15日(8:00-14:30)広沢寺弁天岩
東京雲稜会の新人に岩登りの手ほどきをするお手伝いに参加。雲稜会には岩登り に意欲がある新人が結構入ってくる。会にキャリアのある人も多いのになぜか雨 宮さんところにこの役が回ってくるのは不思議だ。今回はプロガイドの恵久さん と雲稜会代表の滝本さんも参加する超豪華メンバーでの講習となった。
恵久さんの説明に聞きいるT部さん、N沢さん |
久しぶりに広沢寺の駐車場で野宿。この季節にしては暖かく、ぐっすりと眠れた。 快適過ぎてビバーク訓練にはならなかったかも。8時ごろ岩場に到着したが、す でに十数人が取り付くにぎやかさだった。恵久さんの講義はまず、エイトノット から。ねじれや重なりのない完ぺきな結び方を詳しく説明してくれる。えー、エ イトノットってねじれたり、重なったり、きれいに結べないのは宿命じゃなかっ たの。目からウロコだ。これが「プロの技」かと感心する。完ぺきなエイトノッ トを身に付けてクライマーのグレードが2ランクほど上がった気がする。でも、 なぜか2回に1度しかうまく結べないのはなぜ。
恵久さんが講釈をたれている間、滝本さんと一般ルートを登る。靴を新人さんに 貸したので高畠くんのモカシムを履いて登った。乾いていれば抜群のグリップだ が、ぬれているとめっぽう弱い。下のほうはビビった。込んでいるので左右とも 2mくらいしか余裕がない。直登が難しいわけではないが、逃げ場がないのでそれ がプレッシャーになる。滝本さんはフィーレでさっそうと登ってくる。「正統 派」って感じでかっこいい。
N沢さん |
T部さんの登り |
遅い昼食後、全員で一般ルートを登る。垂れ下がるロープのすき間を縫って恵久 さんとぼくがリードする。恵久さんに遠慮してランニングを間引いたら、逆に心 配されてしまった。雨宮さんとT部さんのフォローをビレーする。おもっていた より、順調に上がってくるので一安心。しかし、もうすぐ姿が見えるころになっ てピタリとロープがとまってしまった。恵久さんの方は順調にN沢さんと滝本さ んが上がってきた。それでも間もなく姿が見え、終了点に。ホールドが細かくなっ た所で苦労してたようだ。
T部さんは「猫のように爪を立てて必死で登っていたのに、隣をすたすたと立っ たまま歩いていく人がいてショック」だったそうだ。先輩方が泣いて喜ぶいい話 じゃないですか。本人は「爪の一枚くらいはがれてもいい」と覚悟したそうだ。 爪を立てての岩登りというのも新鮮でよい。でも、うまくなったと思う。正直いっ て最初のトップロープ見たときは「きょうはこれまでか」と思ったもん。それが、 恵久さんと雨宮さんの懇切丁寧な指導で2回目のときは別人かと思うほどの上達 ぶりだった。本人の努力とちゃんとした指導さえあれば、誰でも可能性があると いうことだと思う。
新人に「名人はゲタでも登れる」とほらを吹いていたら、雨宮さんが「子どもの ころ目黒川の石垣をゲタで登っていた。登山靴での岩登りには、それが役に立っ て山岳会では『こいつはできる』と思われた」という話を披露してくれた。ゲタ はトレーニングになるんだ(本気にしないでね)。
恵久さんから「滝本さんをリードさせてあげて」と言われていたのに実現できず に申し訳ない。気合の入った新人といっしょに登るとふだんは眠っている向上心 が目を覚まし、しばらくはまじめにトレーニングもするようになるんで、ぜひま たよろしくお願いしたい。