21日(9:30)大泉学園→(12:10)白久駅→(14:10-14:30)城山→(14:45)熊倉山登 山口→(16:20)武州日野駅→(18:30)大泉学園
台風一過を狙ってキノコと粘菌観察に出かける。近場で、雑木林のあるところを 考えたが、いい場所が思いつかない。お手軽に城山でもいってみようとしたが、 いきなり寝坊。白久に着いたのはお昼を回ってしまった。それにしてもきょうは 暑い。登山道までの道順が不安だったが、「白久―日野自然観察路」の案内標識 が出ているのでボーっと歩いていても大丈夫だった。
稜線上の大木 |
山道に踏み込んですぐ、野生動物の歓迎を受ける。サルだ。小ザルを背負った母 ザルが林の中に走っていく。ああ、ここはサルの巣窟だったんだと前を見つめる と、枝にとまってこちらを観察しているサルもいる。威嚇している様子もないの で、足ごしらえをしてそのまま進む。視界からは消えたが、遠ざかるわけでもな く、一定の距離を保って移動しているようだ。少しばかり、斜面に沿って付いて きたようだが、しばらくして気配は消えた。
丸太をかたどった樹脂の階段を延々と登って稜線に出る。風が涼しい。やせ尾根 を注意しながら歩くが、両脇はずうっと植林帯だ。雑木林じゃなかったのかなあ。 山の上なのに落ちているのは丸っこい海石だ。礫岩と砂岩の岩場もある。登って みたらボロボロ崩れてやばかった。稜線上は風通しがよいためか、乾燥していて お目当てのキノコ類はまったくない。
干からびた尾根は延々と続く。こういうルートが嫌いなわけではないが、きょう はキノコが見たいんだ。SLの汽笛を聞いてもあまりうれしくない。城山に着い てやっとほんのわずかな雑木林になる。こんなに貧相な林だったっけ。人間の記 憶なんて、案外あてにならないものだ。それでもちょっと期待して、ヤブを徘徊 する。が、ここもやっぱり乾燥している。キノコのキの字も、粘菌のネの字もな い。
城山を後にして熊倉山登山口に下る。ここからなら白久駅の方が近そうだが、10 年近く歩いてないので日野回りも悪くない。斜面から崩れ落ちかけている石を観 察しながら、だらだらと林道を下る。やや下ったところに日野コースの登山口が ある。トラックが出入りする工事現場の入り口と同じだ。こんなところが登山口 だったっけ。
ギンリョウソウ |
そういえば以前きたときは、まだ林道が工事中で開通してなかったころだ。工事 脇の斜面をトラバースして寺沢沿いの登山道に出たような気がする。林道途中に また登山口がある。今度は登山届を入れるポストがついたちゃんとした登山口だ が、残念なことに閉鎖されている。数年前の土砂崩れで道が崩壊したらしい。登 山道が付け変わるたびに、林道歩きが長くなっている。その分沢沿いの道が短く なり、日野コースの魅力がだんだん薄れていくようで、残念だ。
林道が終わるあたり、寺沢沿いに整備された公園ができている。目的のわからな い水車小屋があったり、ヤマメを泳がせている池があったり、不自然極まりない。 「寺沢砂防事業」のおかげらしいが、自然破壊を覆い隠す公園整備のような感じ がするのはかんぐり過ぎだろうか。池の前に「魚をとらないでください。自然を 大切に」との看板があるのだが、「人工物で固めた池に“自然”はないだろう」 と突っ込みたくなった。
矢反ずい道はバイパスができたが、ずい道の中だけは昔のままでほっとする。そ れにしても武州日野駅は遠かった。荒川に下りて石でも拾って帰ろうかなどと考 えていたのだが、駅に着くとすぐ列車がきてしまった。急ぐわけでもないけれど、 反射的に飛び乗ってしまった。うとうとしたらいつのまにかひばりが丘だった。