簾川(きよかわ)鉱山は雪の下?


6日(7:40)上石神井駅→(9:30)奥多摩駅→(9:50)東日原→(11:13-11:40)滝上谷 →(12:25-12:50)日原鍾乳洞茶店→(13:25)東日原→(13:50)奥多摩駅→ (14:00-15:50)奥多摩鉱山→(16:00)奥多摩駅→(17:40)上石神井駅

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対岸にそびえる稲村岩

『鉱物採集フィールド・ガイド』に東京の鉱物産地として紹介されている簾川鉱 山が今どうなっているのかを調べに行く。同書はもう23年前のものだから、すで に山に返っているかもしれない。そうであってもとりあえず、この目で確かめて おきたい。今年は雪が多かったのでしばらく様子見をしていた。そろそろころあ いだろうと考えて出かけてみたところ、雪に阻まれて鉱山にもたどり着けなかっ た。雪に埋まった滝上谷にぼう然として引き返してきた。

今回は上石神井から拝島に出てホリデー快速で奥多摩駅に。秋に比べて降りる人 はめっきり少なくなったが、登山者はかえって目立つようになった。丹波行きの バスはほぼ満員。中高年登山者の勢い今だ衰えずの図を見て少しうれしい。日原 方面へのバスに乗るのは6人でこちらはちょっと寂しい。終点の東日原で降りた のは3人、小川谷林道に向かったのはぼく1人だけだった。

分かっちゃいたけど山は真っ白。小川谷林道は標高が上がるにつれて凍っている 部分が多くなる。それでも気温の低い朝一は食い付きがいいので問題なく登れる。 はじめは寒かった林道歩きだったが、だんだん傾斜が急になってくると汗が出る ほどになる。本格山登りモードに切り替わったころに滝上谷出合に到着。一応、 谷筋に降りて少しさかのぼってみるが、谷はもちろん斜面にも雪がべったりと張 り付いている。マンガンのマの字も見当たらない。こりゃ春までダメだわ。鉱山 跡を探すのは無理と判断して即下山する。

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雪で埋まった滝上谷

下山は大変だった。凍った林道の表面が解けだし、スケート場状態になっている。 そうっと踏み出しても斜面だから油断するとすぐに転ぶ。なるべく雪が着いてい る場所を選んで歩くが、そうはいかない場合が多い。ツララをながめる余裕もな く、今度は冷や汗をかいた。

こんな日でも鍾乳洞には観光客が結構入っていた。冬は寒そうじゃん。それとも 風が入らないので暖かいのか。今回はパスしたけど次は寄って行こう。食堂に入っ てソバを食う。建物は新しいんだがメニューは少ない。それでも温かいもんが食 えるだけありがたいってもんだ。セルフサービスはかまわんけれど、ティーバッ クのお茶が置いてあるだけってのはどんなもんだろう。

奥多摩駅前までバスで戻り、勢いで奥多摩鉱山まで偵察にいく。こちらは雪はな い。坑口に近い上流の石を調べる。まだ、多少ズリが残っているが、不安定で危 ない。その上、かなりの頻度で落石もあった。野生動物によるものと思われるが、 安易に近づかない方がいい。クラックハンマーを振り回していたら、治りかけて いた肋骨がまた、痛み出した。適当なところで引き揚げる。

駅周辺で登山者のいでたちを見ると、スパッツにストックと雪に対してそれなり の備えをしている。こちらも足回りは強化したけれど、今の時期、奥多摩の山が どんな状況か知らずに入ったのは不覚だったな。最近は近場で安易な採集にばか り走っていたからツケがきたか。今年は奥多摩の山々に久しぶりに豊富に雪が積 もっている。しばらくはトレーニングも兼ねて雪山で遊ぶのも悪くないかも。

簾川鉱山の様子は分からなかったが、雪の小川谷林道を進みながら山を始めたこ ろにドキドキしながら同じ道を歩いたのを思い出し、懐かしかった。当時は技術 も知識もなく、雪の降る中を手ぬぐいをかぶって、気概だけで登りまくった。そ れからずいぶんたったけれど、年の流れにふさわしいだけの進歩をしたかどうか、 ちょっと考えてしまう。