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熊野古道


熊野古道

今回の集合は6:30と早い。
6:33広島駅を出発。
私はまだ行った事がないのでワクワク感がすごい。
運転手さんもゆっくり安全運転で行きますと言われ安心して乗っていられる。
東ICを入り南紀田辺でICを出る。
南紀田辺駅で一人乗り、これで今回の参加者全員が揃う。
14:00滝尻王子バス停で下車。
バスはここでお別れ。
明日の下山まではいない為、今夜から明日に必要な物は持って歩く。
少し進んだ所でストレッチ後、いよいよ熊野古道だ。
登山道脇にはアリドウシのつぼみが点々とある。
ゆるやかだった登りもだんだん急になってくる。
急に前が止まる。
休憩? 違う、胎内くぐりだ。
順番が来て見ると、出口の所だけが急に狭くなっているけど、先に抜けた人にザックやストックを取ってもらうと体だけなので思ったよりすんなり抜けられた。
みんなが通り抜けるのに30分位はかかっただろうか?
不寝王子で休憩、その後は急な登りというのではなくだらだらと登るような所が多い。
急に階段の登りだ~。
少し登ると展望台だったけど木々が茂って最高という程ではない。
ここからはほぼ下り。
ツツジの木が多い階段や石畳の道を下って一度林道に降りて、すぐまた向かいの山に入る。
急な登りだ~。
中辺路⑤と書いてある。
地図を見ると、滝尻王子から500m毎にこの道標があったらしいけどここまで見落としていた。
その後も階段の登りは続く。
中辺路⑥を少し進むと舗装された道になる。
降りたね~。
熊野神社の前を通り(シャガの花がこれでもかという位咲いている)霧の郷休憩所という所に着く。
この下あたりにはすばらしい雲海が見られるらしいけど、今日は天気が良かったので明朝は見られないでしょう。
残念。
少し登った所に今日の宿、霧の郷たかはらがある。
白花のモッコウバラでできたアーチをくぐって宿に。
なんだかちょっと薄暗い。
外が明るいだけではない。
全体に余分な明かりは灯けていないようだ。
今日は全館ハイキングクラブの貸し切りで他に客はいない。
部屋・浴室・トイレ以外は昔の田舎の古民家の懐かしい感じの必要最小限の明るさだ。
女性は和室だけどベッドのある部屋で、男性はもろ和室。
食事はレストランというより食堂という感じ?
オーナー(霧の郷プロデューサー)の小竹(しの)さんは、おもてなし上手・話し上手・人を楽しませ自分も楽しむを実践しているような人。
一度聞いた名前はすぐ覚えてその名で呼ぶ。
ギターの生演奏で禁じられた遊びなど4曲を披露する。
その演奏にみんな引き込まれる。

4/19(火)
今朝は朝食が済むと宿の前で集合写真を撮る。
もちろん小竹さんも一緒に。
7:35出発。
二人ほど体調の関係であとから皆と合流するバス停へ行くそうだ。
昨日の道を少し引き返して、すぐ石畳の登りに。
たいした登りではないのに食べた後の登りはなぜかしんどい。
コンクリート道に出るとポニーが散歩している。
広い所でストレッチ後、また石畳の道を登る。
歩きにくいね~。
山に入っても急坂というわけではないけどずっと登り。
今日は花がない。
30分弱で衣服調整、静かな山の中時々鳥の声。
大門王子で休憩。
私達の班のHさんが地図を見ながら、もうすぐ登りになるよとか、この先は下りだよとかずっと教えてくれるので、その心構えができる。
十丈王子と東やを過ぎるとトイレのある所。
少し長めの休憩。
登ったり降りたり。
ここは危ないから気をつけてくださいね~。
そこまで行くと道が狭くなり左側は崖になっている。
悪四郎からは下りが続く。
その後はくねくねと登ったり、平坦な所があったりして上多和茶屋に。
25分位進むと三体観月所がある。
その昔、陰暦の11月23日の月の出の時、高野山上で東伊勢路の方から一体の月が登り、あっという間にその左右に二体の月が出たとあり、この伝説は上多和・悪四郎・槇山にもあるそうだ。
大坂本王子を過ぎ一度林道に降り、階段を登る。
牛馬童子へ行き、その先ちょっと間違えて少し引き返す。
あとは下るだけ、と言っても急な下り、右へ左へと足元が悪すぎる。
やっと降りて北野橋を渡り、バスの待つ駐車場へ。
みんなが乗り込むとすぐ出発。
今日もバスの中で昼食。
13:10熊野本宮着。
みんな思い思いに長い階段を登って本宮へお参り。
ここに来ると右を見ても左を見ても八咫烏。
3本足のこの烏は太陽の化身とも言われ、神武天皇を大和の橿原まで道案内をしたとされ導きの神とされているそうだ。
その後大きな黒い鳥居のある大斎原(おおゆのはら)の石祠まで行きお参り。
明治22年8月の大水害で流失した熊野本宮のあった場所で、ミステリースポットでもあるそうだ。
次は速玉大社へ。
ここには八咫烏をお祀りした社もある。
平重盛が植えたとされる推定1000年の梛の御神体は注連縄が飾られ、どっしりと枝葉を広げていた。
神倉神社への石の階段は自然石を積んで出来ていて、幅・高さ共揃っていなくて何とも登りづらい。
早い人はどんどん登りどんどん降りて行く。
バスに乗ると担当さんが、今日はこれから港へ行って船でホテルへ行きますから荷物はみんな持って行ってください。
船でしかいけないホテルなんだ? 亀の型の船に乗りホテル浦島へ。
白い大きなホテル、山上にも別館がある。
このホテルには洞窟風呂が2ヶ所ありその他内湯もあるので、3ヶ所のお風呂に入りスタンプを押してカウンターに持っていくと粗品がもらえるとの事。
部屋に荷物を置いた所で夕食までまだ少し時間があるからと、8人で狼煙公園へ行く事にする。
私達3人は部屋のスリッパで行く。
あれみんな靴履いてるの?
水平線に沈む前の夕日がきれい。
白い展望台に登ったり浦島神社にお参りをして突端の展望所まで行って見る。
夕食はバイキング。
好きな物を好きなだけ食べる。
夕食後は洞窟風呂2つと内湯に入り、3つのスタンプを押してカウンターに持っていくと本当に粗品だ。
忘帰洞という入浴剤。
しかし短時間に3ヶ所の入浴はちょっと疲れる。

4/20(水)
7:40亀の船で竜宮城ならぬホテル浦島を後にする。
勝浦港からバスに乗り、大門坂駐車場へ。
ストレッチ後、アリドウシのつぼみが参道脇にあるゆるやかな階段の登り、どこまでも続く。
最後に朱の鳥居をくぐり那智大社へ。
お参りを済ませると左の方向に那智の大滝が見える。
少し下に青岸渡寺があるけど、そこには寄らずに大滝へ向かう。
写真を撮って上の展望台に行き、写真を撮ったり御神水を頂いたり。
御神水、さて御利益は?
この辺りではお弁当を売ってないからと一般道に出て、コンビニで昼用のおムスビなど買う。
11:10コンビニを出てからは海岸線を走る。
奇岩が多い。
岩場もゴツゴツと荒いけど、宮崎の鬼の洗濯板とはまた違う風景の岩の海岸。
砂浜なども何となく黒っぽい。
ここは串本……向かいは大島と歌われた巡航船は橋が出来たので今はもうないそうですね。
もう少し走ると橋杭岩があるという。
帰り道だからと道の駅はしくいに止めてもらいしっかり珍しい橋杭岩の写真をみんな撮っている。
海の浸食により硬い部分だけが残り、串本から大島へ向かうように海中で約850m位の列をなして、大小40余りの岩柱がそそり立っているそうで、その規則的な並びが橋の杭に似ていることから名がついたそうで、国の名勝天然記念物に指定されている。
南紀田辺で一人降り、三木SA、福山SAと休み広島駅に19:52着。
ほぼ予定通り。
楽しかった三日間はあっという間に過ぎた感じ。
担当さんお疲れさまでした。
とってもた・の・し・か・っ・た・よ~。
ありがとうございました。

記.西村 



熊野古道(中辺路)と熊野三山(本宮大社・速玉大社・那智大社)を巡る旅
日 程:2022年4月18日(月)~20日(水)
参加者:16名(男性:6名、女性:10名)
一日目(18日) 天気:晴天
広島駅を貸切りバスで出発して(6:30)、初参加者(大上)を紀伊田辺駅でピックアップ後、今日のスタート地点の滝尻王子バス停に到着(14:15)。
熊野三山の神域の入口とされている「滝尻王子宮」を参拝した後、準備体操をして登り始め(14:30)、「滝尻王子宮」の裏手から急な石段を20分位登ると巨石にポッカリと穴が開いている「胎内くぐり」と「乳岩」に着いた。
さらに登り坂を進み「不寝王子」「剣山経塚跡」を経て「飯盛山の展望台」に辿り着き、新緑の美しい山並みの眺望を楽しむ。
体調不良でペースが遅くなったり観光ポイントで時間を要したりと予定が大幅に遅れたので、Yさんが宿に電話連絡。
さらに古道を進むと集落に入り「高原熊野神社」の巨大なご神木が見えてきて3分ほどで「高原霧の里」の展望台に辿り着いた。
そこからの眺めは山並みを背景に眼下に水車小屋と棚田の田園風景が広がっていて日本の原風景に癒される。
展望台から5分で今夜の貸切り宿「霧の郷たかはら」に到着(17:20)。
スタッフに温かく迎え入れられ、そこはかとなく南欧の香り漂うダイニングルームから熊野の山並みとあかあかと燃え盛る暖炉とテラス一面に散りばめられた桜が私達を歓迎してくれた。
夕食までの間、部屋で寛いだり、お風呂(温泉)に浸かったり、ビール片手にテラスから夕陽に染まる田園風景を楽しんだり、と思い思いにリラックスして過ごす。
夕食は地元の山と海の幸を使った郷土料理&スペイン風の和洋折衷の創作料理で、先ずは乾杯でスタート。
宿の小竹オーナーはホスピタリティ精神に満ちた楽しい方で、食事の間もさりげない気配り・軽妙なトークと本場スペイン仕込みのギターで私達をもてなし、和気あいあいと楽しい時を過ごした。

二日目(19日) 天気:晴天
宿の前で小竹オーナーを交えて記念の集合写真を撮り、近露王子に向けて出発(7:30)。
体調不安で歩きをバスに変更した二人は最寄りバス停までオーナーに送ってもらい、下山地点の近露王子まで路線バスで向かう。
貸切りバスの乗務員さん達と待っていると川向うの山から元気に下ってくる14人の姿が見えた(12:30)。
すぐにバスで熊野本宮大社に向けて出発。
車中で昼食を済ませて本宮大社に到着(13:10)。
Yさんから一時間後の集合を告げられ、先ずは全国4000社以上あるとされる熊野神社の総本宮「熊野本宮大社」を参拝する。
杉木立に囲まれた檜皮葺の社殿は荘厳な雰囲気に満ちていた。
次は1889年の大洪水で流されるまでは本宮大社があった大斎原の旧社地に向かう。
田園風景の中にそびえ立つ日本一の大鳥居をくぐり、魂の再生と蘇りの聖地「大斎原」をゆっくり散策後、予定時刻(14:15)に速玉大社に向けて出発。
熊野川沿いの道を走り「熊野速玉大社」に到着(15:30)。
境内には国指定天然記念物の樹齢約千年の梛(なぎ)のご神木が威風堂々とそびえていた。
その葉を熊野詣の人々は旅の無事と現世安穏の祈りを込めて、懐中に納めてお参りしていたそうだ。
次の目的地「神倉神社」近くまでバスで移動。
神倉神社は538段の石段を登った所に鎮座している。
中辺路を5時間歩いた疲れも見せず、皆さん元気に急勾配の石段をどんどん登っていく。
登り切った先には大迫力の御神体の「ゴトビキ岩」。
熊野三山の主祭神が降臨した場所と伝わる岩で圧巻の存在感だ。
眼下に新宮市街と太平洋の大パノラマの絶景が広がっていた。
石段を慎重に下りて、待機していたバスに乗り、宿泊地の紀伊勝浦港に向けて出発(16:30)。
30分ほどで勝浦港に到着(17:00)。
待ち構えていた亀の送迎船に乗って「ホテル浦島」にアッという間に着く。
ホテルのスタッフから館内マップで施設の説明を受けて、それぞれ部屋に落ち着く。
ホテルはとにかく広い‼ 勝浦港を取り囲むように伸びた半島そのものがホテルの敷地でマップ無しでは迷子になりそうだ。
ここには自然洞窟天然温泉の「忘帰洞」と「玄武洞」があり、押し寄せる熊野灘の荒波のしぶきの音を間近に聞きながら浸かった温泉は忘れがたい。
他にも高低差日本一77m全長154mのエスカレーター「スペースウォーカー」で熊野灘の眺めを満喫できる展望台に行ける。
夕食のバイキング会場で「夕焼けが素晴らしかった」との情報を得る。
明日の日の出を展望台で観ることを決めて目覚ましをセットして就寝した。

三日目(20日) 天気:晴天
日の出を観るため展望台に向かったが、エスカレーターは運転時間外で仕方なく側の428段の階段を上る。
朝の清々しい空気の中、水平線から昇り始めた太陽を静かに眺めた。
洞窟温泉に浸かりながら、打ち寄せる荒波と朝日を堪能した人も結構いらしたようだ。
朝食後、予定より早めの船に乗って(7:40)勝浦港から今日の目的地「熊野那智大社」に向けて出発。
15分で大門坂に到着(8:07)。
「大門坂」の石碑の前で集合写真を撮って、歩き始めて5分位で巨木の夫婦杉が見えてきた。
ここからが古の面影を最も色濃く残していると云われる熊野古道が始まる。
うっそうと茂った神秘的な巨木の杉木立の中の石畳と267段の石段をゆっくり上り、さらに那智山参道入口から整備された467段の階段を上った所が「熊野那智大社」。
先ずは参拝して隣接する「青岸渡寺」へ向かうと境内の広場から「三重塔」と「那智の滝」が遠くに見えた。
「那智の滝」をめざして坂を下っていくと鳥居に辿り着き、さらに参道の石段を下りていくと落差133m日本一「那智の滝」の雄姿。
集合時間まで余裕があったので、さらに滝を間近に拝観できる「お瀧拝所」への参入料を納めて入ると「延命長寿の水」と伝えられる滝壺の水場があり、盃を100円で購入。
しっかり喉を潤して「お瀧拝所」の舞台に。
この場所からのご神体「那智の滝」の眺めは迫力満点で、荘厳で神々しく見ているだけで祓い浄められた気がした。
皆さんは予定の時間まで各々自由に散策を楽しまれたようだった。
集合場所の滝前バス停で待ち構えていたバスに乗って(10:45)、車中での昼食を求めるためにコンビニに立ち寄る。
それから電車で横浜に帰る大上を那智勝浦駅まで送っていただき(11:15)、串本の奇岩群「橋杭岩」に立ち寄り、予定通り無事に広島へ帰着されたとご報告をいただいた。(記:大上)

【追記】
はじめまして‼ 二年前に入会しました広島生まれ、横浜在住の大上敬枝と申します。
広島ハイキングクラブの例会「神々が宿る地・熊野を巡る旅」に初めての参加でしたが、会員の皆々様に優しく接していただいて、故郷の温かさに触れた二泊三日の旅でした。
企画担当、運営担当を務められた方々及びご参加の皆々様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
また、お会いできるのと楽しみにしております。