奥武蔵マンガン鉱山めぐり


5日(8:14)大泉学園→(9:25)西吾野→(11:10-12:10)岩井沢鉱山→(13:15)西吾 野→(13:50-15:15)吾野鉱山→(15:50)吾野→(17:00)大泉学園

大蔵鉱山で出会ったご同輩からいただいた資料で奥武蔵のマンガン鉱山を回る。 まずは昨年敗退した岩井沢鉱山から。鉱山は岩井沢の集落からかなり先に進んだ 沢の奥にあった。こりゃ案内がないとこれない場所だ。坑口がひとつだけぽかん と穴を開けている。その周囲がズリというわけだが、もうほとんど鉱石はないに 等しい。わずかに残ったかけらを拾って観察する。

ズリ石からはブラウン鉱が見つかった。黒くて重くて少しだけ磁石にくっつくか ら分かる。ピンクの脈は菱マンガン鉱だろう。抗口がしっかりしているので中に 入ってみる。でも、めぼしい石はもう落ちていない。奥のほうは真っ暗で手探り でいくつか石をかき出してみたが、チャートばかりだった。ヘッ電でもないとダ メだ。ブラウン鉱で納得し、山を降りる。

まだ道路が半分凍っていて下りは怖い思いをした。車が激しく行き交う国道を延々 と歩いて吾野鉱山に着く。小沢を登って左にトラバースすると抗口はすぐだった。 こちらは抗口がいくつもあり、それが中でつながっている。穴の中にはズリ石ら しきものもかなり残っているが、あまりマンガン鉱石らしくなく、割った跡もほ とんどない。とりあえず、片っ端から割ってみる。

たたくとほとんどの石が砕け飛ぶ。が、堅くて割れない部分もある。これが鉱石 か。小豆色かチョコレート色をした鉱石はやや重く、比重が2.9-3.3くらいある。 ハウスマン鉱だろうか。内部には方解石や蛇紋石がかなり含まれている。蛇紋石 は鮮やかな緑色だったので「もしかして緑マン鉱?」と小躍りして喜んだが、やっ ぱり違った。世の中そんなに甘くない。あとは黄色っぽい菱マンとピンクの石英 くらい。バラ輝石は拝めなかった。もう少し粘れば何か出たかもしれないが、粘 るだけの価値がある産地にも見えなかったので切り上げる。帰りは吾野駅まで歩 いて電車に乗った。こっちの方が西吾野より近い。

課題だった岩井沢鉱山と吾野鉱山の探査はあまり成果なく終わった。資料がないっ てことはそれだけ価値もないってことなんだろうな。あとは名栗の3カ所と大宮 鉱山の再調査、それに武甲山周辺を残すのみとなった。今年1年、課題として探 査を進めたい。