真っ黒な石から真っ赤な石


5日(8:25)石神井公園→(9:30)高麗川→(10:00-12:30)大宮鉱山→ (12:45-13:30)出世橋の河原→(14:25)高麗川→(15:45)大泉学園

150x205(19492bytes)

タケノコだ!

K阪さんちと鉱物採集にいく。今回は最近、再発見した近場の五つ星のマンガン 山・大宮鉱山だ。連休中は秩父方面に芝桜見物の観光客がどっと人が押し寄せる。 それを避けるべく、臨時列車に接続する急行を選んだら、これが大正解だった。

高麗神社のわき道を通って山に登る。途中の竹やぶはちょうどタケノコのシーズ ン。1メートルくらいに伸びたモウソウ竹のタケノコにK阪ファミリーは大喜び だった。沼の先からヤブを通って掘り返されたズリに到着。Kenくんがヤマカガ シを見つけて大騒ぎする。一応、毒蛇だけれどマムシのように攻撃的ではなく、 おとなしい蛇だ。カラフルできれいな模様の蛇だから仲良くしてほしい。

220x165(13543bytes)

おっ、これは...

ズリを掘って採集開始。始めは肌色のカリオピライトばかりが目立つ。次に現れ たのは磁石に付くヤコブス鉱。部分的にはピンクも混じるようになるが、お目当 てのばら輝石はなかなか出てこない。少し焦りが入ったころ、平たくてずっしり 重い石が出る。たたくとキーンと甲高い音がする。こりゃ間違いなくお宝だ。ハ ンマーを振ると、真っ赤なばら輝石が飛び散った。Kenくん、K阪さんから「お おー」と声が出る。ふう、これで一安心。

少し外れた場所に陣取ったK田さんは、おもちゃのようなハンマーで黙々と石を 割っている。ときどき「これはどうかね」と自慢げに鉱石を持ってくる。いつも は大外れが多いのだが、今回はかなりの上物ばかり。色の濃いばら輝石や緑のはっ きりしたテフロ石などを次々とゲットしていた。ここのテフロ石は大した標本を 持っていない。K田さんのを見て奮闘したが、それを超えるものは採れなかった。

いくつか鉱石を掘り当てたK阪さんは「どんな石がいいのか分かった」という。 マンガンの鉱石鉱物はたいていち密で比重が大きい。音と重みはひとつの目安に なる。鉱山が稼動していれば選鉱所で働けるよ。ズリが乾燥気味でお目当てのひ とつトウキョウサンショウウオは見れなかったけれど、2時間足らずの採集でも 結構納得いく成果が得られたと思う。いや、近場でこれ以上のものを期待できる 産地はないんじゃないか。

200x215(7583bytes)

鉱石を掘り出す

奥の方にも鉱石は埋まっている。お宝の埋蔵量はまだかなりある。この産地の鉱 石には、小さくてもバラ輝石やテフロ石、カリオピライト、ヤコブス鉱などが層 になって入っている。いくつもの鉱物が同居している標本は、マンガン鉱物の性 質を勉強するのに都合がいい。今回はアレガニー石らしい鉱物も採集できた。マ ンガン鉱物の種類もある程度そろっている。貴重な産地を大事にしたい。

下山のついでに高麗神社に寄る。入り口までは何度もきているのに入るのは初め て。出世の神様ということを初めて知った。どこそこの政治家も参拝したとか書 いてある。その程度ならあんまりご利益なさそうだな。それですぐ近くの高麗川 にかかる橋は「出世橋」となるのか。で、その橋の下の小さな河原で遊ぼうと思っ たら、人であふれていた。こんなところでバーベキューやって何が楽しいのか。 不思議でしょがない。KenくんとK阪さんは川に入ったもののすぐに上がってく る。まだ水が冷たいんだそうだ。水中の石をめくると川虫がいっぱいいた。今度 は釣り竿を持ってこよう。

電車の時間を見計らって河原を後にしたが、駅までは思ったより時間がかかって しまった。歩行時間はもう少し余裕が必要だった。ま、1本後の電車にしたら、 途中のスーパーで一休みしてソフトクリームを食えたから、それはそれでよかっ た。近場は気楽でいい。