韓国ドラマ 「ごめん、愛してる」
■作品紹介■
2004年 KBS |
親に捨てられ、養子に行ったオーストラリアでも虐待されて育ち、観光客相手の詐欺行為などをして暮らしているムヒョク。そんな暮らしの中で、ささやかなやすらぎである同棲相手にまで捨てられてしまう。お金とムヒョクへの愛を秤にかけ、金持ちと結婚してしまったのだ。その結婚式で銃撃戦があり、彼女をかばったムヒョクは頭部を撃たれてしまい、1年ももたない命と宣告される。 死を前に、母国韓国に戻ってきた彼は、自分を捨てた母親を訪ねて行き、オーストラリアで出合ったウンチェと偶然再会する。 捨てられ続けた孤独な男ムヒョクは、傷つきながらも、ウンチェへの愛と母への思慕を大切に抱え、最後の瞬間に向かって駆け抜けていく。 |
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監督 |
イ・ヒョンミン | 「冬のソナタ(共同演出)」 「サンドゥ、学校へ行こう」など |
脚本 |
イ・ギョンヒ | 「コッチ」 「純情」 「サンドゥ、学校へ行こう」など |
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■キャスト■
ソ・ジソプ (チャ・ムヒョク 役) |
イム・スジョン (ソン・ウンチェ 役) |
チョン・ギョンホ (チェ・ユン 役) |
ソ・ジヨン (カン・ミンジュ 役) |
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産まれてすぐ捨てられ豪州へ養子に出され、すさんだ生活を送る。死期を前に母国韓国へ戻ってきて、知りたくもない真実を次々と知ることに…。 |
幼馴染みのユンに20年間も片思いをしていたが、ひょんなことで知り合ったムヒョクに次第に心惹かれていく。ムヒョクとの出会いは愛と悲劇を連れてウンチェの心に優しく忍び込んでくる。 |
ウンチェの片思いの相手であり韓国で大人気の歌手。女優の母に溺愛されて育ち、何不自由なく、幸せと裕福を絵に描いたような生活を送っている。 |
ウンチェの高校の友達で、ユンの片思いの相手。人気シンガー。裕福な家に育ち美人で才能もあるスーパーLADY。真剣に人を愛せないのが唯一のウィークポイント。 |
スジョンProfile | 新人なので探せなかった(^^;) | ジヨンProfile |
■感想■ネタバレしてます
どうしましょう。また、ハマってしまいました。
こんなせつないストーリーだったとは…。
あのレゲェっぽいウンコ座りのジソプからは想像もつきませんでした(笑)。
(ちなみにレゲェ姿は1話くらいで、あとは普通の姿です)
この話、かなり、胸が痛い。
母に捨てられた子ムヒョクは、オーストラリアにいた時、自分の母親は「貧しかったから自分を捨てた」と思っています。
そして、お金をかせいで、「貧しくて苦労している韓国の母親に楽させてあげるんだ!」と公言しています。
映像的には、軽薄なチンピラ風情で、彼女の肩を抱きながら、「ホントにそう思ってるんか?」っていうショットなんですが、
本心なんですね。
孤独で、傷ついて、お金もなくて、ゴミみたいな暮らしの中、そう思うことで、なんとか正気を保ち生きているって感じなのかな。
こういう役には、あまり二枚目ではない、ジソプ君、ピッタリかもしれない。
182cmの長身の上、かなりガッシリした体型(水泳選手だったらしく、たくましい肩してるよ)なので、やさぐれた野生の感じが
良く出ています。
そして、そんな殺伐とした人生の中で、唯一の癒しであり宝物であった彼女との暮らしも、結局、愛よりお金を取った彼女の
結婚によって終止符が打たれ、また捨てられてしまったムヒョク。
挙句の果てに、結婚式に招待されて、裏切った彼女をかばって、頭部を打たれ、死を待つ身となってしまうんだよね。
この劇的な展開が(途中でヒロインと出会うシーンも入っている)、たった1話に凝縮されていて、おいおい、この先
このペースで進むと、最後にはどうなるんじゃい?的な、勢いに押しまくられ、ハマってしまったのであった。
ブラボー韓国ドラマ。
さて、死を前にして祖国韓国に帰ってきたムヒョク。母の居所は、案外早くわかるんだけど、母は金持ちだったのね。
捨てた理由が「貧しさ」じゃなく、「自分が邪魔だった」ことを知り、激しく傷つく。
ホントは母は、まわりの人の策略で、「子供は死んだ」と思わされていたんだけどね。
この認識の違いが、最後まで、せつなさを加速させていくんだよねー。
母親には、かわいがっている息子(ムヒョクの弟になるんだね)がいて、その子との交流を見ては、傷つきまくるムヒョクに、
ホント、見ているほうが、「痛い!」「痛い!!」を連発。
そして、私は、この点がとても気に入っているんだけど、結局、最後まで、ムヒョクが息子だと、母親は知らないままなのね。
最後の最後で、ムヒョクが、母親にラーメンつくってもらって食べるシーンがあるんだけど必見!
泣きながら、外へ出てきて、窓越しに見える母に向かって(勿論母は気づかない)、「産んでくれてありがとう」って
土下座するのさ(T_T)(T-T)。
このシーン、なまじジソプ君が大柄なだけに、ちんまり座って泣きながら頭を下げる姿は、痛ましさ200%UPになってます。
そして、ラブストーリー部分ですが、これもまた、大柄なジソプ君と対比させて、華奢で、お子ちゃまみたいなスジョンちゃんを
持ってくるあたり、心憎いキャスティングです。
この二人、韓国で行われた人気投票(ドラマのカップルの中で一番お似合いの人を選ぶという企画)で「ベストカップル賞」
とったそうですが、ホント、お似合いだと思います。
韓国ドラマの常識として、彼のことをオッパ(お兄さん)と呼びますが、このカップルはアジョッシ(おじさん)と呼んでるところが
わたし的にとっても好み。ちなみに、おじさんは、ウンチェのことを「石頭」と呼んでます(笑)。いいよね。なんか。
この二人、並ぶと、かなりスジョンちゃんが、ちっこく見えるのですが、実は彼女も167cmあるらしい。
ちっこくないじゃーーん。恐るべし、ジソプのでかさ(笑)。
(ちなみにスジョンちゃんの体重は45kgだって。ひーー。細い)
この二人のシーンで好きなのは、ウンチェの額とほっぺのスリ傷に薬をつけてあげるところとか、昔の山口百恵と三浦友和の
チョコのCMを思い出させる、ウンチェにコートをかけてあげて自分はTシャツ姿で寒がるシーンとか、すごーーく優しげ気にキスする
(策略で誘惑したミンジュの時にかなり激しいキスをするので、その対比効果にまんまとヤラれました)ところなんかがいいかな。
ちなみに、下のギャラリーの一番左の写真のちょっとだけ見えてるムヒョクの「大きな手」が、かなり好き。
普通、何度も捨てられ、傷つけられると、心を病んでしまって、人を愛せなくなってもいいようなものだけど、ムヒョクは、
違うんだね。愛を求め続け、心には不器用な愛をいっぱい押し込めているんだよね・・・。
そして、ウンチェをどうしようもなく愛してしまう。
この二人の、心のつながりは言葉がなくても、ものすごーーくよく伝わってくる。
伝わってくればくるほど、死が重くのしかかるのさ。観てるほうは。
1話か2話のうちに、早々と、主役に死亡宣告してしまった効果が、視聴者の心にボディブローのように利いてくるのよね。
うまい。すごいうまい作り方だよなー。
そうそう、韓国ドラマって、私の知る限りでは、病気=ヒロインという図式のもののほうが多いせいか、病気の苦痛に関しては、
意外とキレイに描かれていることが多いけど、今回は、野生児ジソプ君が病気なので、鼻血は豪快に流れるし、嘔吐シーンも満載。
それ故、よけいにみているほうが、つらくなる。
ちなみに、私、先週、飲みすぎでひどい目に合ったので(かなり飲んだんだなこれが・・・足かけ2日間水分は酒のみだった^^;;;;)、
嘔吐の苦しさが、わりと記憶に新しかったので(笑)、ムヒョクの嘔吐シーンには、感情移入バリバリさ(爆)
つらいよね。苦しいよね。うん。うん。わかる。わかるよ。ムヒョク。(全然違いますから!)
そして、とうとう、ラストでムヒョクは死んでしまうのですが、そのへんも、さすが、男が病気なだけはある。
病院のベッドでは死にません。最後も豪快です。でも、私は、すごくムヒョクらしくて気に入ってます。
ラストのラストは、かなり意外な展開ですが(これはさすがにネタはばらさないでおきましょう)、悲劇の割には
少しホッとしたというか、本来「よかったね」っていう展開じゃ全然ないんだけど、なんとなく、「これもありかもね」って
頷いてしまう結末でした。
視聴者の意見で、結末が変わる事がありえる韓国ドラマ事情の中にあって、「ムヒョクを死なせないで」という視聴者の声が
高かったにもかかわらず、制作側は、当初の予定どおりにしたとのこと。
それは正しい選択だったんじゃないかと私は思います。
てなわけで、ダラダラと長く語ってきましたが、本当に素敵な作品でした。
この作品は、現段階で、MYせつなさランキングの堂々1位です。
そして、好きな役柄ランキングでも、主人公のムヒョクが1位。
記念すべき記録更新のドラマでした。
しばらく余韻にひたるため、繰り返し見ることになりそうです。
ちなみに、「ごめん、愛してる」以前の、せつなさNo.1は「ラブレター」。役柄No.1は「オールイン」のイナ(イビョンホン)でした。
(2006.05.29記)
■ちょい見せギャラリー■
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ホントは、強烈な個性を放つ、ムヒョクを捨てた母親オ・ドゥルヒ様の画像をお見せしたかったんだけどみつからず、
こんな、恋愛一辺倒な画像ばかりになってしまいました。
ラストの母親とムヒョクのシーンは、かなり胸が痛いです。