これは、一般にいう、感想とか、批評とかいうほどのものではありません。
ただ、私が、それを見ていたときに、何を考えてたかっていうことを、ちょっと
書き残しておこうかと思っただけなんです。

まぁ、ものによっては、ものすごい何様気分で能書きをタレていることもありますし、
思考がまわりまわってしまい、見ていたものと「全然、関係ないやんかー!」って
こともあります(笑)。

あくまでも、「貧乏が思った」というだけのことですので、それ以上でもそれ以下でも
ありません。
人の思考なんて、十人十色。違って当然。賛否両論。差し引きチャラ。
そのへんを充分考慮にいれて読んで下さいね。

by 貧乏


<ロスタラントス>

8月4日〜8月20日
於:アートスフィア

この作品は、正確にいうと、再々演。

今日(8月20日)、千秋楽を終えて、たまたま、外でボーッとしていたら、大道具の撤収にでくわしまして・・・。
今の今までみていた、海岸沿いの小屋や、闘牛場が(っていっても、どれもきちゃにゃいガラスなんだけど)
小分けになって、運ばれていく様をみながら、ああ、終わっちゃったんだなぁ・・・ってちょっとセンチになって
みたりしました。
これから、大阪へ(8.23〜27シアタードラマシティ)、そして名古屋へ(8.30〜9.3名鉄ホール)行くんだね。
頑張ってね♪

・・・って、これじゃ、話しが終わっちゃいますね・・・(^^;;) 気を取りなおして、語り続行。

初演は、ジャニーズの東と牧瀬コンビでした。
(あいにく、私はビデオでしか見てませんので、なんともいえません)

そして、前回の再演
1998.12.5〜27アートスフィア(東京) 1999.1.16〜24シアタードラマシティ(大阪) 1999.1.28〜31名鉄ホール(名古屋)
キャストを一新し、ほぼ、初演といっても過言ではないくらい別物に仕上がりました。
いやぁ〜、私は、思いっきり、ハマりましたねぇ。
東京公演は、当日券狙いで回数は良く覚えてないですが、少なくとも片手以上は通ったでしょう。
そして、ハマリにハマった挙句、名古屋公演を、全回観劇という暴挙にでてしまいました。
幸せな、幸せな日々でした。後日、社会復帰が大変でしたけど・・・(^^;;;)。

今回の再々演はキャストの変更が3人。ストーリー的に多少の追加・改訂はあったものの、
ほぼ前回と同じで、チームワークにも磨きがかかり、いかにも再演らしい感じでした。


ストーリーは、スペイン版ロミオとジュリエット。

原作のアルフレッド・マニャスさんは、ロミオとジュリエットを書いたつもりはないよ!と言っている
ようですが、どうみても、どうみてもで(笑)、映画の脚本にした段階で、より完璧なロミオとジュリエット
になっていたそうな。
ただ、ロミオとジュリエットもスペインの戯曲「ラ・セレスティーナ」を下敷きに書かれたらしいから
こういった題材は、時空を越えて、いたるところにころがっているのでしょう。
恋する男女は、究極、みんながロミオとジュリエットだもの。
障害の大小に差はあるだろうけど、全く邪魔のはいらない恋なんて、まずありえないでしょうし。
そういう意味では、好き嫌いはあるものの、ものすごく身近で、比較的頭を使わず感じる事のできる、
わかりやすい作品だと思います。

で、配役を言えば、だいたいの情景が想像できると思いますので、この作品をご覧になってなくて、
私の感想を見てくださっている方の為に、少々ご紹介しときましょう。

まず、貧乏なジプシーのロミオが石井一孝さん(役名ラファエル)。
その母が木の実ナナさん(役名アングスティア)。お父さんはワケありで死亡。
お兄ちゃんがいて、その妻が劇中に娘を産みます。毎日産んでます。
だからお兄ちゃんは子沢山。20日の時点で20人の娘に恵まれてるはず。

グッチやシャネルと暮らしてるお嬢様ジプシーのジュリエットが西田ひかるちゃん(役名ファナ)。
その父が上條恒彦さん(役名ソロンゴ)。お母さんはワケなしで死亡。
やっぱりお兄ちゃんがいて独身。このお兄ちゃんてば一人コントの腕はかなりなもの。
ジュリエットの部屋は冷暖房完備。真冬にノースリーブのネグリジェ着用。
デンコちゃんに怒られること必至。地球温暖化を防ぐ為にも、ファナ、長袖にしよう!


まず、読み進めていく前に、チェックポイントです。

私は、何を隠そう、前回のロスタラントスが大のお気に入りなので、それと比べながらの話しに
なると思います。そういう話し方だと、「私、前回みてないも〜ん」とか「そんなこと言われたって
知らないも〜ん」など、不愉快に思われる方もいるやもしれません。
だからといって、気をつかう気はサラサラありませんので(笑)、くれぐれもご注意ください。

そして、東京公演は見てないけど、名古屋、大阪で見ようと思っている方。
私としては、できるならば、なんの知識も入れずに見て欲しいなって思います。
それは、あなたのためではなくて(^^;;;)、初見の感想(雑念のない印象)が聞きたいだけ
なんですがね・・・(笑)。
みなさまの感想は、ぜひぜひ掲示板に入れてくださいね。楽しみにしてます♪


さて、と、何から話しましょうか。
(本題に入る前に、すでに、こんなに長いっていうのも・・・みなさんの呆れ顔が目に浮かぶようです・・・。)

全体的に見て、あきらかに、補足説明的な台詞や歌詞が増えましたよね。
ある意味、それは、必要なことだったし、それ故に、かなり、わかりやすいストーリー展開になった
感があり、評判もおおむね良好のようです。
反面、その補足が過剰な部分も少なからずあったので、そこまで伏線をあからさまにしなくても・・・と
感じた方は私だけではなかったと思います。

これは、好み&感覚の相違なので、一概にはいえませんが、私がOKだったところと、うーーーんだった
ところを、参考までに。

まず、前回、観劇後、いろいろな人と話すたびに、出てきたのが、あのアメリカ娘のシーン。
あまりにも、突発的に歌って、踊ってて、その後なりをひそめてたわりには、長逗留で、モヒの死に際して
再登場し、また、歌って踊って帰っていくという、なまじ、歌って踊れる人達(北村さん・石富さん)だった
だけに目に残る割には、心にひっかかるほどのからみがないという、もったいない使われ方をしてた印象
があって、議論の的だった覚えがあります。
わたしは、とにかく、彼女達は、傍観者であるということを強調したいんだろうと、要するに私達観客の代表
なんだろうと思いましたが、あまりにも、切り取られた感じがして、もうすこし、使いようがあったんじゃない?
って思ってました(yes何様・・・笑)。

今回、基本的な扱いは変わらなかったものの、彼女達がどうしてスペインに来たかとか、彼女達がキッカケと
なってファナとラファエルが出会うわけですが、その役割や、彼女達との会話を通して、ファナのおかれている
状況やらなんやらが、さらっと説明されるようになり、狂言回し的な役割もかねるようになってて、意味をもつ
シーンになってた(というより、不可解なシーンとは思われなくなった)ので改訂OKという感じがしました。
ちなみに、今回から参加の池田さんがなかなかいいキャラで、北村さんとの声の相性もよかったせいか
歌詞も前回より聞き取りやすかった気がします。

ただ、そのOKシーンの中でも、その台詞いらない・・・って思ったところもありました。
ファナが引っ込むときに言う台詞(恋に出会えるかも・・・か・・・ふん)と、モヒの台詞(友達を連れてきてやる
踊りは上手いがおくてのジプシー>ラファエルのこと)。
状況にある程度の説明は必要だけど、予感とか、キッカケには説明は必要無いんじゃないかなぁ。
そういう意味で、わたし的には、好みじゃない台詞でした。
あ、ついでだけど、ファナとラファエルが出会う闘牛場での最初のラファエルの台詞で、女の子なんて、
今そんな気になれないみたいなことを言いますが、それもわたし的にはちょっと・・・×。
But石井さんの言い方にも問題があるかも・・・ですけど・・・(^^;;)

あと、前回も、うーーーん、その台詞はいかがなもんか・・・と思っていて、今回も、また言ってた台詞。
クーロ達が、ナナさん率いるジプシーの売り物を荒らしに来て、すったらもんだらの挙句、ラファエルが
ファナのお兄さんを傷つけてしまい、騒然とした中、どうにかその場をとりつくろうと、ジプシー側の占い師
が「歌だ。歌うんだ」みたいなことを言うんですが、あれ、何もいわず、ナナさんが歌い始めてもいいんじゃ
ないかなぁ・・・どうしても言わせたいなら、いっそ、ナナさんが「歌うんだ」と言ったらどうかなぁ。
あの台詞聞くたびに、アンチミュージカルな人々が、鬼の首とったみたいに、膝をたたくだろうなぁって
思ってしまうのは私だけか・・・。

そうそう、今回、やたら、強調されていたのが、ソロンゴの秘密。
クーロがソロンゴの秘密を握っているという台詞も1つや2つじゃないし、ウワサの鍋まででてたし
ファナも、ソロンゴに直接、秘密のことを聞くし。
でも、強調したわりには、秘密じたいは、前回とかわっているわけもなく、台詞的、ストーリー展開的には
ともて良い効果だったわりには、幕間、終演後のトイレで交わされている会話に、どんなすごい秘密がある
のかと思ったら・・・というのは、よく耳にしました。
傑作だったのが、終演後、「で、秘密ってなんだったの?」といってたつわものもいました。
いっそのこと、クーロが直接ラファエルパパを殺してしまったほうが、闘牛じたいにあまり馴染みのない
日本人の私達にはわかりやすかったかもしれませんね。
あと、タラントが死んだのは、ずーーっと後のことだったって、あえて言う必要があったかどうか。
それだけ、満を持して、復讐したという意味なのでしょうか。

そして、今回、一番気になったことは、みんな、あまりにも、叫びすぎ。
いい、悪いはここでは、おいといて(個々の役者さんの感想のところで細かいことは語ります)、
全体的に、感情が高ぶると、みんな「わーーーー」とか「あーーーーーー」とか「うぉーーーーー」って
語尾延ばしません?最たるものが、ファナが死んだとき、ソロンゴが「うぉーーーーーーー」って絶叫
するんですけど、前回はそれがとても強烈だったんですね。
でも今回は、クーロもファナとラファエルを撃ったあと、絶叫(というか遠吠え)しますし、ラファエルも
モヒが死んだとき絶叫するし、はては、ファナまで、「もう家族なんかじゃなーーーーい」といった後
絶叫しちゃいますよね。
さすがに、ちょっと、食傷気味になっちゃいます。お互いがお互いの絶叫を(というか感情を)
削り合ってしまって、耳に慣れちゃうんでしょうか、インパクトが半減してしまう気がしました。
なんか、すごく、勿体無いなぁなんて、わたしなんかは思っちゃったんですけど、みなさんは
どう思いました?

最後に、ラストシーン。
石井一孝さんのお茶会に参加した時、おっしゃってたんですが、あのナナさんがショールをかける
ところ、あえて、なかば乱暴なかんじにかけているんだそうです。
そして、台詞も、なるべく感情をのせないようにという演出だそうです。
あそこのシーンは、おのおの観客の解釈に委ねるという余白のあるエンディングという考えらしいです。
私は、この部分に関しては、前回より、よいと思ってます。
ましてや、このショールはラファエルの誕生日のプレゼントで、その設定は、今回からのものなん
ですが、すごく、感情移入しやすくなった気がします。
ただ、私は、前から思っていたんですが、あそこで、言葉は必要なんでしょうか。
わたしの好みでいわせてもらえれば、無言で、今回のように無造作に無機質にショールをかけたいな。
遠くの教会の鐘が全てを物語ってくれてるから。

というわけで、ざーーっと、全体的に語らせていただきました。
何度もしつこいようですが、これは、あくまでも、私の好みの問題ですから。そこんとこよろしく。

個々の役者さんについても語りたいことがいっぱいなのですが、それは、また、今度ということで。


さてさて、やっとエンジンがかかってきたので、語り後半へ突入。
個々の感想を少々。


<クーロ>
ソロンゴの右腕。あくどい仕事もなんのその。ジプシーではないが、生立ちはかなり複雑そうで
虐げられて育ったのが顔や動作に色濃く出ている感じ。

演じている人は、海津義孝さん。
天井桟敷→万有引力と経歴だけ聞いても、すごそうっていう感じ。とにかくド迫力。
ヤクザ映画にでてきそうな、こわもて。でも本当は、絶対に面白くて妙な奴だと思う。
ま〜さ〜に、私の好みのタイプ。
今はもう出てないけど、ポンズダブルホワイトのCMに出たのを見つけたときは、クーロったら、
こんなところにいたのね!と本気でテレビに話しかけてしまいました。

私は、前回のクーロが大・大・大・大好きでした。
だから、前回のクーロを期待していたけど、さすが!役者海津は、人を裏切るね。
今回、変えてきたもんなぁ。やっぱり、海津クーロは一筋縄じゃいかないわ〜と思いつつも
あのクーロがみたかった。会いたかったよぉ〜。

私の印象では、クーロほど人格変えてきた人はいないんじゃないかって思う。
今回って、結構、お茶目な感じがところどころでてて、それがとても良い効果を生んだのか、
楽のカーテンコールでは、「クーロ!」のお声がかかってて、顔がほころんでましたね。

前回は、とにかく、怖い。おっかない。目はあわさんとこう・・・って感じ。
今回と同じく、「ソロン・ごぉーーーーー♪」って調子っぱずれに歌ってはいたけど、それ以外が
あまりにも緊張感ありすぎて、笑っていいのか戸惑うくらいだったさ。
でも、今回は、ギャグも長めで、結構、ウケてたし、近寄りやすくなったというか、想像できる範囲の
怖さって感じになりましたよね。
前回は、どこか、感情をきってる雰囲気があって、声のトーンも不気味な感じで、うっかりすると、
心地よかったりもしたけど、今回は、きくだけで、嫌悪感のある、わかりやすい声でしたもんね。
どこからみても、いや〜〜な奴で、同じように鬼気せまるものはあるんだけど、前回のような
冴え冴えとした、無機質な怖さっていうんじゃなくて、クレイジーで、いっちゃってるけど、
とりあえずまだ人間っていう怖さで、わたし的には、怖さのスケールが縮小された感じがして
しまいました。今回、ファナとラファエルを銃で撃った後、犬(狼かな?)の遠吠えのような声を発して
ましたが、あれを聞いていて、むしろ、人間を感じてしまったのが原因かも。
(これは、あくまでもわたしの好みに基づいた感想ですので・・・)

そう、私は、前回、どうしてそんなにクーロが気に入ったのかということを少しお話しましょう。
ま、最初見たときから、気になる存在だったんですけど、決定的だったのが、東京公演千秋楽。

その日、私は、当日券をGETするべく、会社へいくよりも早起きして、並びに行ったら、なんと一番!
まんまと、中央ブロック上手端(舞台へ登る階段があるところ)最前列を入手。
(その席の斜め前にある階段にクライマックスでクーロが座ります)

クライマックスのファナとラファエルがクーロに殺されるシーン。
最初、あのシーンを見たとき、なんて、パズルがパチッパチッってあっているんだろうと思ったんですね。

まず、イザベル(クーロの情婦)がクーロにナイフをむける時の、二人の台詞。
クーロ「なんのまねだ?」
イザベル「誰のまねでもないよ」  これ、すごくシャレてませんか?
その上、クーロとイザベルがかなりの演技派だった為、声のトーンから、もうくるところまできてしまった
雰囲気から、どうしようもない破滅的な情景(イザベルは死ぬしかなかったし、クーロは殺すしか
なかったという事実)が、現実におこっている激しさとはうらはらに、あまりにも澱みなく必然的に
流れてて、あわれというよりむしろ安堵感。
そして、イザベルを殺したクーロは、「ジプシー」と叫んで拳銃を手に奥へ消えていく。
発砲の音とともに、両脇の扉が思いっきり倒れて、積もった紙ふぶきが舞い上がる。
(この、扉の倒れる音と、紙ふぶきの舞い上がり方がとても印象的)

そして、クーロが先に出てくるんです。
最初みたとき、わ!クーロが出てきたよ。どうするんだろう?と思ってたんですね。
そうしたら、舞台上で、多少のパフォーマンスはあるものの、最後にその階段のところで頭を抱えて、
ラファエルが絶命するまで、じっとしてる。その時、ああ、そこしか居場所は考えられないよねって思った。
パズルが完成。

というように、このシーンを感じていた私。
でも、石井さんファンとしては、この場面では、ラファエルのほうを見ているのが常でした。
ましてや、ここのお兄ちゃん(サルバドール)の演技が好きだったし。

でも、楽日、私は、頭を抱えたクーロに釘付けになった。

とにかく、手を伸ばせば確実に髪の毛に触れるくらいの距離で、クーロの存在感に肌がヒリヒリしながらも
思ったことは、「怖い」でも「嫌悪」でもなかった。
クーロが、階段に座って、ずーーーーーっと頭を抱えてる間、目が離せなくて、じーーーっとクーロだけを
みてたのね。その時、クーロの肩にも雪がはらはらかかってて。
「あ。クーロにも雪が降るんだ。」って思ったら、なぜだか、むしょうに手を伸ばして、抱きしめてあげたい
衝動にかられたのを今でも、ハッキリ覚えています。

そこには、今回みたいな、長い遠吠えはなかったと思う。(多少の絶叫はあったかもしれないけど…)

全編通して、前回に比べて人間ぽかったクーロが、このクライマックスで、遠吠えのような絶叫をすることに
よって、人間外のもの(本能というか野生というか動物というか…)を表現してた(私にはかえって人間ぽさを
強調してしまったように見えたが…)のと逆に、前回は、全編が人間ぽくなくて最後に人間を見せたところが、
私にはツボだったんだと思う。

ちなみに、今回も、同じ席(階段脇)でみましたが、「抱きしめてあげたい」という感覚はおこらず、目が離せな
かったのはかわらないが、汗と血が混じって、床にポタポタ落ちた音がしてたのを見て、聞いて、とにかく
怖かった。そして、階段から、かなりずり落ちた格好だったので、その雰囲気だったら、別に、ココ(階段)
にいなくてもいいかもって思ってしまったの。パズルの崩壊。

そんなこんなで、私は、前回のクーロが好きでした。
だから前回のままのクーロがみたいのはやまやまだけれど、こうして、役は(作品は)進化していくものだし
それでいいと思う。再再再演するときがあったら、やっぱり、海津さんにクーロをやって欲しいし、また、前回、
今回と違ったクーロを見せて欲しいとも思う。

なんだかまとまりのない文章で、感覚的なことを、無理むり、文章にしたので、伝わりにくい能書きも多々
あったと思いますが、ご容赦ください。
最終的に何がいいたかったのか自分で読み返してみても不鮮明…(^^;;;)

さて、次は、誰について入力しようか…(誰?まだ続くのぉ?って言った人は?笑)
続くよ。続くよ。少なくとも、石井さんは入力せねばね♪


<ラファエル>
丘の上のジプシー。
花形闘牛士であった父をはやくに亡くしたが、母と兄の愛を一身にうけ、極貧の中で、たくましく、
明るく暮らしている。
優しくて、素直で、誠実。甘えん坊で、弱っちいけど、思い込んだら命がけ。
恋は盲目、「ファナしかみーえーなーいー!」と字幕を引きずって歩いているような、猪突猛進型。
石井さん曰く「頭タラントス?」だそうだ(爆)うまい!

演じている人は、石井一孝さん。
ご贔屓のコーナーでもとりあげていますが、私の大好きな役者さんで、レミゼラブルのマリウス役等で
ミュージカルファンにはおなじみの方。今のところ、私は、このラファエル役が一番のお気に入りです。

さてと。

今回の石井さんは、基本的に、役作りとしては大きな変化は感じられなかったものの、ちょっと「男っぽくなった?」
という印象をうけました。
あいかわらず、甘々で、頼りないんだけど、ファナだけはなんとしても守るという意思が前回よりも強く感じられ、
自分の弱さを受け入れる(認める)強さみたいなものが感じられて、私は今回のほうがよかった気がします。

「真珠の月」の歌いっぱなの時の目がとてもいい。
あの目をみていると「信じあうだけ、見つめあうだけ、それだけでいい、ただ一人のセニョリータ」という感覚が
心にしみてくる。
ああ、昔は、そう思ってたなぁ・・・って、月日を重ねるうちに打算とか、しがらみとかを覚え、いつしか忘れて
しまっていた「真剣な一途さ」を思い出させてくれて、なんだか、うるうるしてしまう。>最近、涙腺弱いかも…(^^;;)

石井さん、実年齢、30歳過ぎてんだよね。
でも、あの、一途さ、ピュアな感じを出せるのって、すごいと思う。
視線(というか生きる姿勢というか)がね、とにかく、まっすぐなの。
しかも、ファナ役のひかるちゃんも、まっすぐだから、気恥ずかしくなるくらいのバカップルぶりなんだけど、
いいんだよね。すごく。

確かに、重くて、暗くて、バリバリの悲劇だけれど…どこか、光がみえる。

石井さんも、これから、どんどん歳をとっていくから、この一途さや、光で、どこまで勝負できるかわからないけど、
今は、少なくともこの作品は、「いい」と思いました。(ええ、ファンの欲目かもしれないけどね…^^;;)

とはいうものの、わたし的には、ちょっと…という箇所もありました。

前述したとおり、結果的にファナと出会うことになる闘牛場にモヒに無理やりつれて来られた時「今、女の子どころ
じゃない…」みたいなことを言うんですが、そこの言い回しが…うーーーん、いかがなもんか。
ま、わたしは、そのセリフじたいに、あまり必要性を感じないので、余計そう思うのかもしれないけど、なんか、
「とって付けた」みたいな印象がある。

あと、役者として、ラファエルとして、一番のみせどころ(だと私は思っている)、モヒが死んだ時のシーン。

あそこ、叫んでましたね。
これも、前述しましたが、この「叫び」については、私なりに思うところが多々あります。

私は、別に、叫ぶのが嫌だとか、耳障りっていっているわけじゃないんですね。
少なくとも、前回のソロンゴのファナが死んでしまった時の叫びには、「うっ!」って感じでしたし。
ただね、今回は、誰もかれもが、「叫んでいる」って印象でした。(あくまでもわたし的にですから)
前回は、たしかに、悲鳴は多かったけど、ここぞというときの絶叫は、今回ほど、みんなじゃなかったと思う。

この絶叫の部分って、それぞれの人の見せ場のところですよね?
モヒが死んだところのラファエル。
ファナが死んだところのソロンゴ。
ファナとラファエルを殺した後のクーロ。
家族との絆を切ったファナ。

私は、うがった見方をするので、なんとなく、みんながみんな、声を張り上げて叫んでいたことに、少々不満を
覚えてしまいました。ココ、それぞれ、別の手法で、工夫したものを見せてもらいたかったなぁ

……なーんて、観客の勝手な要望かもね…(^^;;;)

でね、私は、常々、石井さんがモヒに刺さったナイフを握って叫ぶのをナナメにみてたのね。
怒り=叫びって、わかりやす過ぎる気がしてね。
本当に、目の前で、大切な人が殺された時…うーーーん、想像もつかないけれど…。

話が少しそれるかもしれないけど、レミゼのアンジョが仰向けに死んだ時、他国では血を流しているけど日本版は
流してないですよね?たしかジョンが(友達じゃないけど…^^;;)「する必要はない」と言ったと聞いていますが、
その意見に賛成なんですね。
わたしの目には、たぶん、目に見える血よりも、目に見えない血のほうが赤くみえると思う。
それと同じというか、もう、どん底の悲しさの時って、意外と泣けないですよね。
それよりも、なんだか、笑っちゃう時がある。

だからって、石井さんに、モヒが死んだ時に笑えっていってるんじゃないんですよ。
もっと、多面的に考えてもらいたいなぁと思ったの。
で、その上で、やっぱり「絶叫」にいきついたんだったら、それでもOKなんだけど。
どうなんだろうなぁ…。

うーーー、うまくいえないんだけど、わかりやすさは、わかりやすいぶん、わかる範囲でしか、心は振幅しないというか。
究極の人間心理って、きっと、わかりやすくはないと思うんですよ。
ま、わかりやすくないのが180度めぐりめぐって、結果的にわかりやすくみえる可能性はありますが…(笑)

なんか、だんだん、何いってんだかわからなくなってきたので、話を元に戻しましょう(^^;;;)
石井さん。石井さん。

そうそう、1回だけね、石井さんが叫ばなかった日にぶち当たった時があったのね。
それが、すごーーーーーく、よかったんです。(わたし的に)
叫びが「っく!」みたいに、すごく、くぐもってて、言葉じゃなくて、耳じゃなくて、私の眉間とみぞおちに何かを
感じた日があったんですよ。
たぶん、あの日は、例え目をつぶっていても、そのラファエルのなんともいえない感情がつたわってきたと思う。
(あいにく、実際には、目は、バッチリ石井さんをみていましたが…)

残念ながら、私が観劇した中で、1回きりだったんですけどね。
みなさんは、あそこのシーン、どう思われたんでしょうか。
ぜひぜひ、掲示板にでも、書き込んでいただけるとうれしいな。

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あ、そうそう、私、今回のラファエルで、すごく気に入ったところがあったんだ。

ファナとラファエルが心を通じ合って、「ぢゃ」って別れるとき、ラファエルが「あーーーーー!!!」って言うでしょ?
(ここの叫びはいいと思う)
で、ファナが「何?」っていうと、「ううん…」っていうんだけど、その言い方が、すごーーく、好き。
用はないんだけど、とにかく、呼び止めちゃった。だってぇ…だって、声が勝手に出ちゃったんだもん!みたいな。(笑)
でね、無理やり用を作るラファエル。そう、お父さんの形見のロザリオをあげちゃうのね。
なんかねぇ、わかるよ。わかるぞ。ラファエル。その気持ち。なんか、あげたかったのね。うん。うん。よし。よし。(笑)

そんな気持ち、久しく忘れてる自分が悲しい…(^^;;;;;)


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