神流川の「猫の銅」


19日(8:00)大泉学園→(10:10)三峰口→(11:05)出合→(11:40-12:40)河原1→ (12:50-13:20)河原2→(13:40-13:55)河原3→(14:00)出合→(15:07)三峰口→ (17:45)大泉学園

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怪しい石がごろごろ

鉱物採集のメッカ・秩父鉱山にいってきた。同鉱山のある大滝村は今年4月、町 村合併で秩父市に吸収されてしまった。町村合併は鉱物採集にも影響が及ぶ。鉱 物標本は産地がはっきりしていることに大きな意味がある。ところが、合併を繰 り返されると昔の産地情報が分からなくなるのだ。同時に鉱山の歴史や文化も急 速に埋もれていく恐れがある。性急な合併で地方文化が切り捨てられるのは残念。

例によって、大輪を過ぎればバスの乗客はぼくひとりとなる。出合からは新緑が まぶしい神流川沿いを歩く。トラックがけっこう行き交う。何度も通った山鳥ず い道下の河原はパス。ざくろ石がゴロゴロ出た大黒坑の通風孔はコンクリートで 固められ、岩石片もきれいに片付けられていた。

その先で小尾根沿いに河原に下りる。鉱石はまばらにあるが、それにしては誰も 割った形跡がない。閃亜鉛鉱、黄鉄鉱、磁鉄鉱、灰鉄輝石、ざくろ石など、質を 選ばなければ主要な鉱物はそろっている。閃亜鉛鉱の条線が残る破片もあるし、 ざくろ石は露頭もある。

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左から緑れん石、閃亜鉛鉱、大理石

ここで、またまた、舌切りスズメの欲張りじいさんをやってしまった。てっきり 黄銅鉱だと思って、よく確かめもせずに1.2キロもある黄鉄鉱のかたまりをザッ クに押し込んでしまったのだ。赤茶けたサビ具合にだまされたんだけど、ちゃん と見れば黄鉄鉱の結晶が分かる。最近、鉱石に執着しているから、欲に目がくら んだに違いない。素人が金と間違えやすい黄鉄鉱は「猫の金」などとも呼ばれる が、この失態はまさに「猫の銅」。他人の無知を笑えない。

もう少し上流の河原は道路からの斜面がズリになっている。掘れば鉱石が出る。 磁鉄鉱が多い。ここは「道」が付いているため、多少人が入った跡がある。頑張 れば結晶も見つかりそうだが、河原の転石と違い、泥を落として調べる面倒くさ さがある。足場も悪く、初心者むけではない。今回は良い子の採集会の下見がメー ンなので、ここは深く探索しなかった。

出合に戻りながら河原を観察。巨岩が集まっている場所にかなりの鉱石が落ちて いた。サイズは大きいが摩耗も激しい。下流の方で河原に下りる階段をつける工 事が行われていた。新たな採集ポイントが確保できそうだ。有名な採集地は荒れ 気味だが、神流川全体では、まだまだ十分に鉱石は残っていると見た。出合で結 晶の細かい大理石を拾って帰る。