3日(8:10)石神井公園駅→(10:10)上長瀞駅→(10:50-13:10)親鼻橋上流の川原 →(14:10-15:20)栗谷瀬橋の下→(15:45)親鼻駅→(16:33)横瀬駅→ (16:40-18:30)武甲の湯→(18:35)横瀬駅→(20:20)石神井公園駅
上長瀞の川原で気合を入れる |
半年ぶりにK阪さんファミリーと石拾いに出撃した。今回の目的地は荒川の親鼻 橋−栗谷瀬橋間。Kenくん、Nahoちゃんのお友達、それにユキさんファミリーも 加わって総勢11人とにぎやかだ。こんな大勢で行くのは初めてのこと。石に加え て初めて山菜取りにもチャレンジするので、収拾がつくか不安だった。しかし、 K阪さん、Nahoちゃんの強力なサポートで無事終えることができた。
連休真っただ中で電車は込み込み。駅に降りると解放感からテンションが高まる。 金崎まで歩かせる前に、川原の石畳に下りてガス抜きだ。道端の石にある水晶や、 ヤブに生えているフキを見るなど間をつなぎながら、親鼻橋上流の川原へ到着。
ここで講釈をと思っていたが、人の話を聞く前に飛び出していく。適当に石を拾っ てきては質問攻めだ。黙っていてもチャートや結晶片岩、石英など荒川の特徴を 押さえた石を持ってくるから面白い。石英と方解石の区別ができるよう硬さの違 いを説明した。これが正統派の判別方法だと思ったが、実践的には塩酸をかける ほうが手っ取り早かった。男4人でいろいろ試してみたら、Kenくんが一番正確だっ た。面目ない。Kenくん目利きはたいしたものだが、どうも動物的な勘のような もので見分けているようで根拠が示せない。その辺がKenくんらしさなのだろう か。
石を割るSくん |
石を探すKenくん |
N尾くんからは「石英と方解石はどっちに価値があるんですか」と困った質 問。悩んだ末に、「石そのものには、どちらもたいした価値はないけれど、石を 見分けられる力には価値がある」と答えておいた。理解してくれたかな。Sくん は終始、熱心にハンマーで石を割っていたが、いいものが出てきたかな。
お弁当を食べたら、水遊び。ここらは石畳が浅い水たまりを作っているのでいい 遊び場だ。川虫がいっぱいいる。つりと水遊びだけでも半日は粘れる。紅れん石 片岩の露頭の上では太鼓をたたいているやつがいるし、舟下りも目の前から出て いくし、この川原って結構おもしろいところだ。女の子たちは勝手に遊んでいる のかなと思ったら、カスミちゃんは貝化石をしっかりゲットしているし、カホちゃ んは「これ蛇紋石」と見せにくる。結構見所あるぞ。のんびりしているとK阪さ んからせかされて出発。そういえば最近、山登りでも計画はアバウト。その場の 気分で行動してたもんな。計画通りには体がいうことを利かない。
川原で水遊び |
栗谷瀬橋へ向かう途中にフキを採った。小さいが数だけはある。ガイドブック持 参で山菜採りに意欲満々のK阪さんは大喜びだ。フキごときと思っていたが、こ れだけ気合が入った姿を見せられると「ひょとしたらとってもおいしいものかも」 と思えてくる。いつの間にか10本ばかり握っていた。みんなもつられて、まじめ にフキを採るのだが、Kenくんだけは全く興味を示さずコンクリートの護岸を登 り降りする。K阪さんは「サルなんだから」と冷たい視線を送るが、クライマー の目からは「素質がある」と大いに評価したい。
栗谷瀬橋の下で小休止。女性陣がトイレに行っている間に紅茶を入れる。N尾く んとSくんが熱いなべを流れで冷やしてくれたのにはちょっと感動した。こんな に大勢の茶を入れるのは初めてなので量が心配だったが、ギリギリセーフだった。 しかし、お茶が冷えてしまったので角砂糖がなかなか解けなかったのは誤算。時 間もおしているのでさっさと駅に向かいたかったが、蛇紋岩の露頭を通りすぎる 訳にはいかなかった。ああ、また帰りが遅くなる...。でも、時間がかかると思っ ていた川原歩きは意外に早かった。石を拾わなければ早く歩けるのか。知らなかっ た。
みんなでフキ採りに精を出す |
電車の接続もうまくいき、横瀬駅では武甲温泉の送迎バスに乗れ、温泉まで順調 に到着。ピークは過ぎていたが、かなりの混雑だ。下見のときとは全く様子が違っ た。覚悟を決めてお風呂に入る。女湯はかなり込んでいたそうだが、男湯は洗い 場の順番待ちも1人か2人ほど。子どもたちも常識的に振る舞っているようで、 ちょっと安心する。緊張していたのかシャンプーで体を、ボディーソープで頭を 洗ってしまった。やっと空きだした2階休憩室の奥に場所を確保して、落ち付く。 ここのところお疲れ気味で、暇さえあれば寝ていたユキさんが1人、さっさとそ ばを食ってきたのには驚いた。そういえば「おいしいそばが食べたい」っていっ てたな。
みなさんがそばやソフトクリームを食っている間によい子が採集してきた石を鑑 定する。拾ったその場では教えてあげたが、たくさんあれば覚え切れるものでは ない。鉱物、岩石名を記入したラベルを作る。ラベルがあれば、ただの石もグレー ドが上がるってものだ。子どものためというよりは周りのおとなに対する啓蒙の 意味合いの方が大きいかも。予定していたよりはるかに多くの石が出てきてビビっ たが、それぞれの個性が分かって面白い。Kenくんは大物ばかり。石綿を拾って ご満悦の様子だった。N尾君は同じものを複数キープする慎重派。カスミちゃん は小さくきれいな石が多い。Sくんは一番たくさん拾ってはいたが、多すぎて整 理が追いつかなかったようだ。石灰岩、チャート、結晶片岩、蛇紋岩、大理石な ど荒川の主だった石と方解石、石英、蛇紋石などの鉱物が採集できた。
鑑定のため石を並べるN尾くん |
ふと気づくともう18時を回っている。黙っているといつまでもだらだらとなりそ うなところ、K阪さんの号令で送迎バスに飛び乗る。それでも、石神井公園に着 いたときは午後8時を回ってしまった。10人を超えると小回りが利かないからしょ うがないか。子どもも、おとなもそれなりに満足してもらえるようにしたつもり だったが、合格点は出たかな。豊かな自然があれば工夫次第で十分楽しめること を感じてもらうことができれば幸いだ。調子こいて「次回はフズリナ化石とキノ コ採集」と安請け合いしたことをちょっと後悔する。
今回は「山菜採り」という難題を申し付かった。初めは全く自信がなく、断ろう かとも考えたが、山をフィールドにした遊びを続けるなら、いつかは突き当たる 課題だ。ちょっとだけ勉強して未知の領域に踏み込んでみた。採ったフキはフキ 味噌にしてみたが、フキが少なすぎて味は不明。しかし、次からはおいしくいた だける自信は付いた。さらに修行に励みたい。チャンスを与えていただき感謝。