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領土名:モンディーゴ公爵領
州都:カビリア
領主名:ガルシア三世

領地概要

人口:80万人前後
言語:共通語 バレリア語(共通語と発音が多少異なる、所謂ところの方言)
宗教:憲法により自由が保障されている(但しアグラム教徒が圧倒的多数)
政体:立憲君主(事実上領主による独裁体制)
紋章:赤地に角の生えた金獅子
軍隊:公爵家私兵:二千人 常時雇用傭兵:二千人(情勢次第で増減)
議会:二院制(貴族院、下院) 
内政:
 上院、下院による多数決と領主の承認によりが宰相が選任され組閣、行政を執り行います。上院、下院議員は選挙により選出されるが貴族による制限選挙。現在の宰相はフェルナン・ロドヴィゴ(上院出身)。
 上院、下院ともに領主一族であるモンディーゴ家の影響が絶大で領主の後援を受けた候補者が宰相となっています。

歴史:
 300年ほど前、カビリアを中心とするバレリア王国により統治されていましたが、ドレスからこの地に流れてきた傭兵隊長フアン・モンディーゴにより武力制圧され現在に至っています。
 モンディーゴ一族は代々優れた行政手腕を発揮、武力による支配の一方、婚姻政策を積極的に行うことで土着の貴族を取り込み支持基盤を確立。領主一族への中央集権と高度な官僚機構による効率的な内政が行われ財政は豊かです。
 100年前に大国からの圧力を退けるためトロウ王国に加入。三大商人ではグランカルヴァー、カルティルトと結びつきが強くなっています。

文化的特色:
 モンディーゴ公国の他州と較べて極めて異質な文化的特色として『イダルゴ』と『アグラム信奉』、『貴族政治』が挙げられます。

・『イダルゴ』
 モンディーゴ公国は領主一族が傭兵の出自であるためか尚武の気風がとても強く、多くの傭兵団が存在します。
 モンディーゴ公国の傭兵団は際だって統率がとれており、長槍戦士と魔法士を組み合わせ、それを隊列とした『テルシオ』陣形によりその精強さは他国にも鳴り響いています。
 この陣形が圧倒的な強さを誇る背景には優秀な下士官の存在が挙げられますがその下士官の供給源となっているのが『イダルゴ』です。
 『イダルゴ』とはバレリア語で「ひとかどの者」という意味で、郷士、下級騎士(貴族)のことを指します。
 『イダルゴ』は通常の貴族並みの経済力を持つものから平民以下の経済力の者まで多種多様存在します。彼らは領主政府から発行された「血統証明書」を持ち、法的に平民とは異なる存在であることを認められ選挙権を許され、参政権を認められています。
 元来はバレリア王国時代の騎士、貴族を吸収し、モンディーゴ一族の支配下に組み込むために作られた身分であり、内政上の混乱を避けるために設けられた身分でした。近年では財を成した富裕層が「血統証明書」により平民から貴族身分へとのし上がるための手段として使われ、富裕層が競って「血統証明書」を政府から購入しています。
     
・『アグラム信奉』
 領主であるモンディーゴ一族がアグラムを積極的に信奉しているため法律と契約を重んじる地域性となっています。政治、経済ともに法律と契約に則って厳格に執り行われます。そのためこの国では決め事はとことんまで詰めて慎重に行われます。結ばれた契約は厳格に守る、が、その契約において定められていない部分には自らの有利になるよう貪欲に行動します。そのためモンディーゴ公国民は他州の者から「味方ならば心強いが敵に回ると食えない奴」という認識を持たれています。

・『貴族政治』
 モンディーゴ公国では選挙権は貴族しかもたず、上院、下院ともに被選挙権も貴族に限られ、平民が議員になることはできない。官僚組織もほぼ貴族で構成され、次官級から現場職まで貴族が占めている。モンディーゴ公国の政治は貴族により完全に支配されているといえる。
 その理由は前述した『イダルゴ』制度によるものが大きい。領主政府から「血統証明書」を購入することで簡単に『イダルゴ』という貴族身分になれるためある程度以上の財があるものはほとんどが『イダルゴ』になっています。そのためモンディーゴ公国では国民に占める貴族の割合が1割に達していて、その内の7割は『イダルゴ』となっていて『石を投げればイダルゴに当たる』と言われています。
 政治に介入しようとするだけの力があるものは軒並み貴族、『イダルゴ』になっているため際立った貴族政治が行われていると言えます。
 また「血統証明書」を発行することで貴族身分の7割を占める『イダルゴ』を支配下においた領主家は安定した政治基盤を確保し、領主独裁をより強固なものとしています。

地理:
 トロウ共和国の北端に位置し、ドレス帝国、トヴァシュトラ帝国、エルフ森林保護区と他勢力に囲まれた場所に位置しています。
 州北部から中部は草原部。農業に適した土壌。加えて領主一族が代々効率的な開拓事業を行っていたため食物の生産力は高くなっています。またモンディーゴの草原部は馬の生産地でもあり、優秀な軍馬の産地として知られています。
 ドレス、トヴァシュトラ両帝国からの侵略に備え国境には多数の「テルシオ」が配置され常に警戒を怠りません。
 またエルフとは相互不可侵条約を結び、友好的な関係を保ち交流も盛んです。そのため北部では人口に占めるダブルの比率が20パーセントに達しています。
 州南部、ジュノー側の山地からは鉱山資源が産出されています。

主要都市:
 カビリア(州中西部に位置、近隣人口21万人、魔法士協会、各神殿が揃っています)
   モラゴン(州北部、近隣人口15万人、魔法士協会、各神殿が揃ってます)
 レデンシア(州南部、近隣人口20万人、各神殿が揃っています)

          

人物:   
・ガルシア三世(42歳・男)
 現モンディーゴ公爵。焼けた肌に黒髪で彫りの深い顔立ち。優れた為政者で文武両道の人物。性格は冷静かつ勇猛。モンディーゴ一族は代々熱心なアグラム信者で彼もその例に漏れません。

・ペドロ・フェルナンディス(38歳・男)
 男爵。長身の偉丈夫で性格は豪放磊落。モンディーゴ公爵家の親衛軍を率います。優れた戦士でもあり、名誉を重んじる勇猛なアグラム神官でもあります。

   ・『デスペラード』ピサロ・ロドリゲス(29歳・男)
 「イダルゴ」。公爵領最大の傭兵団を率いる傭兵隊長です。顔全体に及ぶ向かい傷を持ち迫力のある顔をしています。ピサロの率いる傭兵団は最大かつ最強の評判です。しかし敵には一切情けをかけない冷酷さと勝つためには手段を選ばない戦い方で悪名も高く、ピサロは『デスペラード』(ならず者)と呼ばれ怖れられてます。

担当:ルパ


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