ソレルで登る雪の伊豆ケ岳


30日(8:15)大泉学園→(9:30)正丸駅→(11:05-11:40)伊豆ケ岳→(12:20-13:50) 大蔵鉱山→(14:05)正丸駅→(15:40)大泉学園

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雪を踏みしめて頂上に向かう

前日、東京に初雪が降った。かなりたくさん降ったので、伊豆ケ岳に「雪山」し にいった。大蔵辺りではほとんど雪は積もっておらず、ちょっと拍子抜けする。 それでも大蔵鉱山を過ぎると道は白くなり始め、稜線に出る急登では真っ白な雪 の斜面になった。

先行者は4人くらいかな。まだ足跡がついていないルートを選んで歩く。サクサ クと雪を踏む感触がたまらない。足元はソレル(防寒長靴)で完ぺき。初めて履 いたけれど、ぬれる心配はないし温かくていいわ。アイゼンをガシガシ利かせて 登る山じゃなけりゃ十分使えるって感じだ。岩場でふにゃ〜っとした感触にちょっ と違和感があるが、慣れりゃ大丈夫でしょう。

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すっかり「雪山」になった伊豆ケ岳

雪をけ散らして頂上に立つ。稜線から上は5センチほどの積雪が残っているが、 日だまりは暖かい。テルモスに入れてきた紅茶がうまい。雪山ハイキングにこれ は欠かせない。ちょっと岩稜を男坂方面に下ってみる。岩場の上に雪が付いて手 がかりや足場が分かりにくて悪い。慣れるまでしばらくは、やせ尾根やチムニー の下りなどでかなり緊張した。ちょっとした冬山気分を味わった。

下りはアイゼンを履いてみた。靴底が柔らかいので外れないかと心配したが、大 丈夫だった。今時のアイゼンは性能がいい。ただ、ゴツゴツしたアイゼンの骨の 部分の感触が靴底を通して伝わってくるところは登山靴と違う。アイゼンなど付 けなくても十分に歩ける所だが、やっぱりあった方が百倍安心して下れる。ソレ ルは凍った道路でもグリップが利くし、登山靴より歩きやすいし、当分はお世話 になりそうだ。

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普段は何ともない岩稜だけど

大蔵鉱山まで下ってくると、鉱山の方からハンマーの音が聞こえてくる。登りで も聞こえていたから、こんな雪の日に熱心な人もいるもんだ。ちょっとのぞいて みるとマンガン鉱物を採集しにきたというやや年配の夫婦がいた。ここは一応、 鉱物産地ということにはなっているが、名前も分からん地味石ばかりなので、こ れまで一度も採集に訪れる人影を見たことがない。こんな不毛の産地で同好の志 に出会えるなんて思ってもいなかったのでとてもうれしかった。

聞けば鉱物同志会の会員だという。様子だけ見てすぐに帰るつもりだったが、 「一緒に割っていきましょうよ」と誘われてお付き合いする。ところが、自分も 相手もマンガン鉱物については明るくない。仕方がないからあてずっぽうでマン ガン鉱物らしき石をかき集めた。マンガン鉱石を貫く蛇紋石の脈が緑色透明でき れいだったので少し持ち帰る。

採集では大したものはなかったたが、奥武蔵のマンガン鉱山情報をいろいろと教 えてもらえたことは大きかった。バラ輝石も結構採れるらしい。お礼に奥多摩鉱 山での採集成果や同志会の浜横川での採集会の様子を伝えたら大変喜んでもらえ た。帰りの電車では増えた石をどうするかで苦労していることなど鉱物採集の話 で大いに盛り上がった。同好の士はありがたいものだとつくづく思った。