らしい椎葉の、多分九州の沢では最長の沢だと思う上の小屋谷を心地よい疲れとともにあとにしました。


(写真:イワタバコ)

上の小屋谷の耳川合流点から入渓〜小国見岳まで合計12時間のとても長い沢でした。
ルートは上の小屋谷〜国見谷〜国見谷左俣へ入り山頂へ出ましたが藪もなく、きつささえ克服できればとても快適な沢です。
(写真はこの沢最大の30m滝)

参考所要時間
沢登:上の小屋谷の耳川合流点〜国見谷〜国見谷左俣〜小国見岳 12時間
下山:小国見岳〜五勇〜石堂屋経由尾前入渓地 7時間

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