帯状疱疹 横浜・中川駅前歯科クリニック
帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引きこされる感染症です。

子供がかかる病気として知られている水ぼうそう(水痘)。水ぼうそうを引きおこした水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうが治っても死んでしまったわけではなく、体内の神経節に潜り込んでいます。

加齢、病気、疲れ、ストレスなどで身体の抵抗力が弱くなると、水痘・帯状疱疹ウイルスは再び活動を始め、神経と皮膚を攻撃して痛みや皮膚症状を引きおこします。これが帯状疱疹です。

 高齢者がかかりやすい病気ですが、若い人が発症することもあります

帯状疱疹後神経痛(三叉神経ニューロパチー)における精密触覚検査(SWテスト)は、2018年に健康保険適応になりました。当クリニックは神奈川県の医療機関では最初に認可を得て、治療をおこなっています(受理番号:(精密触覚)第1号)。お気軽にお問い合わせください。

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帯状疱疹の患者数

成人の9割が水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しているとされており、帯状疱疹は免疫力が低下すると発症するため、高齢になるにつれて発症率は高くなります。

国内では年に50万人ほどが発症しているとされ、70歳代が最も多く、次いで80歳代、60歳代となっています。一生涯で20〜30%の人が発症、80歳代の1/3〜1/2が帯状疱疹を経験しているとされています。

2014年から小児の水痘ワクチンが定期接種化され、水痘・帯状疱疹ウイルスに接する機会が少なくなっため、2015年以降に子育て世代(20〜40歳代)の帯状疱疹発症が急増しました。



●帯状疱疹の症状

神経に沿って体の左右どちらかにピリピリ、チクチク、ズキズキした痛みが生じ、痛みの部分が帯状に赤くなり、やがて水ぶくれができます。神経と皮膚の両方でウイルスが増殖して炎症がおきているため、皮膚の症状だけでなく強い痛みが生じます。痛みが始まってから水ぶくれが治るまでは、3〜4週間ほどかかります。

一番多いのは肋間(ろっかん)神経のある胸から背中にかけてですが、三叉(さんさ)神経のある顔面に症状があらわれると、失明、難聴、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺などがおきることもあります。

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●帯状疱疹による歯痛の特徴

三叉神経がウイルスによって破壊され炎症をおこすと、複数の歯あるいは片顎全体に虫歯のような痛みが生じます。歯の痛みは7〜10日ほど続き、ピーク時にはチクチク、キリキリした激痛、眠れない痛みが生じることも多くあります。

ウイルスは神経に沿って末端に移動するため、歯痛の部位は奥歯から前歯へと変化することもあります。末端にウイルスが到達すると、口内の粘膜に水ぶくれができます。

歯に激痛があらわれるため、歯の神経(抜髄)を除去するなどの処置がおこなわれることもあります。多くは無効であるものの、歯の神経の治療中に痛みがなくなるため歯の神経の炎症として処理されることがあります。


帯状疱疹による歯痛の特徴
異常がない歯に痛みが生じ痛みが増していく/ピーク時は激痛/痛みがでてから収まるまで7〜10日/診断が難しい/帯状疱疹後神経痛に移行することがある

神経 三叉神経(眼神経、上顎神経、下顎神経)に沿ってウイルスが移動



帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療は皮膚科、歯科、口腔外科でおこないます。神経ブロックはペインクリニックでおこないます。治療が早い(72時間以内)ほどウイルスの増殖を抑えることができ、皮膚の炎症や痛みが重症化するのを防ぐことができます。

治療では、バラシクロビル(商品名:バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)、アシクロビル(ゾビラックス)などの抗ウイルス薬が主に使用され、ウイルスの増殖を防ぎます。2017年にはアメナメビル(アメナリーフ)が保険適応になりました。

痛みが強い場合は、鎮痛薬(カロナール、ロキソニンほか)や神経のまわりに麻酔をする神経ブロックがおこなわれることもあります

薬 バルトレックス

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●帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹の皮膚症状がなくなり、治った後も痛みが続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛といいます。

50歳以上の患者さんの2割ほどが帯状疱疹後神経痛を発症し、長い人では10年以上も痛みが続きます。高齢者、女性が発症しやすく、激しい急性の痛みや皮膚症状が現れる前からの痛みが生じた人も発症しやすい傾向にあります。

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帯状疱疹と歯の脱落、顎骨壊死

帯状疱疹が上あごや下あごに発症すると歯が抜け落ちたり(歯の脱落)、あごの骨が腐ってしまうことがあります(顎骨壊死)。

歯の脱落や顎骨壊死は下あご、帯状疱疹の発症から1ヶ月前後が多く、原因として免疫力の低下による歯肉の細菌感染、ウイルスによる血管の炎症により血の流れが悪くなる(閉塞性血管炎による血流障害)ことでおきるとされています。

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●帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹の予防にはワクチンが有効です。水ぼうそうにかかったことのある人は免疫を獲得していますが、年齢とともに弱くなるため、ワクチンを接種することで帯状疱疹を予防します。予防接種は完全に防ぐものではありませんが、発症しても軽傷で済む傾向があります。

帯状疱疹ワクチンは2016年に健康保険適応となり、50歳以上が対象となっています。アメリカでの調査では、ワクチンの接種によって帯状疱疹を発症する人は半分に、帯状疱疹後神経痛を発症した人は1/3に減ったとのことです。ワクチンは一部の医科医療機関で接種できます。



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