石は外れ キノコは「当たり」


21日(6:15)上石神井駅=(8:05)奥多摩駅=(8:35)日原鍾乳洞バス停→ (10:00-11:10)簾川鉱山→(12:30-13:15)鍾乳洞食堂=(13:57)奥多摩駅→ (14:10-15:40)奥多摩鉱山→(15:50)奥多摩駅=(18:05)上石神井駅

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まずは親分にごあいさつ

簾川鉱山に再チャレンジする。滝上谷に下りると右上に「道」が見える。鹿の踏 み跡をたどって道に上がる。まもなく右手にズリが現われる。苔に覆われ、石を 割った痕跡もない。その先で谷の左側に広大なズリが見える。取りついてみたも のの鉱石がない。二酸化さえない。ズリを登り降りして鉱石を探してみたが結果 は同じ。ズリの規模が大きいので、沢を詰めたり、反対側の斜面に上ってみたり とあちこち調べるのだか、かけらも出ない。ここは本当にマンガン鉱山だったの か。

粘りに粘ったが、マンガンっ気がまったくなければ、いかんともしがたい。あき らめて山を下りる。帰りは踏み跡をそのままたどったら、谷から外れてしまった。 高度感があり、落ちたらやばい。道は小尾根を越えて杉林を下り、林道に出る。 工事のわきを通って歩いていると谷川斜面の倒木にマスタケが生えているのを見 付ける。暗いヤブの中に薄い朱色の傘が目立つ。傘は30センチほど。5重くらい になっていた。たしかマスタケは若いうちなら食べられたはず。下の方の小さ目 の傘をいくつか採る。やや厚めだが、弾力があり食べられそう。少し下るとまた マスタケの幼菌があった。今度のは濃いだいだい色でかなり軟らかい。

林道ゲート前では倒木にムキタケが生えていた。傘の色は紫褐色で皮がするっと むける。石は不発だったが、キノコの成果は満足だ。気分よく林道を下る。バス の時刻まで鍾乳洞の食堂でざるソバを食って時間をつぶす。ソバの味はいまいち だったが、コーヒーはうまかった。駅から奥多摩鉱山まで足を延ばす。小雨がぱ らつき蚊も多い。今回はカリオピライトが少々採れればいいんだが、これがなか なかない。1年前に比べても鉱物自体ずいぶん少なくなった気がする。雨の杉林 は暗くて鑑定がしづらい。足にもきているみたいなので早々に下りる。

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ズリはあるけど鉱石はいずこ

しかし、山道を抜けてコンクリートに踏み出してからが、本日の核心部だった。 中途半端にぬれたコンクリはコケがヌルヌルして滑る滑る。斜面だから立ち止ま ることもできない。慌ててわきのコンクリ土台につかまる。階段も危ない。浄水 場のフェンスにしがみつきながら少しずつ滑り降りる。浄水場の正門前にたどり 着いたときはどっと疲れが出た。

マスタケは軟らかそうな部分を削ぎ切りにし、さっと湯通しして刺身にして食っ た。味はほとんどないが、香が強く、さくっとした食感がいい。ボリュームのあ るマイタケのようだ。ただ、古くなるとあくが強くなり、刺身は適さない。油炒 めは香が飛んだが、あくも気にならずおいしい。みそ汁もあく抜きをすればいけ る。傘に厚みがあるので少量でも満足でき、調理の方法も増える。マイタケより 数段格上とみた。

ムキタケの方は、いざ料理しようと図鑑を見たら、かの有名な毒キノコ・ツキヨ タケと間違いやすいと紹介されていた。現地では核心を持って同定したけれど、 そういわれると不安になる。ツキヨタケには柄の中に黒いシミがあるのが特徴。 そういえば現地でさいたものが落ちていた。柄の部分は黒かったが、虫が食って 黒くなっていたと思っていた。すでにそこは掃除してしまい今となっては確かめ ようもない。後は柄につばがあるかどうかなどだが、これも採ってしまうと分か らない。唯一の望みは皮がむきやすいということ。しかし、これだけでムキタケ としていいものか。悩んだ揚げ句、今回はパスした。

さて、翌日。それでも腹が下った。マスタケは十分加熱しないと当たるキノコだっ た。知ってはいたけれど、香を飛ばさないようにしようと思うあまり、湯通しが 不十分だったらしい。あるいは身を厚く切りすぎたか。ま、3回トイレに駆け込 んだだけだから軽傷だな。やっぱ、キノコは体で覚えなくちゃね。