炎天下に銀黒を求めて


24日(7:40)大泉学園=(8:20)池袋=(10:54)河津=(11:10-14:15)菖蒲沢海岸= (14:40)河津=(15:10-16:00)下田=(19:04)池袋

金は見つけたものの、心残りがあった。手元の標本は銀黒がいまいちなのだ。鉱 物標本は産状が分かるものがよい。白い石英や赤茶けたサビの上にあっても金ら しくないし、見栄えもしない。

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南の岬から海岸を望む

「さわやか」とは対極にある、海辺特有のねっとりとまとわりつくような暑さと 潮の香りが混ざった空気は、懐かしくはあるが好きではない。天気予報は曇り一 時雨としていたので伊豆まで繰り出したのに、なんだこのむっとする暑さは。勘 弁してほしい。日を遮るものがない海岸では、天気がいいのが恨めしい。山が恋 しい。

講習会に参加するダイバーで土曜日はにぎやかだ。。波も穏やかで天気もいいか ら磯には釣り師が、岩場には海藻を採る地元の人もいる。ただ、やっぱりこんな 日に金を探しに来る人はいない。日陰によりそって隅っこで石をほじる。雲が出 て日がかげると、ササッと浜の真ん中に出張る。日が照ると物影に隠れる。おて んとうさんを避けるのはやましいところがあるからじゃない。直射日光が当たる と反射が強過ぎて金の質感が分かりにくいからだ。

海岸に落ちている石英れきにほとんど銀黒は残っていない。波打ち際で探すか、掘るかだ。水際のれきはアオサや泥で正体不明だ。掘るのはれきが大きくてかなり大変。フナムシやカニがわさわさと飛び出してくる。小型ツルハシでも持ってくればよかった。

修行のかいあって金はたくさん見つかる。だけど、これだ! という、墨のよう な銀黒は多くない。鉄か銅が入った赤茶色の混ざったものならよくある。その中 にも金はよくあるんだが、銀黒らしくない。

金は黒っぽい硫化の層に皮膜のようにへばり付いている場合が多い。歯ブラシで ゴシゴシやったら金箔がはがれてしまった! 晶洞に塊が乗っているものを見つ けて「おお、金塊!」と喜んで石を小割りにしていたら、衝撃で飛んでいってし まった。吹けば飛ぶような「金塊」に欲を出した自分が情けない。暑さに耐えら れず午後2時で切り上げる。下田でカワハギの干物と駅弁を買って帰る。