沸石産地の謎が解ける


9日(12:00)大泉=(13:10)東松山=(13:20)百穴入り口→(14:00-16:30)北吉見→(17:10)百穴入り口=(17:18)東松山=(18:15)成増

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北吉見の沸石産地

ホントは京都へ研修に行こうと思ったんだけど、寝過ごした。昼まで悩んでやっ と吉見の沸石産地に赴く決意が固まる。前回は1時間かけてあるいたけど、運良 く東松山の駅からバスに乗れたので、百穴入り口にはあっという間に着いた。ちょ うど桜が満開で、屋台も出てにぎわっていた。それを横目に坂を登る。丘陵地帯 を越えて、ガイドブックにある産地に着く。

もろい角閃石でできた、小山が産地らしい。ただの荒地で、あちこちに石を割っ た跡がある。裏側は数百メートル離れると住宅地なので、露頭をたたくのは気が 引ける。一体どこに沸石はあるのかという感じだ。地面にへばり付いてよく探す と黒っぽい母岩に白い脈がきている。ズリを掘り返したり、岩の割れ目を観察す る。キラキラした反射を目安にするので、きょうのように日が出ていないと厳し いかもしれない。

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変質した角閃石の「小山」

ここで採れるのは菱沸石、灰十字沸石、トムソン沸石などだ。それぞれ特徴があ るので見分けられるつもりだったが、きちんとした結晶は少ないし、何種類かが まぜこぜになっていると区別がつきにくい。露頭で見つけた晶洞に手を突っ込ん だら、ボロッと崩れてしまった。小割りにすると結晶が飛んでしまうし、沸石は 扱いづらい。

あちこちで大きな石が掘り起こされ割られている。こんな状態ではあまり期待で きないと思うが、めこぼしもあるし、目が馴れてくるとある程度採集はできる。 一番たくさんあるのは灰十字沸石。結晶もきれいだが、小さいのが玉に傷。半透 明でつぶつぶの結晶のように見えるトムソン沸石もよくあるが見栄えはしない。 菱沸石は比較的結晶が大きいけれど、重なり合って訳がわからなくなっている場 合が多い。おかげで、光沢の違いで違いを見分けられるようになった。でも、ほ かの沸石が入っていたらアウトだ。沸石類は種類が多い。まだまだ修行が足りな いと感じた。

帰りは、きたときとは別の場所から道路に戻る。見覚えのある景色だと思ったら、 2年前に菱沸石を拾った場所だった。当時は産地を特定できなかったが、道の反 対側だったんだ。この場所からは振り返っても山が見えないので、まったく気が 付かなかった。駅に向かって歩いていくと、百穴橋の上でバスに出合い、バス停 まで走った。百穴の桜渋滞のおかげで間に合った。