冬へ突入した鈴庫鉱山


11日(7:30)新宿=(8:50)塩山=(9:05)鈴庫林道入り口→(9:55-14:30)鈴庫鉱山 →(15:10)玉宮バス停→(16:10)千野橋バス停=(16:20)塩山=(17:50)吉祥寺

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真っ白になった林道

ふたたび鈴庫鉱山。今度はちゃんと調べてきたから産地には着けた。しかし、10 日の間に季節はすっかり変わってしまった。もう、冬なんですねえ。

林道に入るとゲートが閉まっていた。12月10日から冬の間は閉鎖するらしい。少 し登ると雪が現れ、まもなく路面を覆い尽くす。2、3日ほど前に初雪が降ったそ うだ。タクシーの運ちゃんは大菩薩はチェーンでも登れないし、笠取から降りて きた人は雪は20センチくらいあったといっていた。いきなりきたかという感じ。 でも、車のわだちを避ければ大丈夫。2人分ほどの足跡があった。

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ズリから見える富士山。寒そう...

前回うろうろした沢を通り過ぎて10分くらい進むとそれらしき沢が現れる。沢に 沿って踏み跡をたどるとすぐ、ズリは現れた。ズリ石はほとんど花崗岩か花崗閃 緑岩だ。たまに表面に珪孔雀石の付いたものもある。ただ、ズリは灰色の砂で覆 われ、大半のズリ石は埋もれている。とりあえず金属鉱物かなと石英片を探す。 白銀色の硫砒鉄鉱はすぐに見つかる。方鉛鉱もある。ここの硫砒鉄鉱は塊状が多 いが、柱状の結晶もある。

ズリを登ると正面に富士山が見える。どんよりした曇り空。冷たい風。雪はまだ 少ないが、白い雲が東にたなびく富士山はいかにも寒そうに見える。うー、勘弁 してくれという風景。ズリは3段で、下段は期待できないと聞いていたが、金属 鉱物に限ればそこそこ出る。半分凍った沢を遡って2段目のズリに取りつく。こ こは規模も小さいし、腐ったような二次鉱物しかない。さっさと見切りをつけて 先に進む。

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これも一応、鉱物だけどねえ

ズリの奥には池があり、凍っている。雪に半分埋もれた沢を歩く。沢沿いの踏み 跡にはこの産地で一番立派な「冬の結晶」が立っている。無色透明で長さ3セン チ以上あるが、持ち帰れないのが残念。写真で我慢しよう。最後のズリはちょっ と大き目。ここでは硫砒鉄鉱の二次鉱物を物色した。記録ではスコロド石やカニュ ク石などがあるらしいが、現物を見たことがないので難しい。閃緑岩の表面に付 いたまっ茶色の尾去沢石様のもの、硫砒鉄鉱の表面をべったりと覆う灰青色の皮 膜、黄―黄緑の薄い膜状鉱物などを採集した。でも、何がどれやらさっぱり分か らん。おまけに二次鉱物はもろい物が多く、採集意欲がわかない困ったちゃんだ。

最上部のズリでは方鉛鉱の塊がたくさんあった。ずっしりした手ごたえはいかに も鉱物という感じがして、ついつい多めに拾ってしまう。ズリの上部はかなり先 まで平らな場所が続いているが、雪が積もっていたので今回は詳しく調べること ができなかった。冷たい風に吹かれながら昼食を取る。味はさっぱり分からず、 義務的に食料を押し込む。ついに冬に突入したと実感した。温かい飲み物を持っ てこなかったのが悔やまれる。バスの時刻までまだ1時間以上余裕があったが、 寒さに耐え切れず山を下りる。足先が冷たくなったのは、綿の靴下が湿っぽくなっ たためで、これは失敗だった。

バスがくるまで45分以上あったので歩いて下ってみた。結構長かったが玉宮バス 停から千野橋までは1時間程度。ここまでくれば大菩薩からのバスもくるし、塩 山までも30分だ。歩けない距離ではないな。塩山でうどんかソバでも食いたかっ たが、すぐに特急がきたので駅弁になってしまったのが残念。

採集鉱物は硫砒鉄鉱、方鉛鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱、輝水鉛鉱、銅藍、孔雀石、珪孔 雀石、重晶石、水晶、それに硫砒鉄鉱の二次鉱物。並べてみると結構いろいろ採 集できるものだ。カニュク石やブーランジェ鉱が注目されるが、日本では数少な い低温型金属鉱床だから、それにふさわしい特徴を表した鉱物も注目したい。