17日(6:50)大泉学園=(9:05)三峰口=(10:00-11:25)広河原→(11:30-13:05)大 黒→(14:00)出合=(15:05)三峰口=(17:45)大泉学園
やってきました大黒河原 |
体がなまってきたので久しぶりに本気モードで登ってみようと秩父鉱山の六助沢 を登りにいった。けど、準備不足でやる気を失い、結局いつものお気楽鉱物採集 となってしまった。それなりに標本が採れたので、トレーニングは次の機会って ことで、まあいいか... 。
出端からつまづいた。古い時刻表で電車を調べたら、当てにした特急に乗れず三 峰口到着が1時間遅れ。その上、タクシーは出払っていて15分待ち。川は増水で 遡行は難しそう。と、広河原林道に着いたときには、すでにやる気がしぼんでい た。とどめは林道工事。六助沢にかかる橋は外され、出合にコンクリートを打つ ところだった。工事のおっちゃんは「通るだけならいいよ」といったが、これで すっかり意気消沈。工事が終わる1カ月後に再チャレを誓って引き返す。
それでも、広河原沢に未練が残り、路肩に捨てた石の中から黄鉄鉱を物色する。 河原にも下りてみるが、こちらは何もなし。大黒の前を通るとガードレール越し に河原に続く踏み跡が見える。ヤブっぽかったけれど何とか橋に出られた。対岸 に渡り大黒沢出合に降りる。きたのは初めてだけど、ここは秩父鉱山でもっとも 有名な産地ということになっている。いっちょ調べてみるか。
さすがに超有名産地だけあって、そこらじゅうに石を割った跡がある。てゆうか 割られてない石なんてあるの? 状態。とりあえずおこぼれを探してみる。腐っ たような黒い石にピカピカ光る細かい透明結晶が入った破片が転がっている。うー ん、へき開があるから水晶ではないな。ぐちゃぐちゃしていて結晶の形が分かり づらい。白鉛鉱かな異極鉱かな。同定できないけれど、とりあえず採集する。
大黒沢の入り口 |
大黒沢は大黒坑から出たズリがたまっている場所だ。1998年の豪雨でズリの大半 は下流に流されたという。それでもまだ、鉱石の量は多い。出合からかなり急。 スラブやチムニーもあり楽ではない。ズリは土砂に覆われて掘り返さないといけ ない状態。結晶が残っているものはほとんどない。重い石を選んで割る。菱マン ガン鉱に金属鉱物が入っている。晶洞があるような大きな石はもうない。
菱マンはへき開がはっきりしており、色も濃い。金属鉱物は黄鉄鉱以外に閃亜鉛 鉱、方鉛鉱などがある。べっこう亜鉛の塊、菱マンガン鉱、硫砒鉄鉱の結晶など を持ち帰る。菱マンの小さな晶洞に髪の毛ほど細い水晶があった。毛鉱ならいい のに。探せばもう少し採れたとは思うが、ザックは下に置いたまま。手に持って 下るにはもう限界。安物の靴はぐにゃぐにゃでうまく力が伝わらないし、ぬれた 石で滑る。下りは怖い。ほんのわずかな距離だけど緊張した。まじめに標本をカッ ティングし、まじめにこん包する。この作業をいいかんげんにすると後が面倒。 良い子の教育上もよろしくない。
大黒まできてしまうとバス停までが遠い。重いザックを背負って腰を上げる。帰 りはヤブを漕がずに道路に上がる道を発見、出合まで30分強だった。山鳥の河原 には同好の志がいた。日を遮るものがなく、ここは暑そう。バスの待ち時間に手 を洗う。水が冷たくて気持ちいい。いつもなら三峰口でソバを食うのだけれど、 平日ってことで電車の数が少ないから今回はパス。でも結局、西武秩父で30分待 ちした。電車の連絡も悪い。ところてんとソフトクリームを食う。まだお盆シー ズンなのか。三峰口も西武秩父も観光客が多い。山ヤはいつもより少ないな。
採集鉱物は黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、硫砒鉄鉱、菱マンガン鉱、水晶。硫砒鉄 鉱と閃亜鉛鉱はそれなりの結晶だった。期待した透明の結晶は方解石らしい、ガッ クリ。でも、まだわからない鉱物もある。山行は外したけれど、収穫はあったの で納得。