20日(9:27)池袋=(12:14)伊豆急下田=(12:30)大沢口→(12:45-14:20)掛橋坑 →(14:29)大沢口→(14:55)蓮台寺=(19:10)
休みはどこにいこうか考えるのは、なかなか面倒なことだ。特に今年は思わぬ大 雪。下手をすると鉱物採集のつもりが雪見ハイキングになってしまうため、事前 調査は欠かせない。そんなエネルギーは残ってないよぉ...というときは、安易 に、前回と同じ場所を選ぶに限る。ほとんど思考停止状態で河津鉱山に向かう。
しかし、平日は特急が極端に少ない。9時27分池袋始発のスーパービュー踊り子 号くらいしかない。下田着は12時を回る。これじゃ遅いだろうと、7時18分東京 発の東海1号に乗る計画を立てたものの、やっぱり起きられなかった。スーパー ビュウなら余裕だろうとのんびり出かけた。ところが、自動券売機で指定を取ろ うと思ったら該当する列車がないという。え、そんなはずはないと改札に入った ら電光掲示板には案内が出ている。引き返してみどりの窓口に並ぶ。こんなとき に限って込んでいる。やっときっぷを手にして湘南新宿ラインの出る2番ホーム に上がると電車がない。あちゃー、始発だから3番ホームだったか。階段を駆け 下って列車に飛び乗る。発車20秒前だった。
てな感じでぐったり、どろどろした気分で伊豆に向かう。向かいの席からおばちゃ んたちのキンメを食うだのあすはどこそこに行くだのという話が聞こえてくる。 そういえば何かに「伊豆は滞在型のリゾート」などと書いてあったわ。自分のよ うに2時間で帰るやつは愚か者だな。よっし、今度は1泊か2泊して、滞在型リゾー トを満喫しようじゃないか。もちろん野宿で。
初めて降り立つ下田の町は駅が立派でびっくり。さすが観光地と感心する。山に 囲まれている不思議な港町。正面のとんがった山がやたら目障りだ。山ヤの血が 騒ぐ山容だ。おっとっと、山に見とれてないでバスバス。大沢口行きのバス停は すぐ見つかったが、しばらくこない。エー、バスの便たくさんあると思ったのに。 出たとこ勝負の旅はこんなもんさとタクシーに乗る。大沢口到着は12時半。採集 は2時間と決め、山に入る。
小道をたどるとすぐ、猿喰坑の下に出る。足元に落ちている石英のかけらを拾っ て進む。よく見るとドロにまみれて濃い緑色の針状結晶が付いている。げ、いき なりブロシャン銅鉱か。目的を達成したような気分になり、気合が入らない。谷 をさかのぼり坑口近くで転石を観察する。スカスカの石英はたくさんあるけれど、 これはあんまり期待できない。ち密な石英片を探す。ねちっこくて思うようには 割れないうえ、スカも多い。それでも割るしかない。少しがさがさした石からは キラキラと光る鉱物が出た。閃亜鉛鉱だ。小さいが結晶もある。
掘れば石が出る。しかし、どろまみれでは何がなんだかよく分からない。緑色の かけらも小さなものなら出る。根気よく掘ったり割ったりするのが二次鉱物採集 の極意なのかな。割って出てくる孔雀石は大きさがしれているような気がする。 帰る時間も迫ってきたので最後に赤茶けた赤銅鉱の染みが入った大きめの石を割 る。染みのような孔雀石といっしょに黒っぽく光るへき開面が出た。よく見ると 青黒い。藍銅鉱だろうか。小割にしていくと染み状の藍銅鉱がいくらか出てきた。 標本としてはしょぼいが、藍銅鉱もあることが確認できたのは成果とその場は納 得し、急いで荷物をまとめて山を降りる。後でじっくりと調べたら小さいながら も結晶があった。
しかし、もうバスはいなかった。ジャスト1分遅れ。○| ̄|_(失意体前屈)... また、やってしまった。でも、2度目は立ち直りも早い。前回に比べたら天気も 悪くないし、余裕で蓮台寺駅まで歩いて特急に乗る。車内販売で念願の駅弁・大 船軒の「鯵の押し寿し」を購入。と、ここまでは順調だった。が、東海道線戸塚 付近で昼過ぎに起きた人身事故の影響でダイヤが乱れているとの車内放送がある。 熱海駅のホームが詰まっているため、手前の来宮で30分ほど停車する。その後も 列車はノロノロ運転で品川には1時間ほど遅れて到着した。遅れついでに品川駅 構内に新しくできた「エキュート品川」とかいうお店を見ていく。なんだか駅の 中にデパ地下が現れたみたいで場違いな感じがした。