水晶がザックザク


24日(8:10)大泉学園→(9:45)正丸駅→(12:20-14:00)大蔵鉱山→(15:00)正丸駅→ (17:00)大泉学園

今回はカホちゃんのリクエストに応えて水晶採集。近場で手軽に取れる場所といっ たら、ここしかないでしょうという秘蔵の場所にK阪ファミリーとともにご案内 する。しかし、実際に成果があるかどうかは不安だった。そんときゃ地質と水晶 の豆知識をたれて、ごまかすしかないな。

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お宝をしまうカホちゃんとユキさん

シーズン真っ最中の紅葉をながめながら伊豆ケ岳登山道に向かう。途中で川原に 出て露頭を観察。子どもたちはみな、やる気満々ですぐにも水晶を見せろといわ んばかりだ。間を持たせるためにも、チャートや玄武岩を見せながら水晶のでき た過程を説明する。子どもにはちょっと難しい話だったかと思ったら、理解して ないのはおとなの方だった。これで、少しガス抜きができたかと思ったが甘かっ た。特にカホちゃんは積極的で「水晶はまだですか」コールを何度も聞かされる。 こりゃちょっとくらいのことではごまかせんぞ(汗)。

大蔵鉱山の少し手前の沢へ降りてさっそく採集。以前、枯れ沢で小さなものを見 つけたことがある。少し登るので落石など危険もあるが、ここらでひとつふたつ 位は見つけないと収まりそうもない状態になってきた。さっそく、晶洞のついた チャートを発見。ルーペでのぞいてキラキラ輝く透明な結晶を確認し、みんなで 歓声を上げる。Ken くんと枯れ沢を登り、後の人たちは沢沿いで探してもらう。 まもなくカホちゃんも上がってくる。気合が入っている。

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つんつんして探すK阪さん。そんなんで見つかるの?

しかし、先に見つけたのは沢の底をさらっていたNahoちゃん・K阪さん組だった。 K阪さんは棒切れで水中の石をつついて良品を探し当てていた。なかなかやる。 ミリサイズではあるが、なんだかんだいってほぼ全員がお気に入りの標本を手に 入れる。ここの水晶は小さくても透明度が高く、結晶形もしっかりしている。目 のいい子どもたちはすぐに確認できるが、おとなはルーペでしっかり見ないと分 からない。こりゃ大きなハンディだ。最初に拾ったチャートのかたまりには多く の水晶が付いていたが、石を割と次々と欠落。満足に採集できたのはほんの少し だったが、大きさといい、美しさといい、ほぼ満足のいくものだった。

さらに大蔵鉱山まで足を延ばす。ここは道を外れて沢のなかを行く。ちょっと荒 れているので歩きにくい。わずかな距離だから大丈夫かなと思ったら、カホちゃ んが沢にはまってしまった。夏なら問題なかったが、この季節は水が冷たすぎる。 ちょっと反省する。鉱山跡の穴の前で弁当を広げる。勢いが有り余るKenくんは 食事中もそこら中を駆け回っている。彼は「休憩」の意味を「無駄に体力を消耗 すること」と誤解しているような気がする。

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「ここにあるよ」と露頭の観察

ここでの採集は思わしくなかった。沢が荒れてきたのが原因か。でも、すでに十 二分な成果があるので気にならない。持参の顕微鏡で今日の成果をみんなで観察 する。肉眼では小さすぎて確認できないものでも、はっきりと分かり、迫力もあ る。どれも「これは間違いなく水晶です」と胸を張れるものばかりだ。採るだけ ではなく、じっくりとながめてその特徴を理解することも大事なことだ。だから Nahoちゃん、腕を組んだまま顕微鏡をのぞくのは、どっかのえらい先生みたいだ からやめてほしいな。

下りはカホちゃんの足取りが怪しいので、ゆっくり慎重に降りる。沢にはまった ことといい、たぶん靴のグリップが悪いのだと思う。K阪ファミリーはトイレに 行きたいからと走って下っていった。元気がよくて大変よろしい。ぼくらは茶店 で買い物したりしながら、ユキさんファミリーとのんびりと駅に向かう。途中で、 ユキさんが「青山先生と写真を撮ろう」という。先生といわれるほど精進はして いないから恥ずかしい。ほらやデマ半分の話は得意だけれど、専門的なことは Kenくんほど勉強してない。もう少しまじめに努力したいと思います。

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大蔵鉱山跡でお弁当

「水晶はどんなところに、どんなふうに生えているんだろう。草みたいに地面か ら生えているのかな」というカホちゃんの疑問は、これで一件落着した。めでた し、めでたし。インドア派のユキさんも「空気がおいしく、のんびりできた。そ れにおいしそうな梅干が買えたのがうれしい!」と満足してもらえた。また、明 日からパン屋さんがんばってください。今回はK阪ファミリーの強力なサポート が頼もしかった。帰りの電車の中まで子どもたちの遊びに付き合えるような余力 はありません。

実はこの朝に、山の友達が北アルプスで登山中に滑落して亡くなったという悲し い知らせが届いた。だけど、元気で明るいよい子たちと遊ぶことができてずいぶ ん気がまぎれた。もし、1人だったら山に行っても楽しくはなかったし、行く気 にもなれなかった。そういうわけで、帰りの電車で聞いたユキさんの身の上話は ほとんど頭に入っていない。申し訳ない。でも、持つべきものは友達だと思った。 付き合ってくれた友達に感謝したい。